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デノン、DAC搭載で7万円のプリメインアンプ「PMA-800NE」。新800NEの中核機

 ディーアンドエムホールディングスは、デノンブランドの単品コンポ新ラインナップとして、800NEシリーズ3製品を発売。DACを搭載したプリメインアンプ「PMA-800NE」を、8月中旬に7万円で発売する。カラーはプレミアムシルバー。

DACを搭載したプリメインアンプ「PMA-800NE」

 デノンは、単品コンポのエントリーとしてプリメイン「PMA-390RE」や、CDプレーヤーの「DCD-755RE」を展開。上位モデルとしては、2500NEシリーズ、1600NEシリーズなどをラインナップしているが、エントリーと1600NEシリーズの間には価格的な開きがあり、そこに新たに登場するのが800NEシリーズとなる。

800NEシリーズ

 また、型番にNE(New Era)とついているように、最新技術を投入した新世代のコンポと位置づけられており、2500NE、1600NEに続く、“NEシリーズ”のエントリーモデルという位置づけでもある。なお、ネットワークプレーヤー、CDプレーヤーは別記事で紹介。800NEシリーズの試聴レポも別記事で掲載する。

プリメイン「PMA-800NE」

 定格出力50W×2ch(8Ω)、100W×2ch(4Ω)のプリメインアンプ。DACも搭載しており、光デジタル入力、同軸デジタル入力も搭載している。USB DAC機能は備えていない。

 繊細さと力強さを両立させるため、一般的なトランジスタの3倍のピーク電流供給能力を持つ、HC(ハイカレント)トランジスタをシングルプッシュプルで使ったシンプルな回路を採用。多数の素子を並列駆動して大電流を得る手法で問題となる、素子の性能のバラツキによる音の濁りを解決。繊細な描写が可能になったという。この手法は「Advanced HC(シングルプッシュプル回路」と名付けられている。音質への影響が多い入力カップリングコンデンサを使わない回路構成にもなっている。

 上位モデルのPMA-2500NE、PMA-1600NEと同じように、プリアンプで増幅はせず、一段構成のハイゲインパワーアンプのみで増幅するハイゲインアンプ構成を採用。音声信号が通過する回路と素子を減らし、信号経路を限りなく短くしている。

 ボリュームには、オーディオグレードのモーター式ボリュームを採用。入力バッファ回路が不要で、電子ボリュームに比べてシンプルな回路構成となり、鮮度の低下や色付けを避けられるという。

 DACも搭載。PCM 192kHz/24bitまでに対応するデジタル入力として、光デジタルを3系統、同軸デジタルを1系統装備。デジタル基板はシールドケースに封入し、オーディオ回路からの輻射ノイズの影響を防いでいる。なお、PhonoやCDなどのアナログ信号入力時に、デジタル入力回路への給電を絶ち、音質への影響を及ぼす高周波ノイズの発生を抑えるアナログモードも搭載する。

デジタル基板はシールドケースに封入

 電源回路には、大型のEIコアトランスと、専用に新たに開発されたカスタム仕様の大容量8,200μFブロック電解コンデンサと、大容量整流ダイオードを採用。

新たに開発されたカスタム仕様の大容量8,200μFブロック電解コンデンサ

 SX1の技術を汲み、2500NE、1600NEにも使われている高音質パーツも多数投入。サウンドマネージャーの山内慎一氏が、スリーブの印刷や色までこだわり、音質を磨き上げたスペシャルパーツも使っている。

サウンドマネージャーの山内慎一氏が、スリーブの印刷や色までこだわり、音質を磨き上げたスペシャルパーツも使っている

 回路全体の特徴として、入力から出力まで、信号のラインを最短化するミニマム・シグナル・パス回路にこだわっている。例えば、ソースダイレクトやPhonoの切り替えを機械式スイッチではなく、リレーで切り替え、信号ラインを最短化。使用頻度の低くなったACアウトレット、プリアウト端子も削除している。

 フォノイコライザも搭載。新たにMM、MC型カートリッジ両方に対応しており、2500NE、1600NEと同様の回路構成を採用。初段にデュアルFETを3パラレルで使い、低ノイズ型のデュアルオペアンプと組み合わせ、繊細なPhono入力信号を高SN比を維持して増幅できるという。

 脚部には、高密度かつ高剛性なリブ入りフットを採用。防振効果を高め、入念な音質チューニングを施したという。

 トップカバーの厚みも、従来より14%アップ、剛性を向上させた。スピーカー端子は金メッキ仕上げで、バナナプラグにも対応。DCD-800NEを含め、デノンのCDプレーヤーも操作できるリモコンが付属する。また、ネットワークプレーヤーのDNP-2500NEやDNP-800NEとIRコントロールケーブルで接続すると、「Denon Hi-Fi Remote」アプリを使い、スマートフォンやタブレットからアンプの制御も可能。

 入力端子はアナログアンバランス(RCA)×4、Phono(MM/MC)×1、光デジタル×3、同軸デジタル×1。出力は、アンバランス(RCA)×1、ヘッドフォン×1。消費電力は200W。外形寸法は434×307×122mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7.5kg。

背面端子部
PMA-800NEとPMA-390REとの機能比較表