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デノン初、ネットワーク再生できるフルサイズアンプ「PMA-900HNE」

プリメインアンプ「PMA-900HNE」

デノンは、Hi-Fiオーディオのミドルクラス新シリーズ「900NE」として、新たにネットワーク再生機能も内蔵したプリメインアンプ「PMA-900HNE」と、CDプレーヤー「DCD-900NE」を6月下旬に発売する。価格は、アンプが132,000円、CDプレーヤーが77,000円。

下からプリメインアンプ「PMA-900HNE」、CDプレーヤー「DCD-900NE」

プリメインアンプ「PMA-900HNE」

プリメインアンプ「PMA-900HNE」

800NEシリーズの後継モデル。従来のプリメインアンプ「PMA-800NE」は、USB DAC機能を搭載したアンプだったが、新モデルのPMA-900HNEは、USB DACではなく、ネットワークオーディオのHEOSを搭載。Amazon Music HDなどの音楽配信サービスや、NASなどに保存した音楽ファイルの再生も、アンプだけで可能になっているのが特徴。

アンプ部の特徴として、価格を抑えたアンプながら、上位の110周年記念モデル「PMA-A110」と同じ、新型の増幅回路を搭載した。

前モデルのPMA-800NEは、ハイゲインアンプによる一段増幅を採用していたが、PMA-900HNEは、PMA-A110と同様に可変ゲイン型プリアンプとパワーアンプによる二段構成を採用。

固定利得のアンプは、ボリュームの位置でアンプの動作が変わらないという利点があるが、入力抵抗の熱雑音を常用のボリューム領域でもフルゲインで増幅してしまうという欠点がある。以前のPMA-800NEは、固定利得アンプ(45.5dB)を応用しており、入力抵抗のノイズもフルゲインで増幅してしまっている。

一方で、新モデルのPMA-900HNEでは、FLAT AMP部の可変ゲインアンプを使い、ゲインをダウンさせている2段構成方式とする事で、通常のリスニングで使うボリューム領域ではゲインをダウン(最大-16.5dB)。これにより、ノイズも低いレベルに抑えられている。

さらに、A110の構成に準じた差動2段アンプ回路である「Advanced High Currentシングルプッシュプル増幅回路」を採用。PMA-800NEの差動3段アンプと比べ、発振に対する安定性が高く、様々なスピーカーに対して、優れた駆動力を発揮できるという。アンプの出力は、50W×2(8Ω)、85W×2(4Ω)。

ボリューム部分には、電子ボリューム設計を採用。センサーを使って、ノブの回転方向、回転量を検出し、その情報を元にメイン基板に実装された高精度な電子制御ボリュームで音量コントロールをする。この方式では、機械式ボリュームで問題となる、高減衰領域でのギャングエラーを回避できるほか、長寿命で、信号経路もシンプルになり、ミニマムシグナルパスを実現できたという。

DACの回路も新開発。高精度クロックをDAC直近に設置するレイアウトで、ジッターを最小化。I/V変換部のオペアンプには、より高性能かつ高音質なものを採用したという。DAC回路は対称性も重視。デジタル回路はシールドケースに封入し、ノイズ対策も施している。

Advanced High Currentシングルプッシュプル回路の能力を最大限に引き出すため、電源回路には大型のEIコアトランスと、PMA-900HNE専用に新たに開発されたカスタム仕様の大容量(8,200μF)のブロック電解コンデンサー、スイッチングスピードが速く整流ノイズが少ないショットキーバリアダイオードも投入。「クラスを超えた重厚さとタイトさを兼ね備えた低音再生を余裕の電源供給能力で支えている」という。

デノンのサウンドマスター・山内慎一氏が、ハイエンドモデルの開発時に、パーツメーカーと共同で開発した様々なカスタムコンデンサーを、このモデルにも大量に投入。ブロックコンデンサーには、新規に開発したカスタムコンデンサーを採用した。抵抗のパーツも、高音質なものを使っている。

上述したとおり、ネットワークオーディオ機能の「HEOS」を搭載。音楽のストリーミングサービスやインターネットラジオをはじめ、NAS内の音楽ファイルも再生可能。Amazon Music HDやAWA、Spotify、SoundCloudに対応する。ハイレゾの対応データは、DSDが5.6MHzまで、PCM系が192kHz/24bitまで。AirPlay 2やBluetooth受信にも対応しているため、スマホから手軽に音楽を伝送する事も可能。

電源はインレット式へと変更し、電源ケーブルの交換も可能に。MM/MC対応フォノイコライザーも備えているが、そのオペアンプにも高音質タイプを使っている。

基板は新設計で、アナログ回路の基板は両面基板を採用。経路を短縮し、ノイズ対策にもなっている。インシュレーターには高密度フットを使っている。

スピーカーターミナルはA、Bの2系統備え、切り替えが可能。アナログRCA入力は3系統搭載、Phono入力×1に加え、光デジタル入力×3、同軸デジタル入力×1も搭載。USBメモリ内のハイレゾファイル再生も可能なUSB端子×1も搭載。サブウーファープリアウトや、アンバランス出力、ヘッドフォン出力も備えている。LAN端子も装備。

外形寸法は434×375×131mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8.3kg。消費電力は200W。

CDプレーヤー「DCD-900NE」

CDプレーヤー「DCD-900NE」

従来モデル「DCD-800NE」は、奥行きが275mmだったが、新モデルの「DCD-900NE」は328mmと、同時発表のアンプPMA-900HNEと同じ奥行きサイズに大型化。これにより、基板レイアウトが上位プレーヤーの「DCD-1600NE」と同じものになり、デジタル/アナログを筐体内で完全に分離し、より大型のパーツを採用するなど、高音質化を図っている。

DAC回路は新開発で、高精度クロックをDAC直近に設置するレイアウトで、ジッターを最小化。I/V変換部のオペアンプには、より高性能かつ高音質なものを採用した。

DCD-800NEに対して、1.35倍のスルーレートを持つオペアンプを採用し、差動合成のローパスフィルターを高性能化した。DAC回路は対称性を重視し、信号経路を上位モデルと同様に、左右のほか、上下(プラスマイナス)の対称性を見直している。

CDプレーヤー「DCD-900NE」

オーディオ電源は、他の電源と基板を分け、さらにディスクリート化。無帰還のレギュレーターを構成することで、低ノイズ化し、力強さが増したという。

CDプレーヤーだが、USBメモリーなどに保存したハイレゾファイルの再生にも対応する。

アンプと同様に、山内氏がハイエンドモデル向けに生み出した「SYコンデンサー」を大量に投入。電源部のコンデンサーは、新規に開発したものを使っている。さらに、電源はインレット式へと変更。脚部には高密度フットを使っている。

背面には出力端子として、アナログRCA、光デジタル、同軸デジタルを各1系統搭載。前述の通りスペースに余裕が出来たため、基板は新設計でアナログ回路の基板が大型化しており、背面のRCAアナログ出力端子間も個別端子へと変更している。

外形寸法は434×328×107mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.9kg。消費電力は24W。