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シャープ、YouTubeの8K動画再生に対応したAQUOS 8K「DW1」

70型「8T-C70DW1」

シャープは、BS8K/BS4K/110度CS4Kチューナを搭載した8K液晶テレビ・AQUOS 8Kの新モデルとして、YouTubeの8K動画再生に対応した「DW1」シリーズを6月12日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は70型「8T-C70DW1」が49.5万円前後。60型「8T-C60DW1」が38.5万円前後。

2019年11月に発売した8K対応テレビ「BW1」シリーズの後継機種。BW1では手頃な価格に抑えるため、“8K入力対応&8Kチューナレス”という仕様だったが、DW1では8Kチューナを1基内蔵しながら、前機種とほぼ同等の価格を実現した。

さらに処理性能などを約1.6倍(前エンジン比)に高めたエンジン「Medalist Z2」を搭載し、画質や操作性をアップデート。独自の制御アルゴリズム「スマートアクティブコントラスト」では、従来モデルよりもメリハリのある高コントラストな8K映像表示を可能にした。また本体にはマイクを備え、ハンズフリーによる音声操作も行なえるようになった。

DW1は低反射N-Blackパネルを採用しており、AQUOS 8Kの中ではハイグレードラインに位置する。低反射8K Pure Colorパネルを搭載した最上位「CX1」は、DW1発売後も販売継続される。

同日発表の液晶テレビ・AQUOS 4K「DN1/DN2」「DL1」、有機ELテレビ・AQUOS OLED「DS1」「DQ1」は別記事を参照のこと。

YouTubeの8K動画再生に対応。HDMI/USB経由では8K60p再生も

動画配信サービスYouTubeの8K動画再生に初めて対応。8K30pまでのコンテンツを、大画面で楽しめるようになった(従来は4K60pまでのコンテンツに対応)。YouTube上にアップされている観光地の絶景映像や動物の映像など、多彩な8K動画を自宅にいながら、いつでも楽しむことができるという。

HDMI、USB経由でも8Kコンテンツの入力が可能。HDMIは入力3/4が8K60p入力をサポートしており、ケーブル一本でAQUOS 8Kに伝送できる。またUSBからでも8K60p再生に対応(従来は8K30pまで)。「8K解像度の60Hz素材を確認できるようになっており、最先端の映像を撮影するクリエイターにも使用して欲しい」としている。

YouTube上にアップされている8Kコンテンツ
AV1に対応し、8K30pまでの素材が再生できるようになった

70/60型ともに、8K/7,680×4,320ドットのシャープ製液晶パネル(倍速対応)を搭載。フルHDの16倍、4Kの4倍の高解像度を活かした、きめ細かくリアルな映像表現が特徴。高輝度&ローカルディミング対応の直下型LEDバックライトシステムを組み合わせることで、実物感のある明るい8K映像を再現する。

パネル表面は「N-Blackパネル」。グレアのような艶やかな黒を実現しながら、照明などの映り込みを抑える独自の低反射処理技術を採用した。広色域技術のリッチカラーテクノロジープロも搭載。

HDR規格は、4K Ultra HD Blu-rayなどのHDR10と、4K/8K放送のHLGをサポート。さらにDolby Visionにも対応している。

70型「8T-C70DW1」

8K画像処理エンジン「Medalist Z2」搭載

8K開発で培った高い画像処理性能と高速パフォーマンスを両立する、新開発の8K画像処理エンジン「Medalist Z2」を搭載。これにより、放送からネット動画まで、高精細化と快適操作を実現した。

Medalist Z1と比較し、画像処理などの処理性能が約1.6倍、グラフィック表示能力が約1.6倍、そして約20%アップの高速選局を実現。本体の起動やアプリの起ち上げ、コンテンツの再生など、様々な操作シーンで体感でき、「従来よりもサクサク感を感じていただけるはず」と同社担当は話す。

8K画像処理エンジン「Medalist Z2」
Medalist Z2で行なっている画像処理

新エンジンの搭載と合わせ、画像処理もアップデート。新たに「スマートアクティブコントラスト」と名付けた信号処理技術を投入。これは、全フレームの輝度マッピングを解析。ダイナミックレンジの拡張に加え、階調の密度を最適化することで、明暗表現力を高めるというもの。DW1では、映像解析に基づいたバックライトエリア制御技術「メガコントラスト」との掛け合わせで、明るくメリハリある8K映像が楽しめるという。

「スマートアクティブコントラスト」の有無を比較したもの。左がMedalist Z1搭載モデルで、右がMedalist Z2を搭載した新モデル

さらに、ノイズ除去と本来の映像信号を推定してディテールを再現する「精細感復元」や、被写体の輪郭を周囲の形状から推測して滑らかな輪郭を再現する「リアリティ復元」などを強化。アルゴリズムの最適化などにより精度を高め、8K映像の高画質化を行なったという。

スポーツ観戦を臨場感豊かに楽しめる「8Kスポーツビュー」映像モードや、フルHDから4Kのコンテンツを高精細な8Kに変換する「8K超解像アップコンバート」なども搭載している。

搭載チューナーは、BS8K×1基、BS/CS4K×2基、地上/BS/110度CS×3基。外付けUSB HDDを接続することで、8Kや4K放送の裏番組録画、地上/BS/CSデジタル放送の2番組同時録画が可能。

また「4K番組表」と、USB HDD録画時の「おまかせオートチャプター」機能が復活。Android TV化の際に整理されていた機能だが、新エンジンの採用により再び搭載された。録画番組を再生する際の早見・早聞き再生(1.5倍)も行なえる。

ハンズフリー音声操作に対応。リモコンも一新

DW1では、テレビ本体にマイクを2個内蔵し、話しかけるだけで電源オン/オフや音量調整、外付けUSBハードディスクに録画した番組の再生などが指示できる「ハンズフリー音声操作」に新対応。帰宅して手を洗う前や料理中で手が離せない時でも、テレビが操作できるようになった。

またユーザーがハンズフリー操作を快適、かつ分かりやすく行なえるように設計。本体前面に内蔵したマイクのそばには、音声の反応が見えるアシスタントLEDを配置。またどのように発話すれば良いかの一例を表示するガイド画面も用意した。プライバシーを考慮し、マイクのオン/オフを操作できるスイッチも備える。

SHARPロゴの左右にマイクを内蔵。右側には反応を示すアシスタントLEDを設置した
背面にあるマイクのオン/オフスイッチ

音質面では、独自の傾斜構造スピーカーとサブウーファーを搭載した「WIDE-AREA SOUND SYSTEM」を採用。ミッドレンジとツイーターユニットを独自の傾斜構造で配置することで、画面の前方向・上下方向の音場再生エリアを拡張。大容量のサブウーファー(15W)と合わせ、臨場感豊かな迫力あるサウンドを実現した。実用最大出力は55W。

ボーカルや楽器の音が際立ち、音に包まれるような立体感を演出するという「音楽ライブ」サウンドモードを新搭載。空間全体の音響パワーの変化をとらえて補正する音響補正技術「Eilex PRISM」も搭載している。

新モデルでは、付属リモコンも一新。リモコンの上段に7つの動画サービスアプリ(Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、Hulu、ABEMA、Paravi、YouTube)を直接起動できるダイレクトボタンを搭載。テレビの電源がオフの状態でも、ボタンを押すだけでサービスを起動できる。スリムで軽量な設計となっており、持ちやすさも改善しているという。

Android TV対応なので、ダイレクトボタン以外の、動画・音楽・ゲームアプリを楽しむことができる。

付属のリモコン。マイクを搭載
Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、Hulu、ABEMA、Paravi、YouTubeのダイレクトボタンを搭載
旧リモコンとの比較

AQUOS専用のエンタメ・生活情報サポートアプリ「COCORO VISION」に対応。対応の家電と連携することで、登録した家電の動作状況を一覧で確認できたり、家電からのお知らせ(洗濯機の運転が終了しました/部屋の湿度が高くなっていますなど)をテレビ画面で受けとることができる。

エンタメ・生活情報サポートアプリ「COCORO VISION」
登録した家電の動作状況を一覧で確認できる

HDMI2.1機能は8K60p、4K120pをサポート

HDMI入力は4系統。入力3/4は8K60p、4K120pをサポートし、HDMIケーブル一本で8Kや4K120pの映像入力が可能。入力4はARCに対応する。なお、eARCやALLM、VRRなどは対応しない。

その他の入出力端子は、3.5mmミニジャックのAV入力、光デジタル音声出力、ヘッドフォン/アナログ音声出力を各1系統用意。USB端子は3系統で、うち1つが録画用。LAN端子は10BASE-T/100BASE-TX。

視聴位置に合わせて画面の角度を調整できる回転式スタンドを搭載する。

消費電力と年間消費電力量は、70型が約560Wで、308kWh/年。60型が約550Wで、290kWh/年。

スタンドを含めた外形寸法と重量は、70型が156.4×36.1×99cm(幅×奥行き×高さ)で、約46.5kg。60型は135.6×29×87cm(同)で、約34kg。

背面端子
電源ケーブルは着脱式