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伝説のTR-808を再現しつつ、音質や機能を強化したローランドのリズムマシン「TR-8S」
2018年3月5日 18:01
ローランドは、伝説的なリズムマシン「TR-808」や「TR-909」のサウンドを精密に再現したというリズム・パフォーマー「TR-8S」を3月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は81,000円前後。
1曲分のリズムを自由に作成できる画期的なリズムマシンとして1980年に発売された「TR-808」(通称:やおや)は、当時のミュージシャンやプロデューサーの音楽制作に大きな影響を与え、歯切れのよいスネア、重低音のバス・ドラム、特徴的なカウベルやハンドクラップ(手拍子)など、独特なサウンドは、発売後30年を経ても根強く支持されている。
また、1983年にTR-808の後継として登場した「TR-909」は、アナログとデジタルのハイブリッドな音源による個性的なサウンドが特長で、1980年代後半から隆盛したハウスやテクノなどのダンス音楽において欠かすことのできないものとなり、現在も多くのアーティストに愛用されている。
しかし、経年による消耗や中古市場における価格上昇などで入手が困難な状況になっており、市場にはその音色を模したハードウェアやソフトウェアが多くのメーカーから発表。その一方で、オリジナルメーカーであるローランドへ「TRシリーズ」音色の再現を求める強い声があったという。
そこでローランドは、2014年に「AIRAシリーズ」を発表。代表機種の「TR-8」は、TR-808やTR-909の音色や、アナログ回路の振る舞いまでを独自技術「ACB(Analog Circuit Behavior)」で忠実に再現して話題となった。
新機種の「TR-8S」は、「TR-8」の基本機能を継承しながら、音質や機能を強化したハイグレードモデルと位置付けられており、パワーアップした新開発の音源を搭載。TR-808、TR-909をはじめとする歴代TRシリーズの音色も新たにブラッシュアップしている。
さらに、現在のダンス・ミュージックに対応する最新サウンドを300種類以上搭載。ユーザー自身で用意したオーディオ・ファイルを本体にインポートし、音源として使用する事も可能。これらの音色は、自由に組み合わせてオリジナルのドラム・キットを自由に構築でき、個性のあるリズム・トラックを作成できる。ビンテージサウンドと最新サウンドを組み合わせたドラム・キットなども作れる。
バリエーション豊かなリズム・パターンも多数内蔵。テクノ、ハウスなどのオーソドックスなスタイルから、最新のEDMまで、さまざまなダンス・ミュージックを創り出せる。
本体のつまみを操作する事で、ダンス・ミュージックで重要な曲へのアクセントもスムーズに加えられる。音色ごとにチューニング(音程)や、ディケイ(音が減衰するまでの時間)をリアルタイムで変化できる。
パートごとに用意されたコントロールつまみには、任意のパラメーターを割り当てられ、スネアの響き方や、バス・ドラムの立ち上がりなどを調整できる。内蔵エフェクトのパラメーターも割り当てられるため、ディレイ(エコー)やリバーブなど、多彩なエフェクトを駆使した音色変化も楽しめる。
瞬時にテンポの変更や、リバース(逆方向)再生も可能。インポートしたオーディオ・ファイルも含め、すべての音色にあらゆる効果をシームレスにかけることもできる。
視認性に優れ、好みのカラーに設定できる「LEDフェーダー」や、つまみの操作で音色に変化を加えたり、エフェクターを駆使して音色を劇的に変化させる事も可能。
端子類は、リズムの各音色を個別に出力できる8系統の出力端子を装備。ミキサーなどの外部機器と組み合わせた音作りにも対応。USBケーブルでパソコンと接続し、音楽制作ソフトと連携してデジタル・レコーディングも可能。外形寸法は409×263×58mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.1kg。