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ヤマハ、オフィスの会話内容をカモフラージュする音声システム。仕事に集中
2019年3月19日 18:14
ヤマハは、聞かれたくない会話などを独自技術でカモフラージュする“スピーチプライバシーシステム”の新モデル「VSP-2」を6月に発売する。コントロールユニット(アンプ)1台とスピーカー2台入りで、価格は178,000円。追加用スピーカー2台のみの「VSP-SP2」は28,000円。スピーカーのカラーはホワイト(W)とブラック(B)を用意する。取り付け費用は別。
書面や電子データの個人情報保護だけでなく、会話の中に含まれる個人情報(スピーチプライバシー)についても配慮を求めるニーズを受けて2011年に発売した初代モデル「VSP-1」に続く製品。
初代モデルは主に薬局や病院などの小規模エリアやパーソナルスペースに向けたものだが、新モデルはオフィスなどでの利用を想定。オフィスのオープン化やWeb会議の普及により、会話の内容を誰かに聞かれたくない場合の漏洩対策のほか、周囲から聞こえる声で仕事への集中力を妨げられたくない時の侵害対策になるという。
同システムに搭載されている「情報マスキング技術」は、人の会話音声から合成したヤマハ独自の「情報マスキング音」に、川のせせらぎなどの「環境音」や楽器音などの「演出音」を組み合わせ、高いマスキング効果と心地よい音空間を提供するというもの。
「環境音」と「演出音」は、それぞれ4種類の中からシーンに合わせて自由に選択と組み合わせ可能。新たに情報マスキング音の比率調整機能が加わり、遮音性能不足の会議室やオープンな打合せスペースなど、設置環境に合わせた最適なマスキング音を実現するという。
漏洩対策や侵害対策だけでなく、組織横断的なコミュニケーションなどの「チームコラボレーション」の促進を図れる点も特徴。静か過ぎて人と話しづらい環境に、マスキング音を流すことで会話しやすくなり、コミュニケーションを円滑にできるという。情報マスキング音を調整することで、森の音や川のせせらぎといった自然の中にいるような雰囲気でリラックスした会話を楽しんだり、人の声を中心としたカフェのような喧騒感の中で気兼ねなく話せる環境を演出するとしている。
オフィス環境にも導入しやすいように、音源となるアンプと音を発するスピーカーを分離したセパレート型を採用。壁や天井へスピーカーを柔軟に設置可能とした。スピーカーの設置数は最大4台に対応。小規模エリアだけでなく約100m2のオープンスペースなど中規模エリアにも使用可能(天井3m、天井にスピーカーを4つ均等配置した場合のマスキングエリア10m×10mが目安)だという。
スピーカーは密閉型のフルレンジで、ユニットは3.8mm径。周波数特性は180Hz~20kHz、指向角度は水平170度/垂直170度。インピーダンスは8Ω。
外形寸法と重量は、コントロールユニットが214.6×288.4×55.1mm(幅×奥行き×高さ)、1.8kg。スピーカーが62×82×62mm(同)、0.17kg。