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Technics、設置する部屋に合わせて音が広がる3.1chワイヤレススピーカー

パナソニックは、Technicsブランドの新製品として、Bluetooth、AirPlay、Chromecast Built-in、Spotifyなどに対応するプレミアムワイヤレススピーカー「OTTAVA S SC-C50」を10月26日に発売する。価格は85,000円。

プレミアムワイヤレススピーカー「OTTAVA S SC-C50」

一体型のワイヤレススピーカーながら、部屋中に音が広がるHi-Fiサウンドが楽しめるという製品。円弧形の「Arcフォルム」を採用。天面はアルミニウムパネル、背後には放熱機構を兼ねたルーバーデザインを用いて、「360度どこから見ても美しいデザイン」になっている。

横から見たところ
上から見たところ。円弧形の「Arcフォルム」

筐体前面に、右、左、中央の3方向に向けてユニットを搭載。1.6cmのツイータ、6.5cmのウーファを同軸配置したユニットで、ユニットの周囲には指向性制御ホーンも配置。相互のスピーカー干渉を排除、時間補正によるホーン間の干渉抑制、各チャンネルの周波数特性、およびレベル補正を施すことで広く均一な指向特性を実現。どこから聴いても、音色の変化が少ない音場を実現するという。

さらに、中央の同軸ユニットの下には、12cm径のサブウーファを配置。伝送した様々な音楽ソースを、内部で3.1chに変換して再生するシステムとなっている。

ユニットの配置
上部の3ユニットは同軸配置

1.6cm径のツイータは50kHzまでの超高域再生が可能。12cmのサブウーファはロングストローク仕様で、内部に配置している大口径ロングポートと組み合わせ、力強い低音再生ができるという。

計7基のユニットを保持する筐体には、高剛性のグラスファイバー強化ABS樹脂を採用。円弧型筐体にも剛性を高める効果があるほか、平行面が少ないため、定在波が発生しにくいという利点もある。

定格出力は、フロントが20W×3、サブウーファが40Wで、合計100W。

独自のフルデジタルアンプのJENO Engineを4基搭載。処理能力の高さを活かし、左右チャンネル、センターチャンネル、サブウーファを駆動すると共に、後述するSpace Tuneも実現している。

スピーカー負荷適応アルゴリズムのLAPC(Load Adaptive Phase Calibration)も採用。スピーカーのインピーダンスは、周波数ごとに変化してパワーアンプに影響を与えるが、これを改善する技術。アンプにスピーカーを接続した状態で、アンプの振幅と位相の周波数特性を平坦化、理想的なインパルス応答を実現するという。

アンプ用の電源は、独立したものを採用。アンプ回路用と、それ以外に、独立した2つのトランスを用意している。これにより相互干渉を抑えているほか、専用トランスとアンプ部の回路は最短距離で接続。ローノイズ化を徹底している。

上部にディスプレイを搭載
下部にはイルミネーションも

設置場所に合わせて最適な再生が可能

「Space Tune」と呼ばれる音場調整機能を備えているのが特徴。壁との距離など、設置場所に合わせた再生を行なうもので、「Free」、「near the Wall」、「near the Corner」の3モードをプリセットとして用意。

新たにSC-C50では、本体に内蔵したマイクを使い、環境音などを計測、手軽に最適な音場に調整して再生してくれる「Space Tune Auto」を搭載。

また、iOS版アプリとiOSスマホ内蔵マイクを使い、ユーザーが座っている位置からの測定も可能。アプリでより細かく測定・補正できると共に、アプリを使わず、本体ボタンのみで使える「Space Tune Auto」も揃える事で、アプリなどに詳しい人、本体のみで手軽に使いたい人、どちらにも対応できる。

アプリから「Space Tune」計測をしているところ

Googleアシスタントも利用可能

Bluetoothスピーカーとして利用でき、コーデックはAAC、SBCに対応する。AirPlayもサポート。インターネットラジオの受信や、Spotify connect、Deezerの受信も可能。Chromecast Built-inもサポートしており、スマホ内のコンテンツも手軽に再生できる。

USB端子も備え、USBメモリ内の音楽ファイルも再生可能。再生対応ファイルはMP3/WAV/AIFF/FLAC/Apple Lossless/AAC/DSD。PCMは384kHz/32bitまで、DSDは11.2MHzまでの再生が可能。

背面

Bluetoothやインターネットラジオ、音楽ストリーミングサービスの再生など、圧縮音源に対しては、JENO Engineの高精度信号処理回路を使い、独自のアルゴリズムで圧縮する前のオリジナル音源に近い信号を復元する「Re-master」技術を搭載。高域の伸びやディテール、低域の非力さなどを解消し、自然なサウンドで再生できるという。

同じネットワーク上にGoogleアシスタント対応のスマートスピーカーなどがあれば、声で音楽再生などの指示を出し、その再生先としてSC-C50から音を出すことができる。

また、2台のSC-C50を用意。片方を左チャンネル、片方を右チャンネルに指定し、リッチなステレオ再生も可能。

光デジタル音声入力、3.5mmのアナログ音声入力も搭載する。無線LANも搭載。LAN端子も備えている。

お気に入り機能も用意。前述のSpotifyのプレイリストや、インターネットラジオ局などのソースを最大9個プリセット。スマホアプリを使わずに、本体から手軽に呼び出せるようになっている。

外形寸法は375×197×220mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.9kg。

音を聴いてみる

試聴の前に、本体搭載のマイクで、環境に合わせたサウンドに調整してくれる「Space Tune Auto」の効果を試してみよう。本体ボタン、もしくはアプリから機能が使え、実際に計測をスタートすると、AVアンプの自動音場補正と同様に、「ピュイピュイ」というような測定音がスピーカーから流れる。

測定前は、豊富な中低域がモコッと盛り上がってこちらに押し寄せてくるイメージだったが、「Space Tune Auto」実行後は、盛り上がりが消え、音場がスッキリと見通しよくなる。かといって低域が少なくなったわけではなく、沈み込みの深いズシンとした低音がよりクリアに耳に入るようになる。簡単に利用できる機能だが、効果は絶大だ。

Space Tune Autoを実行した上で、楽曲を聴いてみたが、驚くのは筐体サイズからは想像できない音の広がりと低域だ。音の広がりは、一体型スピーカーの枠を越えており、距離をしっかりあけて設置したステレオスピーカーにも肉薄する。

3.1chで再生しているため、席を立って、中央から移動し、スピーカーの右側、左側、真横と移動しても、あまり聴こえ方が変わらない。厳密には音場の聴こえ方は変わっているのだが、中央のボーカルの音像が、どの方向に移動してもクリアに定位しているため、自然な音場感を維持できるのだろう。

低域は、Bluetoothスピーカーにありがちな、「低域っぽく見せかけた中域がボンボン張り出す」ようなタイプではまったくなく、深く、重く、芯のある低音がズシンと響く。特筆すべきは、部屋に音が充満するようなボリュームに上げても、その低音が暴れたり、飽和せず、分解能を維持したまま描写できている点だ。アンプのドライブ能力の高さがわかると同時に、大音量にも負けない剛性を備えた筐体にも驚かされる。

カテゴリとしてはBluetoothスピーカー、ネットワークスピーカーではあるが、コンパクトかつ低価格な製品とは、まったくクラスが違う鳴り方であり、クオリティはHi-Fiオーディオの世界に到達している。

なお、パナソニックセンター東京、パナソニックセンター大阪では、予約が必要だが、9月13日からC50が試聴可能になる。

オリジナルオーディオボードプレゼント

2018年10月26日~2019年1月25日までの期間限定で、オリジナルオーディオボードのプレゼントキャンペーンも実施。期間中に購入し、CLUB Panasonicに愛用者登録し、キャンペーンに応募した全員に、TAOCと共同開発したSC-C50向けのオーディオボードがプレゼントされる。詳細はプレゼントキャンペーンページを参照のこと。

TAOCと共同開発したSC-C50向けのオーディオボード。写真は試作機
テクニクス(Technics) プレミアムクラス OTTAVA S SC-C50【パナソニック公式】