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東芝、監査法人の結論表明なしで'16年第3四半期決算発表。5,762億円の赤字

 東芝は11日、2016年度第3四半期決算を発表した。売上高は前年同期から4.2%マイナスとなる3兆8,469億円、営業利益は5,763億円の赤字、純損益は5,325億円の赤字となった。なお、本決算は、監査法人の承認を得ておらず、PwCあらた有限責任監査法人は結論を表明しない旨のレビュー報告書を提出している。

 売上高は、原子力発電所建設子会社の新規連結や、メモリとHDDの増収があったものの、円高の影響や構造改革によるパソコン・テレビの事業規模縮小の影響で前年比で1,666億円減少。また、営業損益は、賞与減額等の緊急対策もあり、原子力発電システム以外のほぼすべての事業が対前年同期で改善。特にメモリは営業利益率16%を達成した。しかし、原子力システムののれんの減損損失7,166億円の計上により、マイナス5,763億円と大幅な赤字となった。

 セグメント別では、エネルギーシステムソリューションズが、売上高が前年6%増の1兆857億円、営業損益は7,598億円の赤字、インフラシステム、リテール&プリンティング、ストレージ&デバイス、インダストリアルICTの各セグメントはいずれも営業利益が黒字となっており、メモリなどのストレージ&デバイスの営業黒字は1,546億円。

 テレビなど映像事業は、売上高が前年比39%減の463億円。営業利益は89億円の赤字だが、前年の260億円の赤字から171億円の改善となっている。海外ブランドライセンス化に伴い売上高が減少しているが、第3四半期の営業利益は黒字化した。PCも売上高が前年同期比62%減の1,405億円となったが、欧州BtoC撤退によるもの。営業利益は改善し、ブレークイーブンを達成した(前年同期は328億円の赤字)。