ニュース

ハリウッドの光と闇を描くディカプリオ×ブラピ最新作。LAプレミアで心境語る

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演した、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。全米公開に先駆けて現地時間22日に開催されたLAプレミアのイベントレポートが到着した。日本公開は8月30日。配給はソニー・ピクチャーズ。

写真左から、ブラッド・ピット、クエンティン・タランティーノ、レオナルド・ディカプリオ

本作は、人気のピークを過ぎたTV俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、彼の親友でスタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の友情と絆を軸に、1969年のハリウッド黄金時代の光と闇を描いた今夏の話題作。

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告2 8月30日(金)公開

ハリウッドを象徴する名所「チャイニーズ・シアター」で行なわれたプレミアイベントにはクエンティン・タランティーノ監督を筆頭に、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーらキャスト陣が登場。

執筆に5年の歳月を費やした本作の出来についてタランティーノ監督は「すごく楽しめる映画だと思うよ。観客が僕の映画を好きでいてくれるとしたら、その理由の一つは、僕が観客のために映画を作るからだと思う。観客のリアクションを引き出すように作った大がかりなアクションに浸れる。僕の作品を観に来たら、ただ目の前を通り過ぎてゆく映像を見るようなことにはならない。双方向の映画体験ができる。僕にとってはそれが映画館での最高の夜の過ごし方だ」と自信をみせるとともに、自らが考える最高の映画体験を提供することを保証した。

写真左から、クエンティン・タランティーノ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、レオナルド・ディカプリオ

また、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという二大スターの初共演が実現したことについて「ラッキーだった。この時代で一番とは言わないまでも、この10年で最高のキャスティングだ。彼ら二人がそれぞれのキャラクターに乗り気になってくれていなかったら、うまく行っていなかった。よく聞かれるんだ。あの二人が念頭にあったのかってね。もちろんあったよ。でもこんなに幸運に恵まれるかどうかなんて、わかっていなかった」と、奇跡のキャスティングが叶った幸運を満面の笑みを浮かべながら喜んだ。

TV俳優リック・ダルトンを演じたディカプリオは「僕らが演じているのは、一枚のコインの表と裏のような男たちなんだ。(ピット演じる)ブースは僕のスタントダブルなんだけど、二人はすごくユニークな関係を築いていて、そのおかげで二人ともなんとか生き抜いてきた。そうしたたくさんの異なるピースが、クエンティン・タランティーノの素晴らしい頭脳によって一つにまとめられているんだ。」と、リックを支える付き人で、スタントマンかつ親友でもあるクリフ・ブースの特別な関係性を語った。

一方、ブースを演じたピットは「(ディカプリオとは)フィットしたんだ。大抵そういうものなんだよ。ぴったりはまったように感じた。そして二人とも納得できたから走り始めた。それ以降ずっと最高(の関係)だったよ」と、ディカプリオとの初共演についてコメント。

加えてタランティーノ監督については「クエンティンはリアリティを持たせるのがうまいんだ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』というタイトルになっているように、彼の作品にはおとぎ話のような側面があるにも関わらずね」(ディカプリオ)、「会話は、タランティーノの会話に限るね」(ピット)と、タランティーノ映画が持つ独自のリアリズムや、特徴的な会話劇について言及し、監督の手腕を称えた。

またタランティーノ監督は、重要な鍵を握るシャロン・テート演じるマーゴット・ロビーについて「マーゴットがイエスと言ってくれなかったら、あるいはマーゴットのお母さんがマーゴットのお父さんに出会っていなかったら、一体どうしていたのか見当もつかないよ。彼女はパーフェクトだったから、彼女以外の人があの役を演じることなんて想像もできない」と絶賛。

そのロビーは「これだけのアンサンブルが一つの映画のために揃ったのは見たことがないわ。クエンティンのような監督だからこそ実現することよ。本読みのときのことは忘れないわ。周りを見回すと、アル・パチーノ、ダコタ・ファニング、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオ、数えたらきりがないくらい。素晴らしい人たちばかり。確かにとんでもなくすごいキャストだったわ。(撮影は)ワイルドで楽しくてクールな経験だった。ええ、本当に楽しい経験だったわ」とタランティーノ監督だからこそ実現した超豪華キャスティングの一員として参加した撮影を興奮を隠せない様子で振り返った。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のあらすじ

ディカプリオ演じるリック・ダルトン(ディカプリオ)は人気のピークを過ぎたTV俳優。映画スター転身を目指し焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ピット)はスタントマンかつ親友でもある。目まぐるしく変化するハリウッドで生き抜くことに精神をすり減らしているリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。パーフェクトな友情で結ばれた二人だったが、時代は大きな転換期を迎えようとしていた。

そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進の女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が越してくる。今まさに最高の輝きを放つ二人。この明暗こそハリウッド。リックは再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが……。

そして、1969年8月9日―それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。