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デジタル一眼で4K/8K動画やHDR撮影、小型ドローンにジンバルも。CP+2018開幕

 国内最大級の写真映像関連イベント「CP+2018」(シーピープラス2018)が3月1日、パシフィコ横浜で開幕した。期間は4日まで。入場料は当日一般1,500円(税込)で、Web事前登録者は無料。4K動画も撮れるデジタルカメラのソニー「α7 III」やパナソニック「GH5S」や、ドローン、ジンバルを中心にレポートする。

CP+2018会場のパシフィコ横浜

フルサイズミラーレス α7 IIIが人気

 ソニーは、3月23日発売の4K/HDR対応ミラーレスカメラ「α7 III」(実売23万円)など、αシリーズのフルサイズミラーレス機を多数展開。発売前の実機を手に取って撮影や操作感を試せ、多くの来場者で賑わっていた。

ミラーレスデジタル一眼の新モデル「α7 III」

 フルサイズで有効約2,420万画素の裏面照射型「Exmor R CMOS」センサーと、新世代の画像処理エンジン「BIONZ X」を搭載し、センサー読み出し速度を高速化。最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写を実現する。無音・無振動のサイレント撮影も可能。4Dフォーカスに対応したAFや、光学式5軸のボディ内手ぶれ補正を搭載する。

 動画撮影は4K(3,840×2,160ドット)の30pまで対応。HDR撮影にも対応し、HLG(Hybrid Log-Gamma)やS-Log2/Log3をサポートする。記録形式はXAVC Sで最大100Mbpsの記録が可能。SDカードはUHS-II対応のデュアルスロット。

 また、1インチセンサー搭載の超小型カメラ「DSC-RX0」をサブカメラとして使い、メインカメラと同時にシャッターを切れるレリーズケーブル(VMC-MM2)も試せる。5月25日発売で、価格は5,000円。

ミラーレスの一眼と「DSC-RX0」をレリーズケーブル「VMC-MM2」で接続したところ

 メインカメラとなる、ソニーαやサイバーショットと、RX0を接続してレリーズ操作を制御可能。異なる画角や被写界深度、フレームレートで静止画や動画を、1人で同時に操作できる。

カールケーブルで、両端ともマルチ端子

4Kも撮れるキヤノン「EOS Kiss M」コーナーが盛況

 キヤノンのブースでは、Kissブランド初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」を発売前に試せる撮影コーナーなど、カメラの特性や購入層に合わせた撮影ゾーンを複数展開していた。

EOS Kiss M

 EOS Kiss Mは3月下旬発売で実売74,000円前後。有効2,410万画素のAPS-Cセンサーと、画像処理エンジン「DIGIC 8」を搭載、高速・高精度な「デュアルピクセルCMOS AF」に対応する。4K動画撮影に対応し、最大4K/24p(25p)まで対応。4Kタイムラプス撮影機能も備える。Kissシリーズのデジタル一眼レフ向けEF-Sマウントではなく、同社のミラーレスカメラ「EOS Mシリーズ」と共通のEF-Mマウントを採用している。

EOS Kiss Mの撮影コーナーには多くの来場者が詰めかけていた

 若い女性をターゲットにした、ミラーレスエントリー機「EOS M100」の新色ピンク「EOS M100(PK)」も展示されている。4月上旬に1,000台限定で販売し、実売70,000円。

EOS M100(PK)

 キヤノンブースの左奥には、3面スクリーンのマルチプロジェクションによる「最先端映像体験シアター」を用意し、CINEMA EOS SYSTEMで撮影した4K映像が楽しめる。8Kカメラを使った撮影システムや、4Kプロジェクタの展示も行なわれている。

「最先端映像体験シアター」
シアター内のイメージ
8Kカメラに魚眼レンズと変換BOXを組み合わせた「映像ソリューション撮影システム」

パナソニックはGH5SやG9 PROで動体撮影体験

 パナソニックのブースでは、1月に発売したCinema4K/60pやHDR撮影ができるミラーレスカメラ最上位機「DC-GH5S(GH5S)」や「DC-G9(G9 PRO)」で、ダンスや武道をしている人を撮影できるコーナーを設け、被写体へのフォーカスや人物認識性能を体感できる。

DC-GH5S
DC-G9

 GH5Sのセンサーは有効1,028万画素の4/3型Live MOSで、約1.3倍の高速読み出しを実現したことで、映画製作で用いられるCinema4K(4,096×2,160ドット)の60p動画記録を実現(4:2:0 8bit)。また、動きのある被写体でもローリングシャッター歪みを抑えながら滑らかに撮影できるとする。

GH5SやG9 PROの撮影体験コーナーでは被写体へのフォーカスや人物認識性能を体感できる

 HDR撮影にも対応しており、ハイブリッドログガンマをサポート。HDMIから4:2:2 10bitの4K/60p出力も可能。放熱設計技術により、すべての記録方式で時間無制限での動画記録が行なえる。GH5/GH5Sで撮った4K HDR動画素材を元に、グラスバレーのMyncやEDIUS Pro 9などを用いた映像編集フローの例を展示していた。

GH5/GH5SのHDR映像編集フローの例も展示

 そのほか、3月15日発売のミラーレス「DC-GX7MK3」や高倍率コンパクト「DC-TX2」の体験コーナーを用意している。

4K/30p動画が撮れるミラーレス「DC-GX7MK3」。3月15日発売でボディは実売10万円
LUMIXコンパクト「DC-TX2」。3月15日発売で実売10万円

DJIは小型ドローンMavic AirやOsmo Mobile 2。「RONIN-S」参考展示も

 DJIブースでは、4K/30pの空撮が可能な小型ドローン「Mavic Air」や、スマートフォン向けのハンディスタビライザー新機種「Osmo Mobile 2」を多数展示。多くの人が手に取って操作感を試していた。

Mavic Air
Osmo Mobile 2

 見所は、デジタル一眼カメラを搭載できるジンバル「RONIN-S」の参考展示。CES 2018に合わせて海外発表されたモデルだが、今回、テスト版の本体が国内で初めて展示された。詳細仕様や価格などは未定。

ジンバル「RONIN-S」の参考展示
片手で持つにはやや重い

 ネットに囲われたドローン飛行エリアでは、説明員によるMavic Airなどのデモフライトが見られる。

説明員によるDJIドローンのデモフライトの様子

4K対応360度カメラ「THETA V」で遠隔ライブ映像配信のデモ

 360度カメラ「THETA」シリーズを展開するリコーは、360度の動画/写真の楽しみ方などを紹介。その一環として、THETA Vとリコーのビデオ会議サービスを組み合わせた「360度4K映像ライブストリーミング+音声コミュニケーション」を紹介している。

リコーブースは360度カメラ「THETA」を前面に展開
参考出品の「360度4K映像ライブストリーミング+音声コミュニケーション」

 このデモは、リコーブースの講演エリア前列に立てられたTHETA Vから送られてくる4K 360度映像を、クラウド上のビデオ会議サービス「RICOH Unified Communication System」を経由してライブ配信し、ブース奥の大型ディスプレイやスマホVRゴーグルで会場全体を自由に見渡せるというもの。

ブースの講演エリア前列に立てられたTHETA V。熱を逃がすためのミニ扇風機も置かれていた

 ディスプレイを触ってTHETA Vの4K 360度映像を回して視点を変えたり、ズームアップ/ダウンができる。VRゴーグルで同じ映像を見る場合も、VRコントローラで同様の操作が行なえる。セミナーや研修を遠隔地で体感したり、資料共有や質疑応答といった機能を利用できるという。遠隔会議や在宅ワークといった用途も想定している。

タッチ対応のディスプレイで、THETA Vからリアルタイムで送られてくる360度4K映像に触れる
VRゴーグル+VRコントローラでも体験できる

DCI 4KやHDR動画対応のミラーレス「FUJIFILM X-H1」

 富士フイルムは、3月1日発売のミラーレスカメラ最上位機「FUJIFILM X-H1」を展示。シリーズ初となるボディ内5軸手ブレ補正機能を搭載し、スポーツなどのアクティブなシーンや夜景の撮影に適するという。センサーは2,430万画素、APS-Cサイズの「X-Trans CMOS III」。画像処理エンジンは「X-Processor Pro」。

X-H1

 動画機能の特徴として、アスペクト比17:9のDCI 4K(4,096×2,160ドット)/30pの撮影が可能。200Mbpsの高ビットレート記録にも対応。ハイダイナミックレンジのガンマカーブ「F-Log(エフログ)」記録と外部機器への非圧縮出力も可能になるなど、プロの映像制作ニーズに応える動画撮影を実現した。映画用フィルムの風合いを再現した「ETERNA(エテルナ)」モードも搭載している。

DCI 4K(4,096×2,160ドット)/30pの撮影が可能。200Mbpsの高ビットレート記録にも対応する
動画撮影に最適化したシネマカメラ用レンズ「MKレンズ」のXマウント版も展示

ニコンはD850による8Kタイムラプス動画を展示

 ニコンイメージングジャパンは、フラッグシップ一眼「D850」で8Kタイムラプス撮影した動画をブース内で上映。

D850で8Kタイムラプス撮影した動画をブース内で上映

 D850のカメラ内RAW現像機能を用いて、PCでは3時間を擁する1,000コマのRAW現像を約25分で完了、時間のかかるポストプロダクションを短縮できるとアピールしていた。

D850

 その他にも、会場では多数のカメラやアクセサリなど関連製品が展示されている。

オリンパスは、「カメラの新たな楽しみの提案」のひとつとして、既存のデジタルカメラやレンズの外装をスチームパンク風にアレンジしたり、ダメージ加工したモデルを参考出品。販売予定はないという
BenQは映像制作向けの27型WQHD液晶ディスプレイ「PV270」を参考出展。Adobe RGBカバー率99%。DCI-P3も96%カバー。HDMIやDisplayPortの入力を備え、今春発売予定。想定売価は12〜13万円前後
今夏の火星大接近に向け、望遠鏡を多数展示するケンコー・トキナーブース
日本カメラ博物館のブースでは、写真発祥国フランスのカメラや、映画撮影用で国内でも使われたムービーカメラを多数展示