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明るい高画質と高音質の有機EL「VIERA FZ1000/950」。+5万円の“いい音”

 パナソニックは、2018年モデルの4K有機ELテレビ「VIERA FZ1000/FZ950シリーズ」を6月8日より発売開始する。FZ1000シリーズは、Technicsと共同開発したスピーカーを搭載した上位モデル、FZ950はFZ1000と同等の画質とシンプルなデザインが特徴で、いずれも65型と55型の2サイズで展開する。店頭予想価格は45万円~70万円前後。今回、短時間ながら製品版のVIERA FZ1000を視聴できたので、その模様をお伝えする。

VIERA FZ1000シリーズ(TH-65FZ1000、TH-55FZ1000)
VIERA FZ950シリーズ(TH-65FZ950、TH-55FZ950)

 2018年モデルのパナソニック有機ELテレビでは、明るいシーンでの表現力の向上など総合的な画質を強化。加えて、スピーカーも見直し、迫力ある音質を実現している。

 画質については、独自の有機ELパネル制御と「ダイナミック3D-LUT」の採用により、明るさを向上。3次元カラーマネジメント回路の「ダイナミック3D-LUT(ルックアップテーブル)」で、シーンの明るさに合わせて動的に補正量を変化させることで、明るい映像の階調や色の再現性を高めたという。

TH-65FZ1000、TH-55FZ1000)

 「ワンダーウーマン」や「ララランド」などを'17年モデルと比較視聴したが、確かに明るいシーンでの金属の輝き感や、砂の粒感などの描写に違いが感じられる。「スペック上の輝度は変わっていない」(同社)とのことだが、体感上は「あかるいテレビ」になり、より迫力が出てきている。

 予想以上に違ったのが、黒の沈み込み。'17年のEZ1000/EZ950も相当に漆黒の中の陰影や階調を表現できていたと思っていたが、FZ1000/FZ950ではさらに暗い部分が暗く、暗いシーンの中のかすかな輝きの周囲に色が残っていることがわかる。これもダイナミック3D-LUTによる暗部の補正点数強化によるものとのことだ。前モデルからわずか1年だが、有機ELテレビの画質が確実に進化していることが体感できた。

 画質だけでなく音質も強化。FZ1000の「Tuned by Technics」スピーカーは、新設計のサウンドバー状の独立アンダースピーカーとなり、ツィータ×2、ミッドレンジ×4、ウーファ×4、パッシブラジエーター×4の3Way構成。出力は総合80W(10W×4+20W×2)。

 '17年のEZ1000に比べ、ウーファサイズやパッシブラジエーターを大型化したほか、ウーファのボックス容量も1.4倍に拡大。低音の量感をアップしたという。

手前が'18年のFZシリーズ用スピーカー、奥が'17年モデル用
ウーファやパッシブラジエーターを大型化。ボックス容量も拡大した

 FZ1000で星野源のライブBDを見たが、ボーカルのセンター定位がくっきりし、音場も広く、テレビの内蔵(付属)スピーカーとは思えないサウンド。EZ1000もテレビのスピーカーとしては相当に高音質だが、FZ1000のほうがしっかりと情報が整理されて聞きやすく、またEZ1000は低域がもっさりと感じられる。EZ1000も迫力はあるのだが、FZ1000はより上品で、オーディオ的なサウンドに聞こえる。

 マルチチャンネルのオーディオを別途用意している人は別として、一台でよりよい音を楽しむという意味で、FZ1000は魅力的に感じた。

FZ1000シリーズ(左)、FZ950シリーズ(右)

 店頭予想価格は「TH-65FZ1000」が70万円前後、「TH-55FZ1000」が50万円前後、「TH-65FZ950」が65万円前後、「TH-55FZ950」が45万円前後。

 同サイズのFZ1000とFZ950の価格差は5万円程度で、仕様面の違いは、基本的にはスピーカーとデザインだ。つまり、“音”の違いに5万円をだすかどうかが、選択ポイントだ。

 '17年モデルでは1000と950シリーズのあいだに約10万円の価格差があり、画質にも違いがあったが、'18年のFZ1000/950では画質が同じで、価格差も小さくなっている。そのため発売時点では、55型のTH-55FZ1000に人気が集まりそう、とのこと。