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ソニーが4K有機ELやXperia XA2など披露。AI×ロボットや車載強化、aibo復活に歓声
2018年1月9日 16:30
ソニーは、CES 2018の開幕前プレスカンファレンスを米国時間の8日に開催。平井一夫社長兼CEOが4K有機EL/液晶テレビの新モデルや、スマートフォン「Xperia XA2/XA2 Ultra」などを発表。また、日本で復活を発表したロボット犬「aibo」を、日本以外でも初披露した。
4K有機EL/液晶テレビや3.1chのDolby Atmosサウンドバーなど登場
平井氏は、'17年に発表して注目された製品としてデジタルカメラの「α9」や「RX0」を挙げたほか、PlayStation 4は7,360万台、PlayStation VRは200万台を突破。コンテンツではソニー・ピクチャーズの「スパイダーマン:ホームカミング」や「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」、「ブレードランナー 2049」、ソニー・ミュージックのThe Chainsmokers「Memories...」や、P!nk「Beautiful Trauma」などがヒット。ソニー全体としても好調な業績とともに1年を終えたことを振り返った。
2018年も、ハードウェアとエンタメコンテンツの両方で「感動」を届けることと、一人一人のユーザーのすぐ近くで、感性に訴えかける「ラストワンインチ」をテーマにしていくことを継続し、今回のCESで最初に発表した新製品は“テレビ”だった。
4K有機ELテレビの「A8Fシリーズ」は、'17年発売の「A1シリーズ」と同様に、高画質プロセッサのX1 Extremeや、画面を震わせて音が出るアコースティック サーフェスを搭載。HDRのDolby Visionにも対応する。A1との違いとして、奥行きが短いスタンドを採用したのが特徴。米国では5月ごろ発売予定で、65型は3,500ドル程度、55型は2,500ドル程度を予定する。
4K液晶テレビ「X900Fシリーズ」も、X1 Extremeを搭載。さらに、バックライトの点灯を最適化する新技術のX-Motion Clarityは、映像の明るさを保ちつつ動画応答性能を向上した。米国では3月ごろから順次発売予定で、85型の価格は約6,000ドル、49型は約1,000ドルを予定する。
次世代の高画質プロセッサ「X1 Ultimate」を開発していることも紹介。X1 Extremeの約2倍のリアルタイム画像処理能力を持つのが特徴で、X1 Ultimateを搭載した8Kディスプレイをブースに参考展示。独自のバックライト技術を組み合わせることで、8K/HDRコンテンツのリアルタイム処理と、HDRフォーマットの最高値10,000nitsの超高ピーク輝度を表現可能としている。平井氏は「ブースで観ていただければ、違いがきっと分かっていただける」と自信を見せた。
Xperiaは、既存モデルXA1/XA1 Ultraをそれぞれ機能強化したXA2/XA2 Ultraを発表。ミッドレンジモデルながら4K記録対応やセルフィー強化、バッテリの長時間化などを実現。XA1 Ultraはインカメラが通常と広角の2基構成で、切り替えて撮影できるのが特徴。
完全自動運転社会を見越した車載向けイメージセンサーも紹介。暗い場所での認識などで人間の眼を超える高性能なイメージセンサーが「車の眼」となり、安全な運転に貢献するという。
ソニーのイメージセンサー技術は、車載関連では既にBOSCHやデンソーが採用しており、現在はヒュンダイ、KIA、日産、トヨタなどともパートナーシップを結んでいることをアピールした。
aibo復活を世界のメディアが歓迎
センサーやメカトロニクスなどの技術を活かした「AI×ロボティックス」分野の一つとして、自律型エンタテインメントロボット「aibo」を紹介。日本国外では'17年11月に発表したが、海外では初の展示となり、この会見の中で一番ともいえる盛り上がりを見せた。
平井氏が抱えたaiboの姿を見て、来場した報道陣などからは歓声が上がるとともに。感動を抑えきれない人のため息のような声や、口笛を吹いてaiboに呼びかけようとする人もいるなど、世界中でaiboが愛され、復活が待ち望まれていたことを実感した。
ソニーは「AI×ロボティクス」の領域において複数のプロジェクトを進捗させており、平井氏は「aiboは、そのはじまり。AI×ロボティクスの可能性は、家庭、都市空間、病院、学校などにも広がる」と今後の展望を示した。