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浜田省吾の歌声がAtmos音響で劇場を包む。「旅するソングライター」上映を体験

 浜田省吾のライブツアー映像に、新たなコンセプト映像を加えて映画館のDolby Atmos(ドルビーアトモス)立体音響で鑑賞できる上映イベント「SHOGO HAMADA ON THE ROAD2015-2016旅するソングライター“Journey of a Songwriter”」が、2月2日に開催。一足先に、その映像と音を劇場で体験した。

(c)ROAD & SKY

 9年ぶりとなった浜田省吾のホールツアー「SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2015"Journey of a Songwriter"」と、25万人を動員したアリーナツアー「SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2016 "Journey of a Songwriter"since 1976」の映像に、コンセプチュアルな映像も加えたもの。時間は116分。「ライブ会場とは違う、ファン同士のより親密な共有感」も味わえるという。映画館での上映はもちろん初となる。

 Dolby Atmos上映は、全国21劇場において2月2日19時から一夜限りで実施(チケットは完売)。「シアター内の3次元空間を移動する音でライブの臨場感を再現する」という。なお、Dolby Atmosではない5.1chサラウンド音声の通常上映は、2月9日~22日の2週間限定で、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国77館において行なう。

 5.1chの通常上映チケットは、ネットなどで購入できる前売券のムビチケで販売中。公開期間中であれば、全国各地の上映劇場にて使用できる。ムビチケカード/ムビチケオンラインの価格は2,200円、劇場販売券は2,500円。

SHOGO HAMADA ON THE ROAD2015-2016旅するソングライター“Journey of a Songwriter”
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TOHOシネマズ日本橋でDolby Atmos上映を鑑賞してきた
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 監督は板屋宏幸、企画製作はRoad & Sky、配給はライブ・ビューイング・ジャパン。協力はSME Records。バンドメンバーは、Ds:小田原豊、Bs:美久月千晴、Pf:河内肇、Key:福田裕彦、Gt:長田進、Gt&Vo:町支寛二、Sax:古村敏比古、Tb:清岡太郎、Tp:佐々木史郎、Vo:竹内宏美、Vo:中嶋ユキノ、Vo:浜田省吾。

浜省を近くに感じ、一緒に旅するような体験

 2月2日の上映に先駆けて、TOHOシネマズ 日本橋で1日に開催された特別試写会に参加。会場が一体感に包まれるライブを体験してきた。

 TOHOシネマズ 日本橋の、約290席あるスクリーン8で上映スタート。「光の糸」や、「旅するソングライター」、映画「アゲイン 28年目の甲子園」主題歌となった「夢のつづき」のほか、“DJ Shogo”として登場する「夜はこれから」など、バラエティ豊かな楽曲を披露。「J.Boy」や「I am a father」といった、熱いメッセージの込められた歌声で、ライブ会場が一体となった興奮が、その場にいるように感じられる。

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 映画館でライブビューイングを行なうこと自体は、ODS(Other Digital Stuff映画作品以外の上映)として増えているが、今回の映像は、単に2つのライブをまとめただけではなく、ライブを通して“旅する”という世界観が、映像で効果的に表現されている。世界の絶景にたたずむ姿や、目まぐるしく変わる都市などが、“ライブの背景映像”ではなく、会場の模様と重なって表現され、まるで世界中の様々な場所へ行って体験しているような感覚になる。16×6.7mの大画面「TCX」の映像により、テレビで観るミュージックビデオよりも強く胸に迫ってくる力があった。

 音声はDolby Atmosでマスタリング。上映後のクレジットを見ると、ドルビーサウンドコンサルタントの河東努氏も名を連ねている。音楽ライブの音声を劇場のDolby Atmosで聴くのは初めてだったが、ライブ会場の広さを劇場でも表現しつつ、繊細さと強い芯の通った浜田省吾の歌声は正面からストレートに届き、映像と合わせて本人を間近に感じられる。劇場の快適なシートでリラックスしつつ、家では出しにくい大音量で聴けるのも魅力だ。

天井や壁面のスピーカーを活用して立体的な音響を再現

 板屋宏幸監督は今回の作品について「旅は道連れ。映画館で彼と一緒に旅をして欲しい。これは2015年から2016年にかけて旅したソングライターと一緒にもういちど旅をするON THE “ROAD MOVIE”なのだ」とコメントを寄せている。ライブ映像を見るというより、浜田省吾が歌で語るドキュメンタリー映画のようにも感じ、本人と一緒に旅しているような感覚を映画館の中で味わえた。

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 今回の上映は、年間約150本のライブ生中継を実施しているライブ・ビューイング・ジャパンが行なう「LIVE VIEWING PREMIUM」という取り組み。チケット入手困難なライブなどを最新の技術で収録し、アーティストの魅力を最大限に引き出すこだわりの編集によって、新しいライブ映像として演出した作品を上映するというものだ。今後も伝説のライブなどの映像作品を展開予定としている。

 浜田省吾による今回のライブで十分な魅力を感じたが、このようにライブにストーリー性を持たせることで、観客がまるで一つの物語を読んでいるような体験をさせてくれるアーティストは他にも多い。生で体感できるのはベストだが、それをもう一度味わえたり、新たな気持ちで楽しめるのは他にない体験。今後のライブでも、こうした取り組みが広がっていくと面白そうだ。

特報第1弾