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パイオニア、光ディスクプレーヤー技術活用した3Dレーダー

パイオニアのレーザー技術・車載ノウハウとキヤノンの光学技術を融合させた3D-LiDAR「1st Model」

パイオニアの連結子会社、パイオニアスマートセンシングイノベーションズは10日、パイオニアが長年培ってきた光ディスクプレーヤーなどのレーザー関連技術や、カーナビゲーションをはじめとする車載製品の開発・製造ノウハウ、キヤノンが保有する光学レンズ技術を融合させた3D-LiDAR「1st Model」近距離タイプ(Short Range)の量産を開始した。

ひとつのレーザーダイオードと受光素子で構成するMEMSミラー方式と同軸光学系方式を採用したソリッドステートタイプの3D-LiDAR。2019年12月の発表時は「2020 モデル」とされていたもの。同時に開発しているソフトウェアと組み合わせることで、「物体検知・認識・トラッキング」や「3次元データ生成・変化点抽出」ソリューションとして提供することが可能とのこと。

高速スキャニングで、高精細な点群データを取得でき、スキャニング範囲内の障害物を高い精度で検知できる。部品数を削減し、小型化を果たしているのも特徴。2021年1月に量産開始予定の中距離タイプ(Middle Range Type)と組み合わせることで、多様なニーズに対応できる。

MEMSミラーを用いたラスタースキャン方式を採用。スキャニング範囲を高速で隙間なく、高い解像度で検出し、高密度、高精細な点群データを取得できる。自動運転バスや中高速モビリティで使用した場合は、前方および死角にいる歩行者、自転車などを高い精度で検知。道路の固定設備やセキュリティモニタリング用のセンサーとして活用すると、プライバシーに配慮しつつ障害物や異物、侵入者などを高い精度で検出するという。

3D-LiDARで取得した点群データは、パイオニアが長年培ってきた光学技術・信号処理技術を用いた独自のソフトウェアと組み合わせて処理することで、反射強度の弱い物体の検知・認識に加え、雨天時や降雪時などでも高い精度での検知・認識ができるとのこと。

生産は、車載機器の国内開発・生産拠点であるパイオニア川越事業所に専用ラインを新設。生産から品質管理までを一貫して行なうという。国内生産拠点で、車載向けの厳しい品質要件をクリアすることで、高品質とともに安定した商品供給および商品サポートを実現する。

レーザー波長はClass 1準拠の905nmレーザー、画角は水平60度、垂直30度。検出距離は人物が40m、車両が70m。外形寸法は129.5×110.6×88.6 mm(幅×奥行き×高さ)。