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ケンウッドのアマチュア無線機、国際宇宙ステーションに搭載へ

JVCケンウッドは13日、ケンウッドブランドのアマチュア無線機「TM-D710GA」が国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されることが決定したと発表した。

アマチュア無線機「TM-D710GA」が搭載される国際宇宙ステーション

「TM-D710GA」は、ISSでの使用を想定した特別仕様モデルで、3月7日にSpaceXのCRS-20(Falcon9ロケット)で打ち上げられており、ISSの欧州実験棟「Columbus(コロンバス)」に搭載される予定。宇宙飛行士と地球の子どもたちとの交信や、宇宙飛行士の余暇運用、非常時の通信手段として活用される。

アマチュア無線機「TM-D710GA」

同社はこれまで、警察・消防・救急などで使用される業務用無線からアマチュア無線まで、高品質かつ高信頼性を実現した無線システムをグローバルに供給。その実績が評価され、旧ソビエト連邦が打ち上げた「MIR(ミール)」に搭載されたほか、1996年には「TM-733E/A」が、1998年には「TM-V7A」が採用。それぞれパケット通信サービスや静止画像送信といった目的を果たした。

また、宇宙でのアマチュア無線機の運用を通して科学/宇宙教育の振興を図るために設立されたARISS(Amateur Radio on the International Space Station)からの要望を受け、2003年にアマチュア無線機「TM-D700E」がISSに搭載されて以来、ISSへの搭載に向けたARISSからの仕様変更要望に対応した特別仕様モデルも提供してきた。

今回ISSに搭載される「TM-D710GA」は、ARISSから次世代無線機として指名されたもので、重力がほとんど無い状況での運用を想定した放熱性能や操作機能の向上・追加・変更を実施するなど、ISSでの使用を想定した特別仕様。

ISSの欧州実験棟Columbusに搭載され、世界中の子どもたちが宇宙との交信を体験するARISSのプログラム「スクールコンタクト」で活用されるとともに、静止画像を送信するSSTVやパケット通信、音声レピーターなどさまざまなシーンで運用。さらに、地球とISSの間の通信ネットワーク障害が生じた際にはバックアップの通信手段という重要な役割も担う予定。同機は、2020年末にISSのロシア・サービスモジュール「Zvezda(ズヴェズダ)」にも搭載される計画となっている。