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RME、“スタジオ品質”の再生専用「ADI-2 DAC」。ADI-2 Proから継承、新クロックも

 シンタックスジャパンは、DSD 11.2MHzやPCM 768kHz/32bit再生に対応した独RME製のUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「ADI-2 DAC」を4月26日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15万円前後。

ADI-2 DAC

 '16年に発売した、オーディオインターフェイス「ADI-2 Pro」(直販価格20万5,000円)から、録音(AD変換)に関する機能を省き、DAC/ヘッドフォンアンプ機能にフォーカス。「ADI-2 Proをベースに、スタジオ・クオリティのサウンドが誰でも楽しめる製品として新たに開発」した音楽リスニング向けモデルで、「RMEならではの色づけしない透明なサウンドを、そのまま自宅で楽しめる」という。

 既存のADI-2 Proをリスニングに使うユーザーが多かったことなどを受けて製品化。録音部分を省いただけでなく、高精度の新クロックを採用したほか、新たにイヤフォンに最適化したステレオミニの「IEM」出力を採用。一方、ヘッドフォンのバランス出力には非対応となった。

前面はブラックではなく濃いネイビーとなっている

 DACチップは旭化成エレクトロニクスのAK4490を引き続き搭載。内部信号処理用のDSPを備え、5バンドのパラメトリックイコライザや、ヘッドフォンの定位を調整するバイノーラル・クロスフィードなども利用可能。

 低ジッター化するため、クロックは新世代の「SteadyClock FS」を搭載。アナログPLL回路を改善し、DDSとPLLの両方に低位相雑音水晶発振器を参照させることでセルフジッターを抑制。SteadyClockは常にPLLモードで動作するが、「ジッターの仕様は通常マスター・クォーツ・クロック・モードでしか見られないレベルに達する」という。機能名のFSは“FemtoSecond”を指し、従来のピコ秒(1兆分の1秒)から、フェムト秒(1,000兆分の1秒)レベルまで高精度に進化したことを意味する。

 ヘッドフォン出力は標準とステレオミニが各1系統。ステレオミニは低ノイズフロア設計で、低インピーダンスなモニターイヤフォンなども安全かつ高音質で聴けるようにした。出力レベルは標準ヘッドフォン出力より10dB下げ、「出力インピーダンスはほぼ0Ω、THDはRME史上もっとも低いレベル」としている。電源オン/オフ時のクリックノイズを防ぎ、ボリュームも強化。モニターイヤフォン以外でも高音質で聴けるという。

ヘッドフォンは標準とIEM(ステレオミニ)の2系統

 アナログライン出力は、XLRバランスに加え、新たにRCAアンバランスも装備。アクティブスピーカーなどと組み合わせてコンパクトなデスクトップオーディオ環境を構築できる。USBのほか、光デジタルや同軸デジタル入力も各1系統備え、テレビなどとの接続も想定。リモコンも新たに付属し、入力切替や音質などの設定を離れた場所からも操作できるようになった。

リモコンが付属
背面

 ラウドネス・フィルタや、DAフィルタの切替なども可能。前面に液晶パネルを備え、3つのプッシュ機能付きエンコーダを配置する。ADI-2 Proユーザーから要望があったディスプレイの消灯にも対応。「AutoDark」有効時は10秒間操作がなかった場合に自動でディスプレイやファンクションキー、音量ノブ、スタンバイボタンのライトが消灯する。リモコンでAutoDarkをオン/オフ(デフォルト設定ではボタン3に設定済み)でき、リモコンのボタンを押すと3秒間点灯する。

DAフィルタやクロスフィードの調整画面
出力端子ごとに音質を細かく設定できる

 電源はACアダプタを使用。なお、メーカーのサポート外だがADI-2 Proと同様に他社製の外部電源などを組み合わせて高音質化も図れる。AC端子部はADI-2 Proと同じくロック機構を備える。外形寸法は215×150×52mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1kg。

底面
電源はACアダプタ

【訂正】初出時、PCM再生を「384kHz」としていましたが、正しくは最大「768kHz」のため、訂正しました(20時16分)

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