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DJI、ネット通信を停止してドローンを飛ばせる機密保護用ローカルデータモード

 DJIは、機密性の確保が求められる政府機関や企業顧客向けに、プライバシー保護を強化するため、ドローンの操作アプリ「DJI PILOT」のインターネット通信を停止できるローカルデータモードを発表した。次回のアプリアップデートにより、DJIの端末である「CrystalSky」と、一部のAndroidタブレットで利用できるようになる。

 ローカルデータモードを使うと、アプリはインターネットでのデータの送受信を停止するため、重要なインフラ点検や政府機関のプロジェクトなどの、機密性の高い業務に従事する操縦者に、より一層のセキュリティ保護を提供できるとする。

 ただし、ネットのデータ通信を停止するため、ユーザーの位置情報の検知、飛行禁止エリアや一時的な飛行制限のある地域などのジオフェンシング情報や、地図情報の表示もできないほか、ファームウェア更新の通知も行なわれない。ネット接続を前提とした機能全般が使用不可となり、「これまで以上に慎重な操作が求められる」という。

 また、インターネット接続が必要な場所や、現地の法令や規則でそのような飛行が規制されている場所では、ローカルデータモードを使用できない場合がある。

 ローカルデータモードの解除中は、高度や距離、速度といった飛行ログのテレメトリデータは機体に保存される。ローカルデータモードでも、ユーザーが撮影した写真や動画は、機体のSDカードに保存可能。

 DJI Pilotから、[Activate LDM Mode]を選択し、パスワードを入力すると利用可能。このパスワードは、ローカルデータモードを解除して、ネットに接続する際にも必要となる。

 8月に、米陸軍において、セキュリティ上の脆弱性などを理由に、DJIのドローン禁止を決めたと報じられており、DJIは同月、ローカルデータモードの開発を予告していた。