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「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」舞台挨拶。のん「一生忘れない」

アニメ映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が現在劇場公開中。公開を記念し、21日に舞台挨拶を行なった。登壇は声優陣から、のん、細谷佳正、尾身美詞、潘めぐみ、岩井七世、新谷真弓、牛山茂と、片淵須直監督。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に
(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

国内外で70以上の賞を受賞したアニメ映画「この世界の片隅に」に、250カットを超える新たなエピソードを追加した新作。第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向き、日々の暮らしを紡いでいく女性・すず(声:のん)の姿を描く。

すず役・のんは公開を迎えたことについて「嬉しい。まさか完成まで3年の月日が経つとは思わなかったけれど…。前作に新しいシーンが付け足されて新作として送り出すというのは、ほかにはない経験。喜びに満ちています。一生忘れないと思います」と新作に対する思い入れを明かした。

周作役・細谷は完成した本編を前日に観て号泣したという。「前回よりも周作さんが男性なんだと非常に意識される内容でした。今回は新婚夫婦の男女のリアリティがあって、加減を考えつつ周作さんが男性だという部分を意識しました」と自身の役への思いも語った。

桜の木の上のシーンはのんと白木リン役・岩井の2人で収録が行なわれたとのことで、のんは「緊張しました! レコーディングのやりとりが密にできた感じがありました」と照れつつも手応えがあった様子。岩井は「すずさんとリンさんが笑い合ってお辞儀をするところが好きです。その時の『ふふふ』は台本にはなくて、画に合わせて付けました」と収録を振り返った。


(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

黒村径子役・尾身は「皆さんの応援のお陰でこのように声の家族たちと揃って再びお会いできる機会に恵まれました。私たち自身もみんなでともに時を進めている感があって幸せです」と感謝のコメント。浦野すみ役・潘は「前回の作品の上映自体が毎日のようにどこかの劇場で続けられて、人の思いは偉大だと思います。その絆はこの作品に通じるものがあります」と語った。

北條サン役・新谷は方言指導も担当。「3年前の作品と今回の作品の橋渡しのような役割を務めることができました。収録では皆さんの素敵な広島弁を聞くことができて、お得な立場でした」と喜びの表情。また、北條円太郎役・牛山は「方言指導をしていただき助かりました」と新谷に最敬礼する場面も。

片渕監督は「前回から3年は長くて、皆さんが違っていたらどうしようとの不安があったけれど、マイクの前に立ったらみんな前のままでした。みなさんがずっとずっとあの場所に居続けてくれて、どこを新しくしたのかわからないくらい作品の中に生きていたように演じていただきました」と再集結に手応えを感じていた。

また水原哲役・小野大輔による手紙も読まれた。「誰の心にも響く作品と実感。緻密に深く、さらに面白く、本作は間違いなくずっと心に残り、語り継がれる名作。観てくれた人がまた折に触れて、僕らのことを『笑うて思い出してくれ』たら、それがなにより幸せです」という文面に、のんは「すごくレア! 小野さんのお気持ちを聞けるのは貴重。素敵な生の劇場の初日の感想を伺えて凄くありがたいです」と喜色満面だった。

最後にのんは「新しいシーンが付け足されて、また違う味わいの映画になりました。良いなと思ってくださったら、周りのご家族やご友人におススメして、応援してほしいです」と前作同様の息の長いヒットを祈願した。

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』予告編