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ペア130万円のMAGICO「A3」、B&W“プレステージ”、ELECTA AMATOR IIIも

国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2018東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで11月16日に開幕。会期は11月18日までの3日間。入場無料だが、当日またはWebでの事前登録が必要。ここではマランツやヤマハなどのブースをレポートする。

会場は有楽町の東京国際フォーラム

ノア

伊ソナス・ファベールの新フラッグシップスピーカー「アイーダII」(AIDA II)が注目を集めるノアブース。価格はペアで1,380万円。「アイーダ」の外観はそのままに、内部構造を一新。「さらなる高みを目指した」というモデルで、構成は3.5ウェイ5スピーカー、背面に「サウンド・シェイパー・システム」として2ウェイ3スピーカーを内蔵している。

エンクロージャの内部構造を新設計し、それぞれのユニットに対して与えられた個別キャビネット容量を増加。ドライバやパーツ類も一新し、サウンド・クオリティを高めた。

右側がソナス・ファベールの新フラッグシップスピーカー「アイーダII」。左はフロア型「Sonetto VIII」

新シリーズ「Sonetto」も紹介。9月から発売しているもので、ペアの価格は、フロア型「Sonetto VIII」が90万円、「Sonetto III」が50万円。ブックシェルフ型「Sonetto I」が19万8,000円。センタースピーカー「Sonetto Center I」が15万円(1本)。

イタリアで生まれたルネサンス期の14行の定型詩「Sonetto(ソネット)」の名を冠し、ソナス・ファベールが数々のモデルで培った最新技術やサウンドチューニングのノウハウを投入。リュート型のキャビネットデザインが特徴。伝統の木工やレザーの職人技を活かし、天然素材を使いながら手作業で仕上げた。

「Sonetto」シリーズも

さらに、参考出品として「ELECTA AMATOR III」も披露。エンクロージャには木材を使っているが、底部に大理石を組み合わせているのが特徴。スタンドにも同じ大理石が使われている。価格は未定だが、140万円程度のイメージだという。

「ELECTA AMATOR III」
底部に大理石
スタンドにも同じ大理石

マランツ

マランツブースの注目は、英Bowers & Wilkins(B&W)の最上位スピーカー「800D3シリーズ」の新モデル「プレステージ・エディション」。10月から発売しているモデルで、高級家具や楽器などに使われるサントス・ローズウッドを外装に採用。1本の価格はフロア型「802D3 Prestige Edition」が190万円、ブックシェルフ型「805D3 Prestige Edition」が48万円。

中央が「802D3 Prestige Edition」
「805D3 Prestige Edition」

2015年発売の800D3シリーズに新たな素材のエンクロージャを採用。13層のラッカー塗装と研磨を施した独特のサントス・ローズウッド・ベニヤを使用。高級感のある深い色や独特の木目柄が特徴的で、表面は光沢仕上げとなる。

このスピーカーに、マランツの「PM-10」、「PM-12」、「SA-10」、「SA-12」を組み合わせてデモ再生を行なっている。

マランツの「SA-12」

ヤマハ

GT-2000シリーズ以来、約36年ぶりとなるターンテーブルの最上位モデル「GT-5000」、プリアンプ「C-5000」、パワーアンプ「M-5000」という、ピュアオーディオの新フラッグシップを揃えたヤマハブース。そのサウンドを体験しようと、多くの来場者で賑わっている。発売時期と価格は「GT-5000」が2019年4月で60万円、「C-5000」と「M-5000」は2018年12月上旬で各90万円。

ヤマハブース

「GT-5000」は、独自の設計コンセプトである「GT(Gigantic & Tremendous=途方もなく巨大な)思想」に基づいて開発されているが、最新の技術も多数投入しているのが特徴。キャビネットやプラッター、アームベースなどの巨大重量化を徹底する一方で、電気的フィードバックを駆動系から完全に排除したクォーツ制御 AC シンクロナスモーターによるベルトドライブ方式を採用。シンプルな構造のピュアストレート・トーンアームなどを取り入れている。

「GT-5000」

プリアンプ「C-5000」は、入出力端子を含むすべてのオーディオ回路とそのグランドライン、各ステージへの給電を行うローカル定電流型電源レギュレーター回路をワンボード上に展開。左右チャンネルで2枚のボードとなるが、そのボードを、背中合わせに重ねて配置(上段が左、下段が右チャンネルの基板)。左右対称形のオーディオ基板を、プリントパターン面が向き合うよう二つ折りにしており、まるで本を閉じるような構造である事から「ブックマッチ・コンストラクション」と名付けられている。バイオリンやギターなど、楽器の構造からもヒントを得て、生み出された機構だ。

「M-5000」は、定格出力100W×2ch(8Ω)、200W×2ch(4Ω)のパワーアンプ。ブリッジ接続にも対応する。出力段の左右チャンネルそれぞれの+側と−側、 計4組の電力増幅回路をグランドに対して電気的にフローティングし、出力段におけるプッシュプル動作の完全対称化(プル−プル化)を実現。ヤマハ独自の「フローティング&バランス」仕様となっている。

プリアンプ「C-5000」
パワーアンプ「M-5000」

エレクトリ

来場者の注目は、人気のハイエンドスピーカーメーカーMAGICOの新作で、ペア130万円と、MAGICOとしては価格を抑えているのが特徴の「A3」だ。

MAGICOの「A3」

ツィーターには、新設計の28mmベリリウム振動板を採用。ドーム表面形状は、2014年に発表された限定モデル「M Project」を基本設計プラットフォームとしている。専用設計のネオジウムマグネット磁気回路は、最新のダンピング素材を使ったバックチャンバー内に収納。ボイスコイルの正確なストロークにより、超低歪みと高いパワーハンドリングを実現したという。

6インチミッドレンジ×1、7インチウーファー×2を搭載。どちらにも、Gen 8 Magico Nano-Tecコーンユニットを採用されています。振動板表面にナノグラフェン(XG Nanographene)を使用した超硬マルチウォールカーボンファイバー織布を使っている。エンクロージャー素材は、6061 T6航空機グレードのアルミニウムを採用した。

マッキントッシュの新製品も一挙に展示。MC312ステレオパワーアンプは、MC302の後継機。価格は90万円。出力は300W×2ch。大型メインフィルターコンデンサーは、ダイナミック・ヘッドルーム(定格出力を超える瞬間最大出力)を前モデルと比べ、27%向上させた。

「MCT500」はSACDトランスポート。同軸、光、XLRの豊富なデジタル出力を備えるhおか、マッキントッシュ専用MCTデジタル出力も搭載。専用のDINケーブルで、対応するマッキントッシュの機器と接続、デジタル伝送できる。フロントパネルにUSBコネクタも備え、USBメモリーやHDD内の音楽を再生する事もできる。

「MCD600」はSACDプレーヤー。8ch対応、32bit、PCM・DSD対応のプレミアムDACチップを採用。左右各チャンネルに4チャンネル分の回路をクアッド・バランスで構成し、ダイナミックレンジの拡大や、正確かつ安定したD/A変換と超低歪み、低ノイズを実現したという。

「LB100」は、オーディオまわりを演出するライトボックスで、価格は22万円。フロントパネルにMcIntoshのロゴなどが、グリーンのLEDバックライトで浮かび上がる。パワーコントロール入出力を備え、マッキントッシュ機器と電源のON/OFFが連動できる。

MC312ステレオパワーアンプ
下段がSACDトランスポート「MCT500」
MCD600はSACDプレーヤー
ライトボックス「LB100」

タイムロード

タイムロードブースでは、新たに取り扱うイタリアのオーディオブランド「Pathos(パトス)」のラインナップを紹介。価格は、プリメイン「TwinTowers(T.T.)」が98万円など。

イタリアのオーディオブランド「Pathos」の製品

同じく、扱いをはじめたオーディオメーカーCharioのスピーカーも紹介。Academyシリーズの「SONNET」、Aviatorシリーズの「CIELO」、「AMELIA」、「NOBILE」、「GHIBLI」の5モデルで、価格はいずれもペア、スタンド込みで、ブックシェルフ「GHIBLI」が33万円から、ブックシェルフの最上位モデル「SONNET」が87万円。

英CHORD新製品も出展。DACヘッドフォンアンプ兼プリアンプ「Hugo TT 2」は12月発売で64万円、ステレオパワーアンプ「Etude」は11月16日発売で74万8,000円、アップスケーラー「Hugo M Scaler」は12月発売予定で66万円。これらCHORDの機器で、MAGICOの「A3」をドライブするデモも行なっていた。

CHORDのシステムでMAGICOの「A3」をドライブ

トライオード

トライオードのブースでは、300B真空管搭載の純A級モノラルパワーアンプ「TRX-P300M」が注目を集めている。'19年1月発売で、価格はペア48万円。直熱三極管300Bを2本搭載した、純A級パラシングルの真空管モノラルパワーアンプ。創業25周年を迎えるトライオードの社名のもとになった300Bを使い、「300B特有の艶やかで美しい響き」が楽しめるとする。定格出力は15W(8Ω)。使用真空管は300B×2、12BH7×1本、 12AU7×1本を搭載する。

純A級モノラルパワーアンプ「TRX-P300M」

さらに、真空管プリメインアンプ"ジュエリーシリーズ"の新色「Pearl」も紹介。12月発売予定で、価格は80,000円。色違いの既発モデル「Ruby」は価格を改訂し、'19年1月出荷分から80,000円で販売する。

真空管プリメインアンプ"ジュエリーシリーズ"の新色「Pearl」

カクテルオーディオ(Cocktail Audio)からは、ネットワーク対応オーディオプレーヤー「X50Pro」が登場。12月発売で、価格は60万円。ネットワークプレーヤーとして動作し、対応するサーバーからの再生や、ストリーミング再生が可能。ストレージとしてHDD/SSDを追加することでミュージックサーバーとして使うこともできる。

CDドライブを搭載し、CDリッピングも可能。「X50D」('17年発売)の上級機として、「性能、音質の頂点を目指して開発した」という。

カクテルオーディオの、ネットワーク対応オーディオプレーヤー「X50Pro」

キソアコースティック

注目の新製品は、11月20日発売のスピーカー「HB-N1」だ。価格はペアで88万円。スタンドは別売。

11月20日発売のスピーカー「HB-N1」

既発売「HB-1」(ペア130万円)の美しいボディラインを継承しながら、柔らかく、シンプルなデザインを取り入れ、価格も抑えているのが特徴。「上質な音楽をもっと身近に、さらに聴く喜びを広げる」をテーマに開発された。

既発売「HB-1」

塗装はマットフィニッシュ。岐阜県の高峰楽器製作所で製造されており、楽器づくりの高度な技術が使われている。曲面をもつキャビネットの胴部分には、2.5mm厚のマホガニー単板を使用。熟練した職人が曲げ加工を施したという。美しい響きを得るために側面響板には3.5mm厚のマホガニー単板を採用。内部の平行面を無くす事で、定在波の発生を抑えている。

ユニットはPeerless製。ウーファは10cm径。ツイータは、独自のチューニングを施した25mmのリングラジエーター・ドーム型。同じメーカーのドライバーを使うことで、ナチュラルでバランスの良い音になったとする。