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放送の「新たなCAS」検討に、TV局ら賛同。個人から“NHKスクランブル化”意見も
2019年9月18日 15:23
総務省は、放送コンテンツの権利保護やその費用負担などについて議論する「新たなCAS機能に関する検討分科会」による「一次とりまとめ」に対する意見募集の結果を発表。放送局などからは、今後も議論を続けることに賛同する意見が提出された一方、個人からは“NHKのスクランブル化”などを求める意見があった。
既報の通り、総務省では新たなCAS機能の今後の在り方に関する検討を促すため「放送を巡る諸課題に関する検討会(座長:多賀谷一照 千葉大学名誉教授)」の下で、「新たなCAS機能に関する検討分科会」を開催している。分科会長は中村伊知哉 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。
なお、「新たなCAS」とは現在の地デジなどに使われている「B-CAS」や、新4K8K衛星放送の視聴に用いられる「新CAS(ACAS)」とは異なるもので、将来のCAS方式を指す。同分科会において、CAS関連事業者、放送事業者、受信機メーカー、消費者などの関係者から意見を聴取し、一次取りまとめ案を策定。「故障時などにおける消費者負担の低減」、「コンテンツ権利保護機能と視聴者制御機能の分離」、「新たなCAS機能の在り方」、「その他(CAS機能の費用分担)」の4項目について議論された内容が記されている。
これに対し、7月3日~8月1日の期間に意見募集を行なったところ、衛星放送協会や日本民間放送連盟(民放連)、スカパーJSAT、テレビ局など8つの法人・団体と、54の個人から意見が提出された。
日本テレビやテレビ朝日、テレビ岩手、日本ケーブルテレビ連盟、民放連は、今回の一次とりまとめに対し、妥当として賛同する内容のコメントを提出。今後も検討を重ねることなどを求めている。
また、NHKは「現在と同様にコンテンツ権利保護と視聴制御の機能が一体化したテレビ受信機が広く普及すること」を要望として挙げている。
一方、個人の意見としては「NHKのスクランブル化」を求める意見や、新たなCAS方式を導入することへの疑問の声などが挙がった。各意見の詳細と、それに対する分科会の考え方については、総務省の報道資料で掲載されている。