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メガネスーパーの技術を活用したウェアラブル端末「b.g.」、量産に向け新デザイン

 メガネスーパーなどを展開するビジョナリーホールディングス子会社のエンハンラボは、“視覚拡張”をキーコンセプトとしたメガネ型ウェアラブル端末「b.g.(ビージー)」の量産デザインを発表。2018年1月17日~19日に東京ビッグサイトで開催される「ウェアラブルEXPO」に出展する。医療や観光、製造、物流などの分野での活用を見込んでいる。

「b.g.」の量産デザイン

 「b.g.」は左右に2つのディスプレイを搭載するノンシースルーのメガネ型ウェアラブル端末。「見え方のクオリティ」を追求し、両眼視を前提とした設計となっている。眼への負担を考慮し、長時間の作業や着用でも眼が疲れにくいという。パネルは1/2型のカラー有機ELで、解像度は1,280×960ドット。屋外での使用も想定し、本体はIP65の防水設計。

b.g.本体

 人それぞれ異なる瞳の位置を考慮し、左右のディスプレイ位置を変更可能。ディスプレイは上下に可動し、使用シーンに応じてディスプレイの表示位置を変えられる。ディスプレイを見る必要がない場合は、上方に持ち上げることで視界から外せる。

 両眼視を前提とした商品設計によりディスプレイ部は顔の中心部に配置。左右の重量バランスを保ち、装着したデバイスがどちらか片方に傾かないデザインとなっている。視力矯正のメガネを装用した上からもかけられる「オーバーグラスタイプ」のフレーム設計を採用。メガネをかけた状態でも窮屈にならずに着用できるという。

手持ちのメガネをかけた上から装着できる

 メガネフレーム生産の国内シェア1位である福井県鯖江市のメガネづくりの技術を活用。「見え方」と「かけ心地」を両立させるというフレーム設計で、ベータチタン素材を用いて頭部を包み込むようなフォルムとし、フロント部に集中しがちな重量の負荷分散を図っている。

 HDMIを備え、外部デバイスと接続可能。1,280×960ドット/60pの映像入力に対応予定。専用のHDMIケーブルは著作権保護のHDCPには非対応。給電はUSBケーブルを介してモバイルバッテリから行なえる。消費電力は230mA(予定)。接続するメインのデバイスはスマートフォンやRaspberry Piなどのモバイル端末で、接続した端末の無線LANやBluetooth、カメラなどを利用することを想定。「専用の開発環境を設けるという概念を持たずに既存のアプリケーション開発環境を使用可能とすることで、 あらゆる領域でのソリューション化を図る上で、開発企業の参入障壁を低くする」という。

スマートフォンやモバイルバッテリとの接続例

 '18年1月のウェアラブルEXPO展示後に量産プロセスを進行。他社との協力で実証実験を行なうほか、ソリューション開発を外部パートナーと連携して進行。量産に先駆けて同年2月から企業向けに先行品を納入する予定。