ニュース

スポーツの音声実況を低コスト&シンプルに実現。アイ・オー「PlatCast」

アイ・オー・データ機器は、スポーツやイベントなどの会場で実況音声を配信できるクラウド型配信サービス「PlatCast」を正式運用すると発表。低コストで音声実況を配信したいという用途を想定し、小規模な配信機材キットをレンタルで提供する。レンタル料金は、通信費などを含め1chあたり3万円/日~。現在試験運用しているものから大幅に遅延を改善した次期バージョンとして2020年春にサービス化予定で、その実証実験を2月より開始した後、正式に運用する。

PlatCastの配信キット例

「PlatCast」は、インターネット回線を利用した音声特化の配信サービス。配信側は音声データをアイ・オー・データの運営するクラウドサーバーへ送信、聴取側はスマートフォンの標準ブラウザからサーバーにアクセスすることで、音声データを聴くことができる。アプリのダウンロードは不要で、1時間の聴取でもパケットが約0.04GBという少ないデータに抑えられるのも特徴。

1つのケースに配信機材を収められる

スポーツの試合会場などで実況音声を外部へライブ配信したり、場内アナウンスとは別に副音声のような実況を行なうなど、様々な利用を想定。普段はテレビやラジオ中継が入らないスポーツなどでも、多くの人に向けて中継できるという。

PlatCastの概要

レンタルの配信キットには、小型マイクミキサーと、SIM入りの配信用タブレット、ヘッドセットを同梱。2名まで同時に実況/解説でき、届いたキットを接続/起動させれば利用できるという。利用料金の1chあたり3万円/日~には輸送費や配信通信費も含まれている。

使用するミキサーなど個別の機材は他社のもの。ケースはアイ・オー製

なお、4chミキサーなどを含めた4人実況キットや、聴取者画面のカスタマイズ、配信後のアーカイブデータ提供、Webアンケートページ制作などもオプションで用意する。受信側は、配布されたQRコードをスマホで読み込み、インターネットブラウザで視聴可能。

4人実況キットに含まれる4chミキサーなど
料金やオプション例

これまで、「世界柔道2019」や、サッカーJリーグ、バレーボールVリーグ、バスケットボールBリーグ、ラグビートップリーグなどで実証実験を行なっており、トップリーグではレフリーのインカム音声をライブ配信するという初めての試みも実施した。

主な実証例

DJやまだひさしも納得の低遅延

製品発表会にはゲストとしてラジオDJのやまだひさしさんと、NowDoのCOOを務める鈴木良介氏が登壇。実際にPlatCastを使ってイベント中継などを行なった2人が、活用事例や今後の可能性などについて語った。

DJやまだひさしさん

「ラジアンリミテッドF」などで知られるやまだひさしさんは、アイ・オー・データ機器の“特命大使”を務めており、PlatCastに関しても開発段階から意見を出して製品化に協力。スポーツ中継などのイベントで実況を担当してきたという。

新しいバージョンのPlatCastを会場でデモすると、以前試した時よりも大幅に遅延を改善したとのことで、やまださんは「サーバーを通しているとは思えない。確実にラジコを抜いている」と驚いた様子だった。

会場で実況デモを実施。アイ・オーのマスコット・いおたろがこのために金沢から駆け付けた

NowDoの鈴木氏は、サッカーの本田圭佑氏と共に世界7カ国でサッカースクールを運営、5チームのプロクラブを経営するなど、スポーツを活用した事業をグローバルで展開。これまで、プロフットサルリーグでPlatCastの実証を行ない、会場でルール解説や監督の生の声などを来場者に届けることができたという。

鈴木氏は「スポーツの生観戦に新たな価値を提供できる」とし、メジャースポーツ以外でもファン拡大が図れることなどを説明。また、「東京オリンピック後にもスポーツの盛り上がりを持続させるためにも、PlatCastが活躍できる場があるのでは」とした。

NowDoの鈴木良介COO
フットサルの会場で実証