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Rega、スケルトンデザインのレコードプレーヤーが進化「Planar 8」

完実電気は、英Rega(レガ)のアナログレコードプレーヤー「Planar 8」を12月中旬に発売する。価格は、カートリッジなしのモデルが33万円。カートリッジ付きモデルは3種類で、「Exact」付属は35万円、「Ania」付属は38万円、「Apheta 2」付属は44万円。

Planar 8

現在のRegaターンテーブルの象徴的モデルとされる「RP8」が、新たに「Planar 8」となって登場。Planarシリーズの開発から生まれた最新技術と素材の活用法を進める一方で、ブランドビルダーのRoy Gandy氏と、その右腕であるPhill Freeman氏によるプロジェクトNaiadaで築き上げたクラフトマンシップを開発に反映したミッドハイクラスの新製品となる。駆動はベルトドライブで、回転数は33 1/3、45。

キャビネットは特殊ポリウレタンフォームを初めて採用。航空宇宙産業用に開発されたもので、軽さや硬さを特徴としている。RP8/10のスケルトンデザインを進化。質量の分配を見直し、キャビネットのデザインに改良を加えたほか、30%の以上軽量化した。

異種合金でつくられた2枚のプレートを天面と底面に加えたデュアルブレイシング・テクノロジーにより、アームベースとプラッター軸上の2点を結ぶエリアに剛性のアップと優れたバランス配分を実現したという。

プレートの形状を見直したことで軽く高精度なベアリングが採用可能となり、不要なエネルギーの発生を抑制。天面にはマグネシウムで成形されたプレート、底面に独自配合でつくられたフェノール材のプレートを使用。軽く剛性の高い異種合金が採用され、素材の独特の音質を避け、不要な鳴りと音のエネルギー感の損失を防ぐ。底面のフェノール材は3mmに厚さが増したことにより剛性もアップしている。

3層構造のカスタムガラスプラッターを引き続き採用。材質はピルキントングラスで、カスタマイズにより質量のバランスがよく、音質的に優れたプラッターを開発した。ロンドンにあるガラス加工ブランドとの共同開発により、表面が完全に平らなプラッターを実現したという。

ガラスプラッターを搭載

慣性モーメントと剛性を維持しながらプラッターを動作させるために「Super flywheel」構造を採用し、外周は3層構造。Planar 8のプラッターには、従来のスモークタイプ(2層)と透き通るようにクリアなオプティホワイト(1層)を採用。アルミダイキャスト性のサブプラッターを採用したことで、滑らかでバランスがよく、ベアリングに不要な負担をかけない構造としている。

モーターには、2相24v ACシンクロナス低電圧モーターの性能をさらに引き出すため、Roy Gandy氏のプライベートプロジェクトNaiadaシリーズで開発された技術を初めてPlanarシリーズに採用。モーターへの電圧供給と振動対策を強化、音質に影響する回転制御を高めた。ベルトも新規開発され、従来のBelt-Upgradedを上回る最高クラスのベルト開発のため、原材料から見直してゴムを原料とした別注品の科学系素材を使用。切れにくく、滑らかで、たるみにくい形状を開発した。トルクに優れ、ワウ・フラッターの改善にも大きな効果があるという。

電源ユニットは別体で、一新された「Neo PSU」。正確な電源供給を実現し、回転ムラやモーターの鳴りを抑えている。RP10同様にジェネレーター機能を搭載し、DSPによって「ほぼ完全な」波形を生成、Planar 8本体に供給できるという。回転ムラや鳴りを抑え、不要な振動がプラッターやキャビネットに伝わるのを防止。出荷前に1台ごとに調整されている。

電源ユニット

RB330を進化させた、ハイエンドクラスのトーンアーム「RB880」を開発。既存のRB808をベースに、新RBシリーズの開発の中で獲得した技術を投入。0.001mm精度で動作するベアリングや、アルミとステンレスを組み合わせて剛性と柔軟性に優れたアームを開発。RB880のアームのパイプはスリムになり、柔軟性や対応力が高められている。

カウンターウェイトも新規開発され、異種合金で造ることにより、振動の分散だけなく、ウェイトそのものも小さくなった。Phonoケーブルも新開発され、ケーブルの高音質化だけでなく、ターミナルの接続性も改善した。

新規起型のアルミキャップを採用した3層構造の新フットを装備。安定した設置が可能で、防振にも貢献している。新ダストカバーを採用している。

外形寸法は本体が420×315×125mm(幅×奥行き×高さ/ダストカバーを閉じた状態)、重量は4.2kg。電源ユニットは180×155×50mm(幅×奥行き×高さ)、重量は0.6kg。

フット部

付属カートリッジ3モデル

MCカートリッジの「Apheta 2」(単体18万円)は、ネオジウムマグネットを採用し、コイルを独自の方法で手巻きしており、本体がオリジナルのAphetaから半分のサイズとなり、トラッキング性能を向上させた。

MCカートリッジ「Ania」(単体85,000円)は、Apheta 2の技術を継承してRegaが独自に開発設計。AphelionやApheta/ Apheta 2の下位モデルで、上位機種の音質などを受け継ぎながらコストダウンしている。

MMカートリッジ「Exact」(単体46,000円)は、Regaオリジナルの一体型ボディで、針と本体部の間にあるジョイント部で発生する音楽信号のエネルギーロスを防止。天面はフラットに成型され、アーム、ヘッドシェルに隙間なくフィットする。