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Amazon Fire TVにFODや麻雀、料理、クレーンゲーム追加。リビング娯楽強化

 Amazon.co.jpは、Fire TV用アプリとして「FOD」や「cookpadTV」などの新サービスを追加し、国内向けコンテンツを強化する。追加されるのはフジテレビの映像配信「FOD」と料理動画の「cookpadTV」、クレーンゲームの「トレバ」、麻雀の「Maru-Jan」の4つのアプリ。

左からAmazonデバイス Fire TV事業部 橘氏、サイバーステップ(トレバ)の佐藤社長、フジテレビ(FOD)の野村氏、クックパッド 渡辺CTO、シグナルトーク 阿部氏、Amazonアプリストア担当の長尾ジョナサン氏

 Fire TVは8,980円で4K/HDR対応、Fire TV Stickは4,980円のHDMIストリーミングデバイスとして発売中だが、対応アプリを拡充。パートナー各社も参加し、その特徴を紹介した。

 FODは7月1日からFire TV/Fire TV Stickに対応。FODは月額888円の映像配信サービスで、フジテレビの最新ドラマや過去の月9ドラマ、さらに、オリジナルドラマやバラエティも用意。山下智久主演の「コードブルー」シリーズなども独占配信している。

 「女性比率が60~70%」と、映像配信サービスとしては女性、特に20代に強いというのも特徴という。FODは、Fire TV対応にあわせて、Amazon Payにも対応。クレジットカード等に紐づくAmazonのアカウントを持っていればすぐに登録・利用可能になる。また、スマホやPCを使わずに、Fire TVからの新規加入に対応する。

Fire TV上のFODユーザーインターフェイス

 Amazon PayとFire TV対応により、「一カ月の無料体験も用意しており、今後のFOD新規加入の半分以上、ほとんどがAmazon Pay経由になると期待している」(フジテレビジョン 総合事業局 コンテンツ事業センター 野村和生部長)とした。

 レシピ動画のcookpadTVもアプリを提供開始、レシピ動画をFire TVで視聴可能になる。スマートフォンやタブレットではなく、テレビの大画面で、料理家や料理上手な有名人の手さばきを見ながら、料理を実践できる。料理のポイントをコメントで質問したり、旬のキーワードでレシピ検索することも可能。初期はアーカイブ映像の配信だが、将来的にはライブ配信も予定している

cookpadTV

 オンラインクレーンゲームの「トレバ」に対応。ゲームセンターなどにある「クレーンゲーム」をオンラインで楽しめるもので、これをFire TVで操作して、獲得した景品は配送される、というもの。Fire TVからの利用者は5回の無料体験が可能。

トレバ

 シグナルトークによる「Maru-Jan」は、オンラインの麻雀対局サービス。従量課金で会員数は100万人。毎日8,000人が楽しんでいるというMaru-JanがFire TVに対応し、Fire TVのリモコンを使って対局できるようになる。50代が以上が62%と利用年齢層が高いというのも特徴。

Maru-Jan

Fire TVで新たなエンタテインメント体験を

 Amazonアプリストアのランキングを見ると、Netflix、Firefox、Prime Photo、Abema TV、Hulu、DAZN、dTVなどが並ぶように、これまでのFire TVでは、映像配信を中心にライフスタイル関連、音楽などのエンターテインメントアプリを強化していた。

 今回の追加サービスは、「リビングの体験を高めることができるサービス。Fire TVで、そのバラエティと大きなスクリーンの可能性を広げていくもの」(Amazonアプリストア事業部 長尾ジョナサン氏)と位置付けている。

 Amazonデバイス Fire TV事業部の橘 宏至 事業部長は、「これまで、日本でストリーミングの普及に努めてきたが、フジテレビが力を入れてくれる。FODの参加は我々にとっては大きなこと。さらに若い女性に人気がある。cookpad TVも女性や主婦層に強く、これまで使っていただけなかった方に、Fire TVの魅力を伝えていきたい。トレバは、クレーンゲームのようなユニークな体験、新しいエンターテインメントをFire TVで実現できるというのは大きな意義。いろいろな可能性がある。Maru-Janは、オンラインへの接触が少ないシニア層に使われている数少ないサービスの一つ。これまでFire TVを使っていただけていなかった方に、使っていただくきっかけにしたい。いろいろなムーブメントがFire TVの上で起きていることをお伝えしたい」と語った。

 Fire TVのこれまでの販売台数は非公開だが、大規模セールのPrime Dayや年末に販売数が急拡大。また、利用動向においても年末年始やゴールデンウイークなどの長期休暇時に利用者が増える傾向があるという。

 橘氏は、総務省調査の16%という数字を挙げ、「他国比での利用率ではまだストリーミングサービスが定着したとは言えない」としながらも、「右肩上がりで認知は進んでおり、コンテンツそのものに注目が集まるようになってきた」と普及に自信を見せた。

 Amazonアプリストア事業部の長尾ジョナサン氏は、「アプリストアは、パートナーにとって主要なユーザー接触点。パートナーの新規顧客獲得を促し、重要な収入源にしていくことが目標」と語り、SVOD(定額制映像配信)のストア手数料を30%から20%に引き下げたことを紹介。また、Fire TV上のパートナープロモーションスロット(広告)枠も増枠し、プロモーションと収益化の双方で、サービスパートナーを支援する姿勢を強調した。

 なお、米国で発表したAlexa内蔵のテレビデバイス「Fire TV Cube」の国内発売については「未定」とのこと。

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