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「アレクサ」などが小声でも通じるADコンバータ。バーブラウン再び強化
2019年11月18日 15:34
日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は18日、従来製品と比べて4倍離れた場所からでもクリアな音声がをキャプチャできるBurr-Brown(BB)ブランドのADコンバータ「TLV320ADC5140」を発表した。主にAlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントを備えるスマートスピーカーやサウンドバー、テレビなどへの採用を見込んでおり、1,000個受注時の単価は2.99ドル。
BBブランドを冠したADコンバータの最上位チップ。「このレベルの性能においては業界最小(4mm×4mm)となるクワッドチャンネル対応のオーディオADC」を謳う。
最大の特徴は、優れた音声キャプチャ性能。
同社オーディオ製品マーケティング・エンジニアのアビ・ムッピリ氏は「これまでは、限られたマイクの数と信号処理能力の制限から、騒音の大きい環境の中で音声コマンドをキャプチャ・認識することが難しかったが、同チップを用いることで騒音の大きい環境化でも遠くから、そして小声でも音声のキャプチャが可能になる。ユーザーは、大声で何度も音声コマンドを言わなくて済む」と同チップのメリットを話す。
120dBダイナミック・レンジ・エンハンサ(DRE)技術を内蔵することで、小音量のオーディオ信号を増幅しながら、スピーカー出力のすぐ近くでも歪みの少ない録音を維持。ADコンバータとして初めて、ダイナミック・レンジが106dBを超える高性能マイクもサポートした。
「ユーザーが発した音声コマンドを増幅しつつ、不必要な外部の騒音やSPから発するサウンドをアルゴリズムのフィルタで除去することで、高性能なキャプチャが可能になった。130dBのスピーカー音量下で話しても、歪みの少ない録音ができる。キャプチャはマイクの性能に左右されることにはなるが、最も高音質なマイクを組み合わせた場合、従来の4倍・10m以上遠く離れた場所からでも音声をクリアにキャプチャできる」(同)と説明。
さらに聞き取れる音量については「マイクや設置環境にも左右されるが、40dB程度の騒音がある室内環境の場合、15dB程度の小声をキャプチャできる性能があることを確認済み」という。
最大で4チャンネルのアナログマイク、もしくは8チャンネルのデジタルマイクに対応。アナログ・デジタルマイクの混在も可能で「例えば、待機中はデジタルマイク、起動後はアナログマイクに遷移させるなどすれば、性能と消費電力の点で互いの強みを活かせる。コンバータの認識性能向上により、搭載マイク数を減らすことができ、コスト削減にも貢献できるはず」という。
マイクアレイの不整合を均等化するゲインと位相キャリブレーションのほか、プログラム可能なゲイン・アンプ、ハイパス・フィルタ、チャネル・ミキシング、リニア・フェーズ、超低レイテンシのデシメーション・フィルタなどの機能を用意。チャネルあたり9.5mW(48kHz時)の省エネルギー性能も強みとする。