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浜松町の東芝ビルディングがツインタワーで再開発。「湾岸スカイラインの新シンボル」

 野村不動産とNREG東芝不動産、東日本旅客鉄道(JR東日本)は、共同で推進している「(仮称)芝浦一丁目計画」の整備方針を発表した。東芝グループらが入居しているNREG東芝不動産の浜松町ビル(東芝ビルディング)に加え、JR東日本が保有するカートレイン乗降場跡地を一体とした4haを超える土地に、約10年の期間をかけてオフィス・ホテル・住宅・商業施設等からなる大規模複合施設を段階的に整備する。

イメージパース 東京港より計画地を望む
浜松町ビル(東芝ビルディング)。'16年撮影

 設計者は、日本を代表する建築家である槇文彦氏。「東京湾岸部の新たなシンボルになると共に、東京全体の更なる賑わい創出と国際競争力の向上に資する事業として、未来につながる街づくりを目指す」としている。

計画地並びに周辺地図
計画配置と整備概要および周辺地区との連携のイメージ

 区域面積は、東京ドームとほぼ同等の約4.7ha。高さ約235mのツインタワー、延床面積約55万m2の大規模複合開発で、低層階には商業施設、S棟/N棟の2棟の複合ビルにはオフィスとS棟上層階にホテル、N棟上層階には住宅を整備する。S棟は地上46階地下5階、N棟は地上47階地下5階となる見込み。

計画断面イメージ

 着工・竣工はS棟が先行し、2020年度に着工、2023年に竣工予定。次いで、N棟が2026年度に着工、2029年度竣工予定。プリツカー賞等を受賞した世界的建築家 槇文彦氏が設計し、「東京湾岸部のスカイラインにおける新たなシンボルを創造する」としている。

 周辺地区との回遊性強化を目指し、JR浜松町駅南口東西自由通路の拡幅やバリアフリー化に加え、カートレイン乗降場跡地を歩行者専用道路として整備し、歩行者ネットワークを強化。にぎわい創出を目指す。

 加えて、ビジネス交流を促進する「アフターコンベンション施設」・「次世代エネルギー交流施設」を整備。水辺の環境や眺望を活かした国際水準のサービスを提供する宿泊施設を整備するという。

 さらに、芝浦運河の船着場やテラス、運河に開かれた広場等の整備により 憩いの水辺空間を演出。「日の出ふ頭」の一部を活用した「小型船ターミナル等」の整備・運営を通じて、舟運の活性化も目指すとしている。

芝浦運河対岸より計画地を望む

設計者 槇文彦氏からのコメント

芝浦運河、日の出桟橋を介して東京湾を一望するこの敷地に建設される二棟の超高層は東京のどこにもない壮大な景観を享受し得るに違いない。 我々が設計に当って最も苦心したのはこの二棟の姿のあり方である。 同じ家族の中の兄弟であるから似てはいるが、 少し違うところもあってもよい。 S棟の頂部はホテル、 N棟のそれは集合住宅であるから、当然違う顔をもっている。そして肩から下の外形も微妙に異なった屈折によってその差異性を強調し、 表現している。しかしその裾は埠頭と一体となった中央広場を介してあでやかにひろがり、此処だけにしかない祝祭性の実現を目指している。 そこは朝から夕べまで、又週末にも、彩とりどりの衣装をまとった人々の交流の場所であって欲しい。
 このような素晴らしいポテンシャルに満ちた施設の設計の依頼を受けた我々はその多くの希望と期待に応えるべく、 全力を挙げてその実現に立向おうとしている。