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FitEar、静電型とダイナミックの新カスタムイヤフォン「FitEar DC」。24万円台

須山歯研は、FitEarブランドの新しいカスタムイヤーモニター「FitEar DC」を発表した。静電型とダイナミック型、2種類のドライバーで構成されるハイブリッドタイプで、11月2日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は税込みで24万円台。発売に先駆け、11月2日に東京・中野の「秋のヘッドフォン祭2019」内15階フォレストルームにて、11時30分から製品説明イベントを開催する。

新しいカスタムイヤーモニター「FitEar DC」

高域用に、完全密閉空間での動作を実現した静電型ツイーターユニットを採用。「静電型ならではの優れたリニアリティとピークレスな特性により、音抜けがよくスムースで透明感の高い表現が可能」という。ユニットに昇圧トランスを組み込んでおり、静電型ながら外部ドライバーユニット不要でドライブできる。

組み合わせるフルレンジのダイナミック型ドライバーは、静電型ツイーター同様のリニアリティを実現するため、「インライン・デュアルダイナミック・ドライバー」を導入。フォスター電機製9mmダイナミックドライバーを2基直列に配置したもので、前面のドライバーの動きを背面のドライバーがサポートすることで追従性を高め、「限られた密閉空間の中でも優れたリニアリティとタイトで抜けの良い音空間を作りだす」という。

3Dプリンターで作られる「ショートレッグシェル」は、耳穴内の空気容積を広げることで気圧変化を最小限に抑える独自のデザイン。気圧を外に逃がす「ベント」の設定が不要で、「カスタムならではの高い気密性を維持したままダイナミック型ドライバーの利用を可能とした」という。シェル尖端が短く着脱がしやすいのも特徴としている。ケーブルは「FitEar cable 013」で、入力は3.5mmステレオミニプラグ。

FitEarではハイブリッドモデルの開発において、「ユニットの長所を生かし、短所を補う」という考えのもと、フルレンジ+補助ツイーターという構成を追求している。

2015年発表のFitEar初のハイブリッドモデル「FitEar Air」ではダイナミック型ドライバーの追従性やレンジの広さを長所として活かし、バランスドアーマチュア(BA)型ユニットはダイナミック型では出にくい帯域を補うようセッティング。完全密閉された耳穴空間でダイナミック型を動作させる「ショートレッグシェル」も採用した。

2016年発表「FitEar TITAN」と「FitEar Air2」では、Airのセッティングをベースに、ダイナミック型を2基直列に配置した「インラインデュアルダイナミックドライバー」を採用。密閉空間におけるユニットの制動を改善すると共に追従性を向上、さらにタイトで抜けの良いサウンド空間を追求した。

2018年発表の「FitEar EST」では、静電型ツイーターユニットを採用。高域ピークがないためアコースティックフィルターが不要となった。フルレンジには小型のバランスドアーマチュア型ドライバーを採用し、静電型に対する追従性を確保した。

新製品の「FitEar DC」では、ESTで採用した静電型ツイーターユニットが持つリニアリティを最大限に活かすため、フルレンジに「インラインデュアルダイナミックドライバー」を選択。「ワイドレンジとピークレスな高域再生、優れたリニアリティを求めた結果、FitEar製品としては初めてBA型を使わないモデルとなった」という。製品名は、「BAを使ってない」という意味で「DC」だという。