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FiiO、小さなType-C USB DACアンプ「K3」。プレーヤー「M9」はSpotify再生も

エミライは、FiiO Electronicsの小型USB DAC/アンプ「K3」を発売する。発売時期や価格は未定だが、「性能に対し、価格競争力のあるものになる」としている。USBバスパワーで駆動し、バッテリは内蔵しない据え置き型。10月27~28日に東京・中野サンプラザで開催される「秋のヘッドフォン祭2018」で、新ハイレゾプレーヤー「M9」とともに試聴できる。

FiiO「K3」

“小さなミュージックセンター”の「K3」

「K3」は、USB Type-C端子を備え、片手に収まるサイズのUSB DAC/アンプ。DACチップは旭化成エレクトロニクス製AK4452。PCM 384kHz/32bitとDSD 11.2MHzのネイティブ再生に対応する。

使用イメージ
パソコンとの接続例
DACはAK4452

ヘッドフォン端子は、ステレオミニと、2.5mmバランスを装備。オペアンプはOPA926を搭載。OPA1612はローパスフィルターとして動作する。光/同軸デジタル出力も備え、DSD 2.8MHz(DoP)対応のDDCとしても利用可能。

ヘッドフォン端子

USBレシーバICはXMOS。本体スライドスイッチでUSB Audio Class 2.0/1.0の切り替えができ、外出先などのパソコンで専用ドライバーが無い状態でも音を聴ける点を特徴としている。

中央のスイッチでUSB Audio 1.0/2.0が切り替えられる

FiiO副社長で技術最高責任者であるKean Zhang氏は、K3を開発した理由について「元々FiiOはポータブルを1つのキーワードに開発してきたが、昨今は労働環境、時代環境が変化しており、テレワークなどで、自宅でも高音質で楽しみたいというニーズも高まりつつある。そこで、注目したのはデジタル出力の充実。K3はモニタースピーカーなどを接続したり、既存のオーディオ製品につなぐことを想定した「小さなミュージックセンター」としている。

FiiO副社長 技術最高責任者のKean Zhang氏

新ハイレゾプレーヤー「M9」。Spotifyなど動作アプリはFiiOサイトで入手

10月25日に発表したFiiOハイレゾポータブルオーディオプレーヤー「M9」も披露された。11月下旬発売で、店頭予想価格は、34,800円前後。10月27日午前11時から、オンラインショップ「Fiio Direct」で、数量限定の先行販売を実施する。

FiiO M9

6月に発売した「M7」の上位機にあたり、主な特徴は別記事で掲載されているが、FiiOが注力したのが「ワイヤレスオーディオの強化」。LDACやaptX HDといった、Bluetooth音声をハイレゾ相当の高ビットレートで伝送できる主要コーデックをカバーしているのが特徴。ファーウェイなどが推進する新たなオーディオ技術「HWA」もサポートする。

音楽配信サービスのアプリをインストールして利用できる

さらに、2.4GHz帯の無線LAN(Wi-Fi)にも対応し、DLNAもサポート。ネットワーク再生も可能になった。

カスタマイズAndroid OSを搭載し、Spotify/Tidal/Roon/NetEase Cloud Music/MOOV/KKBOX/Qobuz/Deezerなどのアプリがインストールできる。あらかじめFiiOが動作確認済みのアプリをサイトで配布。ユーザーはFiiOのサイトからパソコンでダウンロードしたapkファイルを、microSDを介してM9へインストールする方法を採っている。各アプリがアップデートされた場合は、FiiOが再び動作確認をとってサイトに公開するという。

使用イメージ
ヘッドフォン端子はステレオミニと2.5mmバランス
側面

Kean Zhang副社長は、「音質の向上」と「長く使ってもらえること」を重要なポイントとしており、Bluetoothの高音質コーデック対応や、Wi-Fi対応としたことをアピール。将来のファームウェアアップデートで、Bluetoothのレシーバー機能を強化し、LDACで受信可能になる予定(現在はSBCのみ)だという。

M9の開発上のチャレンジとしては、新たにWi-Fi搭載で利便性を高めながらも、その影響でノイズがのらないようにしたハードウェア設計と、高速動作&低消費電力を実現するSamsung製Exynos 7270 SoCの性能を発揮させるソフトウェア設計の2つを挙げ、これらの課題をクリアしたことで製品化を実現したという。

なお、FiiOのポータブルプレーヤーは「X3/5/7」のXシリーズが知られるが、2018年のモデルであるM7とM9は、X7などの下位ではないという。「細分化されてきたニーズをカバーするために開発した。目指す方向性はXシリーズと同じ。今後もハイエンドモデルの開発は続ける」としている。

M9(左)とK3(右)