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Rega、設計や素材を一新したアナログプレーヤー「Planar 6」。人気のRP6後継
2017年10月20日 08:00
完実電気は英Regaのアナログレコードプレーヤー「Planar 6」を11月中旬に発売する。価格はカートリッジなしのモデルが17万円、MMカートリッジ「Exact」付きモデルは21万円、MCの「Ania」付きモデルは24万円。
Regaのプレーヤーの中でも人気モデルとなった「RP6」の後継で、上位機RP8/RP10の技術を進化。特徴とする「より軽く」、「より硬く」を一歩推し進め、キャビネットやサブプラッタを一新。同梱の電源ユニットも新しくなった。シンプルなデザインを継承しつつ、RP6とは異なるマット仕上げを採用している。
筐体は特殊ポリウレタン製で、RP8/10に使われているものを進化させた「Tancast 8 ポリウレタンフォーム」を採用。航空宇宙産業用に開発された材質で、軽さや硬さに優れるという。この素材に高度の圧縮をかけ、新開発HPL硬化プラスチックラミネートによるサンドイッチ構造を採用し、剛性レベルを高めた。
底面には3mm厚のフェノール材製のプレートを、天面にはアルミプレートを貼り、メインハブとトーンアーム台座を補強。音質の向上に寄与しているという。
新しい電源ユニット「Neo PSU」は、より正確な電源供給を実現し、回転ムラやモーターの鳴りを抑制。RP8/10と同様にジェネレーター機能を備え、DSPによって「ほぼ完全な」波形を生成、Planar 6本体に供給できるという。これにより、回転ムラや不要な振動がプラッタやキャビネットへ伝わらないようにした。
駆動方式はベルトドライブ。24Vシンクロナスモーターも新タイプに刷新。回転ムラと鳴りを抑えた。RP8/10同様に、出荷前にNeo PSUと本体ユニットを接続して調整している。回転数は33 1/3。
サブプラッタは新規に金型を起こしてデザインを一新。アルミ製で一体形成とし、滑らかで摩擦の少ない形状となった。アルミ削り出しのプーリーも形状を改善し、滑らかな回転の実現に貢献。新たなメインプラッタは2層構造で、外周に重みがかかるようにした。ベルトはRP8/10で採用されているアップグレードタイプを標準装備。回転ムラの抑制と音質の向上を図った。
トーンアームは欧州で高い評価を受けているというRB330を使用。35年の歴史を持つRegaのアームテクノロジーと3D CAD&CAMテクノロジーを活用して開発された。
アームの中心のハウジングを新規設計、アンチスケーティング設計や、硬度と垂直方向への動きを改善した。アームホルダーのクリップと針圧用のインジケーターを改善し、操作性を向上。トーンアームの設計も見直し、ハウジングや台座、ヘッドシェルへのバランス配分を改善。高精度のベアリングも備え、滑らかで安定した動きを実現。「いままで聴こえなかった細部まで、みずみずしくレコード盤から聴こえてくる」としている。
さらに、ベアリングにかかる圧力を分散させるベアリング専用カートリッジを新規開発。ベアリング自身の品質も改善し、360度全方向に滑らかな動作を実現。Rega製カスタムケーブルとケーブルプラグ、ステンレスウェイトを使用している。
フットは3層構造で、新規に起型したアルミキャップ採用のフットは、安定した設置と防振に貢献。新ダストカバーも付属する。
外形寸法と重量は、本体が448×365×120mm(幅×奥行き×高さ/ダストカバーを閉じた状態)、5.2kg。電源ユニットは、180×155×50mm(同)、0.6kg。
カートリッジ付属モデルは2種類から選択
カートリッジ付属モデルは2種類用意する。MMカートリッジ「Exact」は、Regaオリジナルの一体形成。針と本体部の間にあるジョイント部で発生する音楽信号のエネルギーロスを防いでいる。天面はフラットで、アームやヘッドシェルに隙間なくフィットする。
ワイヤリングを独自に設計開発し、ワイヤー長は従来のMMカートリッジの1/3。軽量で能率の高いカートリッジとした。左右のチャンネルをそれぞれに巻き、出荷時に左右の出力差がないように検査している。
MCカートリッジ「Ania」は、AphelionやApheta/Apheta2の下位モデル。上位機種の音質と機構、テクノロジーを受け継ぎながらコストダウンしている。
超軽量出力回路を実現するために、ダンパーの代わりに独自の楕円状の軸を採用したカンチレバーとそれを支えるネオジウムマグネットを独自開発。カートリッジ本体は、成形の精度±0%を目指して設計された。本体はアルミ削り出し同様の剛性と、金型成形時の安定性、高い精度を持つという「PPS-Forton」を使用。Apheta2から大幅にコストダウンしながら、ほぼ同等のスペックとしている。