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BSテレ東で「伊福部昭の世界」2週連続特集。舞踊曲「サロメ」ライブ映像も
2020年9月9日 12:30
BSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」が放送300回突破。それを記念し、9月12日、19日の2週連続で「伊福部昭の世界」を特集する。
作曲家の伊福部昭は「ゴジラ」シリーズの映画音楽や、数々の管弦楽曲、バレエ音楽など数多くの楽曲を手掛けたほか、教育者として芥川也寸志、黛敏郎、矢代秋雄、松村禎三、三木稔、石井眞木らを育てたことなど、幅広い業績で知られる。
番組では、和田薫や西耕一などをゲストに迎え、伊福部昭作曲の舞踊曲「サロメ」のライヴ演奏を中心に紹介。スリーシェルズのCD「藤岡幸夫、東京シティ・フィル/芥川也寸志、伊福部昭」の音源も使用され、伊福部昭の魅力が語られるという。
第1週目のゲスト・西耕一は、音楽プロデューサー・評論家として、日本の作曲家のコンサートやCDを企画、テレビ、ラジオへ出演している。今回は、西のプロデュースした「伊福部昭百年紀Vol.7」の演奏も紹介して、「銀嶺の果て」「ピアノと管絃楽のための協奏風交響曲」「怪獣大戦争マーチ」などが紹介される(藤岡幸夫指揮、オーケストラ・トリプティークの演奏より)。
第2週目のゲストの和田薫は、伊福部昭の音楽に感動して、伊福部昭に習うために東京音楽大学へ入学して学んだ作曲家。現在は、交響曲を作曲中で、コンサート用作品だけでなく、アニメ「犬夜叉」の音楽などで世界的な人気を誇っている。その和田薫が、伊福部昭からどのような指導を受けたか。大楽必易、作曲上の師弟の交流にも触れ、実際に、和田薫が指導を受けていた頃の作品である舞踊曲「サロメ」について、伊福部昭の魅力について迫る。
指揮者の藤岡幸夫が「日本の傑作を後世に残したい」との一念で楽譜を探し出し、取り上げた伊福部昭の舞踊曲「サロメ」。当初バレエ音楽として1948年に作曲され、100回以上のバレエ上演が行われた戦後バレエ界の記念碑的傑作だという。その後、音楽だけで成立するコンサート版(1987)として改訂作曲。伊福部昭が最高に円熟していた70代の壮麗なオーケストレーションで愛と死の交錯する狂乱の音楽が展開される。
現在ではバレエ付きの上演も見ることができなくなってしまった幻の作品とし、藤岡幸夫と東京シティ・フィルが入念な準備を経て作り上げた灼熱のサウンドを、実際のライブ映像付きで味わえるこの放送は音楽界だけでない注目を集めているとする。