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キヤノン、星明りでもカラー動画撮影できる35mmフルサイズの超高感度CMOS

 キヤノンは1日、35mmフルサイズで超高感度撮影を可能にするCMOSセンサー「35MMFHDXSCA」を発売した。肉眼では被写体の識別が困難な、星明り程度の明るさである0.001lux以下の低照度環境でも、カラーの動画撮影が可能で、天体観測、自然災害の監視、産業用途など、幅広いニーズに対応できるという。

35mmフルサイズで超高感度撮影を可能にするCMOSセンサー「35MMFHDXSCA」

 35mmフルサイズで、有効画素数は2,160×1,280ドット。一辺19μmの大きな画素により、超高感度を実現した。画素が大型化すると増える傾向のあるノイズを独自技術により低減、超高感度と低ノイズを両立した。

 フルHD(1,920×1,080ドット)よりも広い範囲の、2,160×1,280ドットで読み出せるため、広範囲撮像が求められる天体観測用途に適しているほか、特殊なアスペクト比の高画素画像のニーズがある監視、産業用途にも対応。

 必要な画素部のみ読み出しを行なう「読み出し位置制御機能」も搭載。読み出し行数を少なくすることで、フレームレートを高められ、夜間の高速道路における監視用途などにも応用できるという。

 一般的に天体観測では、長時間露光時に、わずかな明るさの星の観測を困難にする暗電流ノイズが発生するため、それを抑えるために、カメラを冷却しながら使用する。「35MMFHDXSCA」は周辺回路の駆動方式を工夫し、低温状態においてもなお発生する暗電流ノイズを低減。これにより、10等星程度のわずかな明るさの星の天体観測などにも活用できるとする。

 有効画素読み出しは、2,160×1,280/98fps、1,920×1,080/115fps。パッケージは180pin PGA。感度(緑)は1,100,000[e/lx/sec]@gain×1、飽和信号量は61,000[e-]@gain×1。