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歌詞が浮かぶレコードジャケット風「Lyric Speaker Canvas」

音楽の歌詞が筐体にアニメーション表示される“リリックスピーカー”の新モデル、「Lyric Speaker Canvas」が11月16日に発売される。代官山や二子玉川の蔦屋家電、THE CONRAN SHOP、ヨドバシカメラの新宿西口本店など一部店舗で取り扱い、価格は165,000円(税込)。スキマスイッチを迎えて製品を初披露し、トークセッションが開催された。

Lyric Speaker Canvas(中央下)。左がスキマスイッチの大橋卓弥氏、右が常田真太郎氏。中央はCOTODAMAの斉藤迅氏
Lyric Speaker Canvas

Lyric Speaker Canvas(リリック スピーカー キャンバス)は、スマートフォンから音楽をワイヤレス再生しながら、黒い液晶パネル部に音楽に同期した歌詞アニメーションを表示できる。フルレンジスピーカーと3インチウーファーを内蔵する。

「音楽の楽しみ方がCDから配信に代わり、歌詞カードを眺めることも少なくなった。歌詞の魅力が置き去りにされている。その力を取り戻したい」(COTODAMA 斉藤迅氏)というコンセプトに基づいて設計・開発された。初代リリックスピーカー(’16年発売、32万4,000円)を手がけたSIXが企画開発し、子会社のCOTODAMAが製造・販売。カラーはブラック/シルバー。

内蔵スピーカーユニットが白いパンチングメタルに透けて見える

初代リリックスピーカーと同様に、独自の「リリックエンジン」を搭載。歌詞データベースを持つシンクパワー(プチリリ)と提携し、240万曲以上の歌詞を自動で美しくビジュアライズ。歌詞アニメーションはモノクロ表示で、文字やエフェクトなどの動き方は同じ曲でも再生する毎に変化するという。

Lyric Speaker Canvasの歌詞表示(音声無し)
初代リリックスピーカー(右)との外観の比較

正方形の板を二枚前後に並べて壁に立てかけたようなデザインで、前面ディスプレイに歌詞を表示、背面ボードに収めたスピーカーから音が鳴る。本体のみで自立でき、「お気に入りのレコードジャケットを飾るように、歌詞を部屋に美しく飾れる」とする。

側面

IEEE 802.11a/b/g/n/acの無線LAN機能を備え、AirPlayとChromecast(Chromecast built-in)に対応。iPhoneやAndroidスマートフォン端末、パソコンの音楽をワイヤレス再生できる。Spotify Connectに対応しており、音楽配信サービスの歌詞表示に対応。Chromecastで複数台のリリックスピーカーキャンバスを連携させ、楽曲と歌詞の同時再生もできる。

デモではiPhoneの音楽をワイヤレス再生していた

側面にステレオミニのアナログ出力を備え、内蔵スピーカーユニットと手持ちのスピーカーから音楽再生できる。なお、アナログ入力は備えていない。また、初代ではハイレゾ音源再生に対応していたが、「よりカジュアルに使って欲しい」という狙いから、キャンバスではハイレゾ再生機能を省いた。

最大出力は合計32W(12W×1、20W×1)。再生周波数帯域は40Hz~20kHz。付属のACアダプターで動作し、消費電力は最大36W。外形寸法は48×12×40cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約5.2kg。

側面にステレオミニのアナログ出力を搭載

スキマスイッチは歌詞の見せ方にこだわり。「段落表示の再現性が高い」

製品発表会には、スキマスイッチの大橋卓弥氏と常田真太郎氏、COTODAMAの斉藤迅氏が登場。リリックスピーカーキャンバスでスキマスイッチのバラードナンバー「未来花 for Anniversary」や、アップテンポな「全力少年」などを流しながら、音楽や歌詞の作り方のこだわりを交えたトークが行なわれた。

スキマスイッチの大橋卓弥氏(左)、常田真太郎氏(右)

大橋氏はこのスピーカーを既に体験しており、「今はネットの配信で音楽を聴く人が増えて、(歌詞カードが同梱された)CDを持ってる人は少ないので、歌詞を読むには検索しないといけないし、歌詞と向き合って音楽を聴く機会自体減ってきている。言葉を同時に見ながら音楽を聴けるリリックスピーカーキャンバスはいいアイテム。僕たちは(歌詞の)行間に思いを込めているので、そのあたりも感じてもらいやすくなるかなと思う」と感想を語った。

常田氏も、「歌詞が視覚的に飛び込んでくると、作り手として『こういうふうに作ったよね』というのが伝わりやすい」とコメント。「全力少年」の歌詞の動きに見入っており、「僕たちは、歌詞カードは段落を気にして作っているけれど、このスピーカーは(歌詞アニメーションの)表示の仕方にそれがかなり反映されている。文字を塊で見せるのか、ワンワードだけで見せるのか。その辺のテンポ感というか、言いたかったことがバン、と出ている」と興奮した様子で話した。

「全力少年」の歌詞の動きに見入るスキマスイッチの2人

リリックスピーカーキャンバスは、アビー・ロード・スタジオが2016年にスタートさせた、音楽テクノロジーインキュベーションプログラム「AbbeyRoadRed」のバックアップを受けて開発が進められ、海外展開も視野に入れている。また、初代モデルは米ビルボードのギフトセレクションに選ばれるなど、様々な賞を受賞してきた。

常田氏の「昔は洋楽の英語は分からなかったけど、改めてみるとこんな簡単な英文だったと気づいたことがある。今なら和訳できそう」という言葉を受けて、大橋氏も「英語の歌詞も和訳が出るといい。ビートルズの曲を聴いたら邦訳の文字が流れるとか、僕らの曲が海外で聴かれた時に歌詞が英語で出るとか。可能性が広がりそう」とコメント。今後への期待を寄せられた斉藤氏は「がんばりたいと思います」と笑顔で応じた。