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AQUOS 4Kレコーダ買ったら、どう使う? シャープが実演

シャープは、12月1日から始まる新4K衛星放送の開局を前に、AQUOS 4Kレコーダー「4B-C40AT3」「4B-C20AT3」2モデルの製品説明会を開催した。両機種共に11月24日の発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、C20AT3が11万円前後、C40AT3が14万円前後となる。

4TB HDD内蔵のAQUOS 4Kレコーダー「4B-C40AT3」

既報の通り、9月に発表された「4B-C40AT3」「4B-C20AT3」は、新4k衛星放送対応チューナーを搭載したレコーダー。4K Ultra HD Blu-ray(UHD BD)の再生にも対応し、同社レコーダーシリーズのハイエンドに位置づけられている。

説明会では、4K AQUOSレコーダーの購入者が製品開梱後に行なう接続や設定を、デモを交えながら説明。

「“4Kレコーダー”と言っても、アンテナケーブルの接続やテレビとの接続は従来のレコーダーと変わらない。本機を発売日に購入し、4Kチャンネルの番組表を見たとしても空欄のままだが、12月1日の放送が始まれば、空欄の番組表は順次埋まっていく。新4K衛星放送のチャンネルもあらかじめプリセットされており、視聴するための難しい設定は不要だ」(BD推進部参事・岩崎氏)と話す。

製品開梱後に行う接続や設定を実演
放送局はあらかじめプリセット済み。放送開始と共に電波が送出されれば、空欄の番組表も順次埋まるという

また岩崎氏は「4K放送を見るには対応のチューナーが必要という認識はだいぶ広まってきた。ただ、電波には左旋と右旋のタイプがあることや、既存のBSアンテナ設備で見られる4Kと、アンテナからブースター、ケーブルなどを含めて設備を大きく更新しなければ見られない4Kがあることは、まだ十分広まっていない」とし、対応機のラインナップ拡充と共に、受信方法等の情報も引き続き案内していくという。

既存のBS受信環境であれば、受信設備を変えることなく、NHKと民放5局の4Kチャンネルが受信可能
全ての4Kチャンネルを視聴するには、受信設備の変更が必要

12月1日から始まる4K放送は、高解像度(4K/3,840×2,160 60p)、広色域(BT.2020)、高輝度(HLG)という特徴を持つが、それらの信号に対応していないテレビと4K AQUOSレコーダーを接続したときでも新4K放送が楽しめるよう、各種変換機能が搭載されている。

新機能「HLG→HDR10変換」もその1つで、HLGに対応していないHDRテレビでも、レコーダー側でHDR10信号に変換して出力。HLG番組の高輝度映像が楽しめるようになっている。

他にもHDR非対応ディスプレイであればSDRに変換して出力したり、4K/60p非対応ディスプレイや2Kディスプレイであれば2K/60pに変換して出力する。

「2Kテレビしか無い場合、4K放送番組は2K解像度で出力することになる。ただ、レコーダーが受信する番組やHDD内の録画番組は4K解像度のままなので、将来4Kテレビを用意すれば、本来の4K解像度で楽しめる」(同)という。

HLG→HDR10変換に対応。変換をオフ(その場合はHLG→SDR)することも可能。HLG番組か否かを判断するには、番組詳細情報などを確認する必要があるという(番組表ではわからない)

内蔵HDD、外付けUSB HDDへの4K番組録画に対応。2TBモデルのC20AT3であれば約130時間、4TBモデルのC40AT3であれば約262時間の4K番組を本体に録画できる。録画はDRのみで、録画した番組は「インデックス画面変更」と「タイトル分割」の編集が可能。番組のオートチャプター機能に関しては「試験放送にCMが無く、オートチャプターの検証ができなかった」ため、放送開始直後は非対応だが、動作検証を行なった上で後日アップデートを実施する予定。

またHDDに録画した番組は、BDに4Kのままダビングできる。BDは1層ディスクから4層ディスクに対応。1枚のBDに2K放送と4K放送を混在ダビングすることも可能。“4K録画BD”は、同シリーズのみ再生ができるが、そのほかのレコーダーやプレーヤーで再生することはできない。

4K番組は、BD(BDXL対応)にDR保存可能
“4K録画BD”の録画リスト。2K番組と4K番組の混在が可能。サムネイル表示は2Kのみ

「レコーダーの本質は、番組を録るもの。そして録ったものを観るもの。その考えから、使いやすく見やすい番組表と録画リストを追求してきた。高解像度で細かい文字もくっきり見やすい4Kビジュアル番組表と、サムネイル付きで見やすい録画リストも4K AQUOSレコーダーの特徴」(同)と説明。

今回新たに追加された番組検索機能の「指定ジャンル強調」については、「以前から番組検索機能は複数設けているが、ユーザーが実際に多く使っているのは、最もシンプルな番組表からの検索。“指定ジャンル強調”はその番組表を活用する形で、もっとシンプルに番組が検索できるようになった」という。

4Kビジュアル番組表
録画リスト
指定ジャンル強調(“スポーツ”の場合)

また新たな試みとして、音質向上を目的とした「オーディオ用コンデンサー」を搭載している。従来機に比べて「高域のノイズを抑制し、SNを高めた」という。

2020年までレコーダーの需要は増加。20年には半分がUHD BD対応に

BD推進部参事の岩崎氏は、BDレコーダーの市場動向を説明。「アナログ停波後、前年割れが続いていたレコーダー市場だが、直近は200万台規模で推移し、'20年に向けて需要は増えると予測している。中でも4K/UHD BD再生対応機は進捗が大きく、'20年には全体の半分にまで拡大するよう、我々も市場を盛り上げたい」と説明。

また「シャープとして8Kはもちろんだが、多くのユーザーに新4K衛星放送を楽しんでもらうべく、4Kレコーダーと4Kチューナーを用意した。JEITAの統計では、4Kチューナー非搭載の4Kテレビは累計で500万台出荷されていると聞く。4K放送は解像感が高く、ノイズも少ない。また色域が広く情報量が多いため、表現力が豊かだ。是非レコーダーやチューナーと組み合わせて4K放送を楽しんで欲しい」と語った。

シャープ TVシステム事業本部 国内事業部 BD推進部 参事 岩崎宏之氏
2020年に向けてBDレコーダーの需要は微増と試算