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500ドルのTVでもHDRを忠実再現するDolby Vision。Atmosはスポーツ中継やゲームに
2018年1月11日 18:43
ドルビーラボラトリーズは、米国ラスベガスで開催中の「CES 2018」において、プライベートブースを出展。Dolby Atmos(ドルビーアトモス)とDolby Vision(ドルビービジョン)搭載製品の展示や、採用の最新動向などについて説明した。
Dolby Visionは、2017年のトピックとして、Apple TV 4Kにおける採用や、初の対応STB登場、Ultra HD Blu-ray機器や作品、PCゲーム作品への採用などを挙げている。
米国デジタル放送規格ATSC 3.0にDolby Visionの技術が盛り込まれたほか、英BT、仏France.tv、スペインのRTVEといった、放送局でもトライアルが行なわれているという。
画質についても改めてアピール。採用パートナーであるTCLやVIZIOなどが、500~600ドルの比較的低価格な“メインストリーム”のテレビでもDolby Visionに対応していることから、非対応のSamsung製テレビのHDR10映像と直接比較。Samsungの高級モデル「QLED Q7F」などのHDR映像は色が鮮やかであるものの、業務用モニターの忠実な映像に比べて、炎のオレンジ色や、空の青色などは低価格なDolby Vision搭載テレビなどの方が忠実という点を強調した。
また、スマートフォンではiPhone XのDolby Vision映像と、Galaxy S8+のHDR10映像を比較。強い日差しが当たった石畳の表面の模様を、Dolby Vision映像ではつぶれずに描写できていることを紹介した。
なお、Samsungらは映画会社などとも連携してHDRの新たな規格「HDR10+」を推進しているが、Dolby VisionはHDR+よりも先に、動的メタデータを使ってトーンマッピングする手法を採用していることから、搭載製品も増え続けている点を強調していた。
サウンドバーにもAtmos普及。スポーツやゲームなど対応コンテンツ拡大
Dolby Atmosについては、ソニーが199ドルのUHD BDプレーヤー「UBP-X700」や、3.1chサウンドバーでの採用をCESで発表したように、対応機器も数が増えるとともに価格帯も多様化。PCでもHuawei「Matebook X」が採用している。
コンテンツについても、映画だけでなく、テレビドラマやスポーツ、音楽イベント、ゲームなどに拡大。一例としてテニスの全仏オープンを、SDR映像/ステレオ音声と、Dolby Vision(HDR)映像/Dolby Atmos音声で聴き比べるデモを行なった。3.1chのサウンドバーでも、音の移動感や、会場に響き渡る歓声など、音から得られる臨場感に大きな違いがあった。
ゲームでは、Xbox Oneの「Gears of War 4」がAtmosをサポート。Plantronicsのゲーミングヘッドセットで体験したところ、周囲で起きる爆発音などが立体的に再現されているのを実感できた。