ニュース
デジタル一眼で4K/8K動画やHDR撮影、小型ドローンにジンバルも。CP+2018開幕
2018年3月1日 20:48
国内最大級の写真映像関連イベント「CP+2018」(シーピープラス2018)が3月1日、パシフィコ横浜で開幕した。期間は4日まで。入場料は当日一般1,500円(税込)で、Web事前登録者は無料。4K動画も撮れるデジタルカメラのソニー「α7 III」やパナソニック「GH5S」や、ドローン、ジンバルを中心にレポートする。
フルサイズミラーレス α7 IIIが人気
ソニーは、3月23日発売の4K/HDR対応ミラーレスカメラ「α7 III」(実売23万円)など、αシリーズのフルサイズミラーレス機を多数展開。発売前の実機を手に取って撮影や操作感を試せ、多くの来場者で賑わっていた。
フルサイズで有効約2,420万画素の裏面照射型「Exmor R CMOS」センサーと、新世代の画像処理エンジン「BIONZ X」を搭載し、センサー読み出し速度を高速化。最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写を実現する。無音・無振動のサイレント撮影も可能。4Dフォーカスに対応したAFや、光学式5軸のボディ内手ぶれ補正を搭載する。
動画撮影は4K(3,840×2,160ドット)の30pまで対応。HDR撮影にも対応し、HLG(Hybrid Log-Gamma)やS-Log2/Log3をサポートする。記録形式はXAVC Sで最大100Mbpsの記録が可能。SDカードはUHS-II対応のデュアルスロット。
また、1インチセンサー搭載の超小型カメラ「DSC-RX0」をサブカメラとして使い、メインカメラと同時にシャッターを切れるレリーズケーブル(VMC-MM2)も試せる。5月25日発売で、価格は5,000円。
メインカメラとなる、ソニーαやサイバーショットと、RX0を接続してレリーズ操作を制御可能。異なる画角や被写界深度、フレームレートで静止画や動画を、1人で同時に操作できる。
4Kも撮れるキヤノン「EOS Kiss M」コーナーが盛況
キヤノンのブースでは、Kissブランド初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」を発売前に試せる撮影コーナーなど、カメラの特性や購入層に合わせた撮影ゾーンを複数展開していた。
EOS Kiss Mは3月下旬発売で実売74,000円前後。有効2,410万画素のAPS-Cセンサーと、画像処理エンジン「DIGIC 8」を搭載、高速・高精度な「デュアルピクセルCMOS AF」に対応する。4K動画撮影に対応し、最大4K/24p(25p)まで対応。4Kタイムラプス撮影機能も備える。Kissシリーズのデジタル一眼レフ向けEF-Sマウントではなく、同社のミラーレスカメラ「EOS Mシリーズ」と共通のEF-Mマウントを採用している。
若い女性をターゲットにした、ミラーレスエントリー機「EOS M100」の新色ピンク「EOS M100(PK)」も展示されている。4月上旬に1,000台限定で販売し、実売70,000円。
キヤノンブースの左奥には、3面スクリーンのマルチプロジェクションによる「最先端映像体験シアター」を用意し、CINEMA EOS SYSTEMで撮影した4K映像が楽しめる。8Kカメラを使った撮影システムや、4Kプロジェクタの展示も行なわれている。
パナソニックはGH5SやG9 PROで動体撮影体験
パナソニックのブースでは、1月に発売したCinema4K/60pやHDR撮影ができるミラーレスカメラ最上位機「DC-GH5S(GH5S)」や「DC-G9(G9 PRO)」で、ダンスや武道をしている人を撮影できるコーナーを設け、被写体へのフォーカスや人物認識性能を体感できる。
GH5Sのセンサーは有効1,028万画素の4/3型Live MOSで、約1.3倍の高速読み出しを実現したことで、映画製作で用いられるCinema4K(4,096×2,160ドット)の60p動画記録を実現(4:2:0 8bit)。また、動きのある被写体でもローリングシャッター歪みを抑えながら滑らかに撮影できるとする。
HDR撮影にも対応しており、ハイブリッドログガンマをサポート。HDMIから4:2:2 10bitの4K/60p出力も可能。放熱設計技術により、すべての記録方式で時間無制限での動画記録が行なえる。GH5/GH5Sで撮った4K HDR動画素材を元に、グラスバレーのMyncやEDIUS Pro 9などを用いた映像編集フローの例を展示していた。
そのほか、3月15日発売のミラーレス「DC-GX7MK3」や高倍率コンパクト「DC-TX2」の体験コーナーを用意している。
DJIは小型ドローンMavic AirやOsmo Mobile 2。「RONIN-S」参考展示も
DJIブースでは、4K/30pの空撮が可能な小型ドローン「Mavic Air」や、スマートフォン向けのハンディスタビライザー新機種「Osmo Mobile 2」を多数展示。多くの人が手に取って操作感を試していた。
見所は、デジタル一眼カメラを搭載できるジンバル「RONIN-S」の参考展示。CES 2018に合わせて海外発表されたモデルだが、今回、テスト版の本体が国内で初めて展示された。詳細仕様や価格などは未定。
ネットに囲われたドローン飛行エリアでは、説明員によるMavic Airなどのデモフライトが見られる。
4K対応360度カメラ「THETA V」で遠隔ライブ映像配信のデモ
360度カメラ「THETA」シリーズを展開するリコーは、360度の動画/写真の楽しみ方などを紹介。その一環として、THETA Vとリコーのビデオ会議サービスを組み合わせた「360度4K映像ライブストリーミング+音声コミュニケーション」を紹介している。
このデモは、リコーブースの講演エリア前列に立てられたTHETA Vから送られてくる4K 360度映像を、クラウド上のビデオ会議サービス「RICOH Unified Communication System」を経由してライブ配信し、ブース奥の大型ディスプレイやスマホVRゴーグルで会場全体を自由に見渡せるというもの。
ディスプレイを触ってTHETA Vの4K 360度映像を回して視点を変えたり、ズームアップ/ダウンができる。VRゴーグルで同じ映像を見る場合も、VRコントローラで同様の操作が行なえる。セミナーや研修を遠隔地で体感したり、資料共有や質疑応答といった機能を利用できるという。遠隔会議や在宅ワークといった用途も想定している。
DCI 4KやHDR動画対応のミラーレス「FUJIFILM X-H1」
富士フイルムは、3月1日発売のミラーレスカメラ最上位機「FUJIFILM X-H1」を展示。シリーズ初となるボディ内5軸手ブレ補正機能を搭載し、スポーツなどのアクティブなシーンや夜景の撮影に適するという。センサーは2,430万画素、APS-Cサイズの「X-Trans CMOS III」。画像処理エンジンは「X-Processor Pro」。
動画機能の特徴として、アスペクト比17:9のDCI 4K(4,096×2,160ドット)/30pの撮影が可能。200Mbpsの高ビットレート記録にも対応。ハイダイナミックレンジのガンマカーブ「F-Log(エフログ)」記録と外部機器への非圧縮出力も可能になるなど、プロの映像制作ニーズに応える動画撮影を実現した。映画用フィルムの風合いを再現した「ETERNA(エテルナ)」モードも搭載している。