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AbemaTVはリニア+オンデマンド視聴へ。ソニー以外のTVでも専用ボタン推進

 サイバーエージェントは26日、2018年度第3四半期決算を発表した。売上高は前年比16.4%増の1,044億円、営業利益は68億円。映像配信サービス「AbemaTV」の同期赤字は56億円。藤田晋社長は、「全体的には巡航速度で進んだ特筆すべきことのない期」としながらも、AbemaTVのオンデマンド配信への取り組みなどの新展開に言及した。

2018年第三四半期決算

 AbemaTVを中心としたメディア事業の売上高は前年比20.5%増の77億円。AbemaTVとマッチングアプリの「タップル誕生」により増収で、同事業の営業利益は48億円の赤字だが、AbemaTV(56億円の赤字)を除くと、営業利益7.8億円。

 AbemaTVのアプリダウンロードは3,100万、月間アクティブユーザー(MAU)は約1,100万。総視聴時間も開局から順調に伸びており、「売上高では成長事業になってきた」とする。

メディア事業の概要
総視聴時間

 一方、AbemaTVが「変わってきた」というのが視聴スタイル。これまでは、テレビのようにチャンネルをあわせると配信中の番組が流れる「リニア視聴」のサービスだったが、「この1年で、過去のアーカイブが増えたことと、オンデマンドのAbemaビデオがあるということが伝わってきて、リニアでもオンデマンドでも見るという人が増えた」という。

リニア+オンデマンドが伸長

 2017年6月時点ではリニア視聴のみが77%で、リニア+オンデマンドが23%だったが、2018年6月時点ではリニアのみは36%、リニア+オンデマンドが62%と逆転している。これに伴い、月額960円(税込)の見逃し配信サービス「Abemaプレミアム」の加入者も増えている(数は非公開)。

 そのため、オンデマンド向けの広告商品も開発。無料のオンデマンド番組へのCM導入を2019年度に予定している。

無料オンデマンド番組へのCM導入へ

 コンテンツもオリジナルドラマや大相撲などを強化・継続。力を入れている恋愛リアリティショーも大人向けのものを用意してヒット。

 機能面の拡充では、ソニーのテレビ「4K BRAVIA」のリモコンにAbemaTVボタンを搭載。「他のメーカーとも交渉中。新しいテレビを買うとAbemaTVのボタンが付いている状態を進めていく」(藤田社長)とした。

テレビリモコン対応を強化

 AbemaTVの周辺事業も強化し、麻雀プロリーグの「Mリーグ」などを展開。藤田社長は、「同じビジネスモデルは世界にはなく、パイオニアとして確立していく。今後もコンテンツ投資を続け、10年がかりで立ち上げる。ユーザーの視聴習慣がどこかで変わり、その時にAbemaTVがぐんと伸びるだろう」と今後の展開を説明した。