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キヤノン初の8K放送用ズームレンズ。広角15.5~望遠790mmの51倍
2019年11月7日 15:16
キヤノンは、光学技術を結集して開発したという、同社初の8K放送用ズームレンズを発表した。1.25型センサー搭載の8K放送用カメラで使用でき、フィールドズームレンズ「UHD-DIGISUPER 51」と、 ポータブルズームレンズ「7×10.7 KAS S」をラインナップ。12月上旬より順次発売する。価格はオープンプライス。
国際スポーツイベントの中継やドキュメンタリー制作などで、8K放送機材の導入が始まっている。キヤノンは、8Kの超高解像を実現する放送用ズームレンズを新たにラインアップに加える事で、「映像の高画質化ニーズに応える」としている。
新製品「UHD-DIGISUPER 51」は、 画面の中心部から周辺部に至るまで8K放送用カメラに対応する優れた光学性能を達成。1.25型センサー搭載の8K放送用カメラ対応フィールドズームレンズとして、広角端15.5mmから望遠端790mmの世界最長焦点距離により、世界最高の51倍ズームを実現。高倍率を実現しながら、従来の2/3型HDTVや4K放送用フィールドズームレンズと同等の操作性を確保。「撮影スタイルを変えることなく、8K映像の撮影・制作へ移行できる」という。
「7×10.7 KAS S」は、焦点距離10.7~75mmをカバーする、7倍ズームの世界初8K放送用ポータブルズームレンズ。画面中心から周辺部の隅々まで、8K放送用カメラに対応する解像力とコントラストを持ちながら、従来の2/3型4K放送用ポータブルズームレンズと同等の操作性を実現。肩担ぎ撮影や機材運搬の際など、放送用機材に求められる機動性を確保し、ドキュメンタリーや各種イベント撮影などの映像制作、 報道などで使用できるという。
11月13日~15日までの3日間、千葉の幕張メッセで開催される放送・映像制作機器の展示会「2019年国際放送機器展(Inter BEE 2019)」のキヤノンブースに出展する。
キヤノンブースでは他にも、キヤノンが開発を進めている8K/HDR対応カメラ、レンズ、 ディスプレイのタッチ&トライができるほか、4Kプロジェクターを4台活用した8Kシアターでは、8K映像の体感も可能。
映像制作機器CINEMA EOS SYSTEMをはじめとする、4K/HDR対応の高画質・高性能な幅広い製品群も紹介。5.9Kフルサイズセンサーと新開発の映像処理プラットフォームを搭載したデジタルシネマカメラの新製品「EOS C500 Mark II」、 PLマウントのシネマカメラ用単焦点レンズシリーズ「Sumire Prime」、最大・全白輝度2,000cd/m2と高コントラスト200万:1を実現した業務用31型4K/HDRディスプレイ「DP-V3120」も体験できる。
実用化段階に進展した自由視点映像生成システムによる、ラグビーの試合のハイライトシーンも上映。実際のカメラ位置にとらわれない自由な位置や角度からの映像により、 まるでグラウンドの中にいるような体験が得られるという。