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ソニー、動体歪みの無い高速撮像「Pregius S」搭載の積層型CMOSセンサー

ソニーは3日、裏面照射構造のグローバルシャッター機能を搭載した産業用途向け積層型CMOSイメージセンサーを商品化。サイズ・画素数・フレームレートの異なる6タイプをラインナップし、10月より順次出荷を開始する。サンプル価格は99,000円~210,000円。

CMOSイメージセンサー「IMX530」(左が白黒品、右がカラー品)

【積層型CMOSイメージセンサー】
<高速タイプ>
1.2型(対角19.3mm)/約2455万画素 「IMX530」 10月 210,000円
1.1型(対角17.5mm)/約2035万画素 「IMX531」 11月 182,000円
1.1型(対角16.8mm)/約1619万画素 「IMX532」 11月 142,000円

<標準タイプ>
1.2型(対角19.3mm)/約2455万画素 「IMX540」 10月 150,000円
1.1型(対角17.5mm)/約2035万画素 「IMX541」 11月 126,000円
1.1型(対角16.8mm)/約1619万画素 「IMX542」 11月 99,000円

今年3月に技術開発を発表を行なった、イメージセンサー技術“Pregius S(プレジウス エス)”を採用した製品。工場や物流において自動測定・検査を行なう高性能なマシンビジョンカメラなど、産業用カメラへの搭載を見込む。

動体歪みの無い撮像を可能にするグローバルシャッター機能を実現しつつ、裏面照射型の独自の画素構造を採用。感度や飽和信号量といった画素特性を維持しながら、画素面積を従来比約63%の2.74μm角に微細化することで、同一光学系でありながら多画素化を実現した。併せてパッケージサイズ(面積)も従来比約91%に小型化することで、より高い解像度で検査精度を向上させる小型Cマウントレンズ対応マシンビジョンカメラの実現を可能とした。

高精細化により撮像範囲が拡大し撮像回数を削減

撮像データの読み出しの高速化を実現。裏面照射型画素構造が持つ配線レイアウトの高い自由度と、独自開発の高速インターフェース規格SLVS-EC(Scalable Low Voltage Signaling with Embedded Clock)を採用。読み出しフレームレートを従来比約2.4倍に高速化した。測定や検査工程の時間短縮など、生産性向上に貢献できるという。

撮像面積は約1.7倍(1237万画素→2035万画素)、撮像枚数は約1.4倍(3枚→約4枚)となり、約2.4倍の高速性(出力データレート)を実現した

積層構造を活用することで、様々な信号処理回路の搭載が可能となり、撮像データから必要な情報のみを抽出するデータ最適化機能(ROI、セルフトリガなど)に加え、新たにデュアルA/Dコンバーターを活用した動体歪みの無いHDR内部合成処理や、短時間間隔露光制御を搭載する。