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軽くて水に強いワイヤレステレビ「AQUOSポータブル」。シャープ再参入

 シャープは、チューナ別体の16/12型ワイヤレステレビ「AQUOSポータブル」を9月20日より発売する。レコーダ内蔵で16型の「2T-C16AP」、12型「2T-C12AP」と、レコーダを省いた「2T-C12AF」の3モデル展開で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は2T-C16APが8万円前後、2T-C12APが65,000円前後、2T-C12AFが45,000円前後。

AQUOSポータブル「2T-C16AP」
AQUOSポータブル

 ワイヤレスモニター部とチューナ部から構成され、モニター部を家じゅう好きな場所に運んでテレビ視聴できるポータブルテレビ。2T-C16AP/C12APは、チューナ部に500GB HDDレコーダを内蔵し、録画対応。別売のUSB HDDによる録画にも対応する。

 16型は1,920×1,080ドットのフルHD、12型は1,366×768ドットパネルを採用。IPX6/7の防水対応となる。いずれもバッテリを内蔵し、家中どこでも持ち運びが可能。2T-C16APと2T-C12APは、樹脂製のスリムハンドルスタンドを装備し、持ち運びしやすくしたほか、モニター部の外周はクッション性ある素材でプロテクションしている。

IPX6/7防水対応

 モニター部の軽さにこだわり、本体重量は2T-C16APが約1.36kg、2T-C12APが約0.97kg、2T-C12AFが約0.91kg。

 2T-C16APと2T-C12APは、タッチパネルと独自ユーザーインターフェイスを採用し、チャンネル選局や音量調整が簡単に行なえる。番組表も高解像度で録画予約にも対応。2T-C12AFはリモコンで操作する(2T-C16AP/C12APはリモコン別売)。

チューナとモニターで構成
2T-C12AF
2T-C12AFのリモコン

 他社との比較としては、軽さと画質をアピール。直接の競合となるパナソニックのプライベートVIERA「UN-15T8」のモニター部重量は1.4kgと、2T-C16APの約1.36kgとあまり変わらないが、画面サイズが1インチ大きく、持ちやすい重量バランスを実現しているという。

 画質については、液晶パネルをテレビ向けにカスタマイズしている点を強調。「このクラスの液晶はパソコン向けの流用が多いが、AQUOSポータブルでは、テレビに特化したパネルを開発した。違いは特に輝度と色域の広さ。テレビの仕様や使い方にカスタマイズしている」という。

スリムハンドルスタンド
ワンタッチ防水キャップ

 BDレコーダ「AQUOSブルーレイ」とのホームネットワーク連携に対応し、AQUOSブルーレイで録画した番組をAQUOSポータブルから視聴できる。

 AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」に対応するのも、2T-C16APと2T-C12APの上位2機種。ヘルシオホットクックのレシピを見ながら調理できるほか、料理キット宅配サービス「ヘルシオデリ」からの注文が行なえる。

COCORO KITCHENに対応

 水回りでの利用のため、画面には撥水コーテイングを行なっているほか、ワンタッチ防水キャップを装備。スピーカー出力は1W(0.5W×2)で、フルレンジユニット×2を内蔵。スピーカーを前向きに配置しているため、水回りに雑音があっても音声が聞き取りやすいという。ヘッドフォン出力も備えている。

 無線LANはIEEE 802.11n/a/g/b/ac。バッテリ動作による標準視聴時間は2T-C16APが約2時間40分、2T-C12APが約3時間30分、2T-C12AFが約3時間50分。

 モニター部の外形寸法は2T-C16APが38.8×17×24.3cm(幅×奥行き×高さ)、2T-C12APが30.7×13.8×19.7cm(同)、2T-C12AFが30.4×10.1×20.0cm(同)。チューナ部の外形寸法は16.7×14.6×4.7cm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約0.5kg(2T-C16AP/C12AP)、約0.4kg(2T-C12AF)。

軽さにこだわりシェア50%を狙う

 スマートTVシステム事業本部 国内TV事業部の宗俊昭広事業部長は、「国内テレビ市場は、急激な拡大をしているわけではなく、緩やかな回復傾向。大型の4Kテレビ以外で伸びているのが、持ち運べる“ポータブルテレビ”。'2017年度は17万台の市場規模となり、'18年度は22万台規模になる。ニッチカテゴリだが、国内では有望な市場。ここに再参入してお客様の選択肢を広げ、市場拡大を狙いたい」と語った。

スマートTVシステム事業本部 国内TV事業部 宗俊昭広事業部長

 宗俊事業部長が「再参入」と語るのは、2011年発売の「フリースタイルAQUOS」を念頭においてのこと。フリースタイルAQUOSは壁寄せできる設置自由度をアピールし、20~60型まで展開していたが、「時期尚早でユーザーとのミスマッチがあったかもしれない」という。従来と今回のAQUOSポータブルの違いとして、「小型・防水で特に軽さに徹底的にこだわった。ポータブルテレビ市場は拡大中でお客様に選択肢を広げていきたい」という。

 なお、2015年には「AQUOSファミレド」というAndroidベースのタブレットとチューナのセットモデルを展開していたが、AQUOSポータブルは、現在市場規模が拡大しているポータブルテレビ市場向けに機能を絞って、「AQUOSの小型モデル」と位置づけて展開する。

 現在のポータブルテレビ市場は、パナソニックがリードしているが、宗俊事業部長は、「思いを込めて2020年にはシェア50%を狙いたい」と語った。