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VIERA史上最高画質4K有機EL TV「EZ1000/EZ950」。プラズマの技術を継承し、50万円~

 パナソニックは、日本市場向けでは同社初の4K有機ELテレビ「VIERA EZ1000/EZ950シリーズ」3機種を6月16日より発売する。価格はオープンプライス。VIERA史上最上画質で、Tuned by Technicsスピーカーを搭載した65型「TH-65EZ1000」は店頭予想価格90万円前後、シンプルデザインの65型「TH-65EZ950」が80万円前後、55型「TH-55EZ950」が50万円前後。

VIERA TH-65EZ1000

 パナソニックは、4K ビエラ(VIERA)の最上位は有機ELで展開し、2シリーズ3モデルを用意。自発光方式の有機EL(OLED)パネルの特徴を生かし、“引き締まった黒”と、高いコントラスト性能、プラズマパネルの画質処理で培った技術を投入した「ヘキサクロマドライブPLUS」の色表現などによる「感動体験」を訴求する。

有機EL VIERA新シリーズ

 EZ1000/EZ950の画質性能はほぼ共通だが、EZ1000には16bit相当のリニアリティ補正により暗部を滑らかに再生する「暗部階調スムーサー」や、室内光の反射を抑える「ブラックフィルター」を搭載し、「VIERA史上最高画質」を謳う。さらにEZ1000は、Technicsの開発チームと共同でチューニングした最大出力80Wのスピーカー「Tuned by Technics」を搭載。画質・音質をより高めたフラッグシップシリーズとして展開する。

TH-65EZ1000

 EZ950は、'16年発売の液晶VIERA最上位DX950シリーズの後継機種となり、65型と55型の2モデルを発売。EZ1000/EZ950ともに、日本設計・日本生産の「ジャパンプレミアム」シリーズとして展開する。

TH-65EZ950

プラズマのノウハウを生かしたパナソニック有機EL

 3,840×2,160ドットの有機ELパネルと、新・画質処理エンジンを組み合わせた「ヘキサクロマドライブPLUS」を搭載。発光オフの状態で、完全な黒が実現できる有機ELの特性を生かし、きめ細やかな色彩と高コントラストな映像を実現。特に暗部階調表現にこだわり、プラズマテレビ開発で培った自発光方式のノウハウを生かしたチューニングにより、一般的な有機ELでは黒浮きや黒潰れが生じるシーンにおいても、微妙な差異をしっかり描き、ノイズの発生を抑制するという。

TH-65EZ1000
TH-65EZ950

 「ヘキサクロマドライブPLUS」による輝度制御は、明るいシーンでも効果を発揮。高輝度域のRGBW階調補正を行ない、太陽光などの極端に明るい部分を映し出す際は、周囲に起こる色帯の発生を抑え、自然な階調とリアルな色合いとする。これにより高輝度なHDR映像も、忠実に表示できるとする。

 「業務用マスターモニターに極めて近い色再現」を目指し、色のチューニングのために独自開発の測色ツールを使用。測定と調整を繰り返し行ない、色の細部を忠実に再現するほか、輝度による色誤差を最小限に抑えるシミュレーションにより、色のズレを補正する。

 HDR対応のため、色域はBT.2020をサポート。BT.2020における色再現には、業務用マスターモニターにも採用されている3D-LUT(ルックアップテーブル)補正を採用。有機ELテレビ用に変換精度を突き詰め、中高輝度域に加え、低輝度領域でも忠実な発色を目指した。

 HDR信号に対応し、Ultra HD Blu-rayなどで採用されている「HDR 10」と、4K放送で採用される「Hybrid Log Gamma(HLG)」をサポート。UHDアライアンスによる「Ultra HD Premium」認証も取得している。

TH-55EZ950

 EZ1000とEZ950シリーズの大きな違いは、デザインやスピーカー。画質面の違いは小さなものだが、EZ1000のみ「暗部階調スムーサー」と、「ブラックフィルター」を搭載する。

 暗部階調スムーサーは、HDRの現信号を16bit処理で輝度信号に変換することで、階調間引きすることなく忠実な暗部階調表現を可能にするもの。「有機ELパネルの持つ黒再現のポテンシャルをさらに引き出す」という。

 ブラックフィルターは、視認性を高めるために前面に貼られた特殊フィルター。黒を引き締めるほか、室内工の反射による映り込みを抑えて、明るい部屋でのコントラスト感向上に寄与する。また、プロフェッショナル向けの写真表示モード「フォトプロモード」もEZ1000のみ搭載する。

シリーズEZ1000EZ950
サイズ65型65型/55型
パネル3,840×2,160ドット有機EL(WOLED)
ヘキサクロマ
ドライブPLUS
暗部階調
スムーサー
-
ブラック
フィルター
-
プロフォトモード-
スピーカー出力80W40W
有機ELならではの薄さも特徴

EZ1000にはTuned by Technicsスピーカー

 EZ1000は「ART&INTERIOR」と呼ぶ新デザインを採用。最薄部6.7mmという薄さを生かしながら、上半部には高級感あるヘアラインを、下半部には革調のシボ加工を施し、「360度どの角度から見ても美しく、VIERAのフラッグシップモデルにふさわしいデザインを目指した」という。

TH-65EZ1000

 EZ1000のスピーカーは、総合出力80Wの「Tuned by Technics」。サウンドバー状の独立アンダースピーカーは、薄い本体から1本のスタンドで接続されており、ツィータ×2、ミッドレンジ×4、ウーファ×8、パッシブラジエーター×4の3Way構成となる。

EZ1000の背面

 音響回路設計やスピーカーの構造、チューニングまで、ハイファイオーディオを手掛けるTechnics開発陣と連携し、「VIERA史上最高画質にふさわしい音」を目指した。ツィータを最外部に配置し、ステレオ感やスケール感を向上。また、ユニットごとにセパレートクッションを配置して干渉を抑制、明瞭感を高めた。専用の高音質部品も採用している。

Tuned by Technicsスピーカーを搭載。総合出力は80W
1本のスタンドによりディスプレイとスピーカーを接続

 EZ950は、「インテリアに溶け込み、映像に集中にできる」シンプルなデザインを採用。総合出力40Wのアンダースピーカーによる「ダイナミックサウンドステム」は、大容量スピーカーボックスと、ミッドレンジ×2とウーファ×2、パッシブラジエーター×4から構成。振動版の材質強化により、キレのある音を楽しめるという。

EZ950シリーズ
TH-55EZ950

アレコレチャンネルでテレビもネットも横断検索

 チューナは地上/BS/110度CSデジタル×3で、別売USB HDDへの2番組同時録画に対応。'13年以降発売の全自動DIGAと連係動作し、リモコンの番組表ボタンを押すと、全自動DIGAの録画番組を一覧で表示できる「過去未来番組表」を新搭載。未来の番組の録画予約も行なえる。

過去未来番組表

 録画した番組は、同一ネットワーク内のDIGAにダビング(コピー・ムーブ)できるほか、録画番組や放送番組を、同一ネットワーク内のDTCP-IP対応のVIERAなどから視聴できる「お部屋ジャンプリンク」に対応。また、アプリ「Panasonic Media Access」を使って、家庭内や外出先のスマートフォン/タブレットからも録画/放送番組を視聴できる。

 ホーム画面には、よく使うチャンネルや、アプリ、接続機器、Webページなどを登録し、次回から素早く呼び出しできる。OSはFirefox OS。

 4月発売の4K液晶VIERA EX750シリーズと同様に、'17年モデルの4K VIERAでは、新インターフェイスの「アレコレチャンネル」を採用。従来はテレビ番組(放送)、録画番組、有料動画(Netflixなど)、無料動画(YouTubeなど)のメディア(流通経路)ごとに画面を切り替える必要があったが、アレコレチャンネルでは、リモコンの[アレコレ]ボタンを押すだけで、各メディアの垣根を超えて一覧表示を行なえる。

アレコレチャンネル

 ボタンを押すと、「今見る」一覧と「予約する」一覧を表示。「今見る」には、放送番組、録画番組、VODを一つの画面上に表示させ、見たいコンテンツをすぐに探せる。「予約する」一覧では、ニュース、バラエティなどジャンル別番組表から好きな番組を簡単に見つけられる。テレビ番組は、地デジ/BS/CSを横断表示可能で、録画番組はUSB HDDなどに録画した未視聴番組を一覧で表示できる。有料動画はNetflixとdTVに対応し、視聴中のドラマシリーズなどを優先的に表示してくれる。キーワード検索は、Netflix/dTVやYouTube、録画番組などを横断して検索できる。なお、アレコレチャンネルの利用にはネットワーク接続が必要。

アレコレチャンネル(今見る)

 アレコレチャンネルからアクセスできるのはNetflix、dTV、YouTubeだが、Amazonビデオやビデオパス、DAZN、アクトビラ、ひかりTVなどの映像配信サービスもVIERAから視聴できる。

 リモコンは、マイク一体型で、YouTubeやdTV、アクトビラの動画や録画番組の検索などを音声で行なえる。絞り込み検索にも対応し、音楽を検索したあと、「90年代で絞り込み」などの操作が行なえる。また[マイアプリ]ボタンにお気に入りの操作を割り当てられるため、例えばYouTubeを登録すれば、ワンボタンでYouTubeを起動できる。

リモコン

 EthernetやSDメモリーカードスロット、USB×3を備え、USB1端子のみUSB 3.0対応。入力端子はHDMI×4、コンポーネント×1、コンポジット×1、アナログ音声×1。出力端子は光デジタル音声×1とヘッドフォン。

 TH-65EZ1000の消費電力は518W。スタンドありの外形寸法は145.2×33×91.8cm(幅×奥行き×高さ)、重量は27kg(スタンド無し20.5kg)。

 TH-65EZ950の消費電力は518W。スタンドありの外形寸法は145.3×28×88.9cm(幅×奥行き×高さ)、重量は24kg(スタンド無し23kg)。TH-55EZ950の消費電力は386W。スタンドありの外形寸法は123×28×76.6cm(同)、重量は18.5kg(スタンド無し17.5kg)。

 壁掛け用金具「TY-WK5L1R」も6月16日に発売。価格は3万円。