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リコー、THETAを使って空間を丸ごと共有するシステム。録画・VR対応も

リコーは23日、テレビ会議・Web会議システム「RICOH Unified Communication System(以下UCS)」と、360度の静止画・動画を撮影できる全天球カメラ「RICOH THETA」を組み合わせて、さまざまな現場の空間を共有できる業務用の多拠点双方向コミュニケーションシステム「RICOH UCS 360 VR Live」を提供開始した。

対応するTHETAをUCS専用機器やスマートフォン、パソコンと接続し、リアルタイムに360度映像の配信・共有ができる。受信側の視聴者はそれぞれ、手元のデバイスで自由に視点を操作し、拡大・縮小視聴が可能。配信元の作業者にカメラ操作の負担をかけることなく、受信する側が関心のある部分に集中してリアルタイムに状況が把握できる。

RICOH UCS 360 VR Live コンセプト映像

想定する利用シーンはオフィスのほか、店舗、工場、教室、病院、建設現場、事故・災害現場などで「状況を迅速かつ正確に共有し、円滑に意思疎通ができるため、さまざまな業務を遠隔地から支援できる」としている。VRモードにも対応し、ゴーグルを併用した360度映像の視聴も可能。また360度映像の録画にも対応する。

映像配信に対応したモデルはTHETA V/Z1の2機種で、UCSアプリはWindows/Android/iPad/iPhone版を用意する。アプリのダウンロードは無料だが、別途サービスの利用料が必要。月額は3,000円からで、年間パックは39,000円(1年/新規/登録手数料込)。登録手数料は3,000円。なお30日間の無料トライアルも用意する。

リコーでは、サービスの開始に向け、'17年2月から社内外のモニターと連携して製品化に向けた実証実験や検討を実施。結果、UCSで培った動画・音声などのメディア帯域制御技術により、通常のカメラ映像よりもデータ量の大きい360度映像を高品質に伝送することと、会話などの双方向コミュニケーションが円滑に行なえる低遅延を両立。4Gなどのモバイルネットワーク環境においても安定した接続を実現しているという。

将来的には、5Gの普及に合わせ、高解像度化や、より詳細な付加情報を加えるAR(拡張現実)などの機能強化も検討していくとしている。