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LiDARスキャナ搭載の新iPad Pro。プロ向けカメラ&マイク、トラックパッド操作

アップルは、iPad Proの新モデルを3月25日に発売する。価格は11型が84,800円から、12.9型が104,800円から。カラーはスペースグレイとシルバー。ストレージは128/256/512GBと1TBを用意。1TBモデルは11型が139,800円~、12.9型が159,800円~。それぞれにWi-FiモデルとWi-Fi + Cellularモデルを用意。オプションで、トラックパッドなどを備えた新しいMagic Keyboardも5月に発売する。

iPad Pro。右はKeyboard装着時

A12Z Bionicチップを搭載し、「ほとんどのWindows PCラップトップよりも高速で強力」という新iPadは、超広角カメラや、スタジオ品質のマイクに加え、最先端の深度検知機能を備えるLiDARスキャナーをAR(拡張現実)機能向けに追加したのが特徴。より多くのプロワークフローを開き、プロの写真およびビデオアプリをサポートするという。

AR向けにLiDARスキャナーを搭載

新iPad Proは4Kビデオ編集や3Dモデルの設計など高度なタスク向けに構築されており、新しいA12Z Bionicチップによりパフォーマンスがさらに向上。8コアGPUは、強化されたサーマルアーキテクチャと調整されたパフォーマンスコントローラーを備え、iPad史上最高のパフォーマンスを実現するという。

8コアCPUと次世代アプリを可能にする強力なニューラルエンジンとの組み合わせにより、薄く軽いデザインながら高いパフォーマンスを提供。最大10時間持続するバッテリーや、より高速なWi-Fi接続、60%高速なギガビットクラスのLTEなどをサポートする。

ディスプレイはIPS液晶で、11型と12.9型ともにエッジからエッジまで広がる「Liquid Retinaディスプレイ」を採用。解像度は11型が2,388×1,668ドット(264ppi)、12.9型が2,732×2,048ドット(264ppi)。P3(Display P3)の広色域をサポートする。ProMotionテクノロジーにより、最大120Hzのリフレッシュレートを自動的に調整して、スムーズなスクロールと応答性を実現するという。

静止画や4Kビデオ対応の12MP広角カメラと、2倍ズームアウトで超広角に対応する10MPカメラで構成するカメラシステムを搭載。様々な視点とマルチカメラの使用が可能となっている。

カメラ部

5つのスタジオ品質のマイクも搭載。4つのスピーカーを備え、臨場感のあるサウンドを提供するという。カメラとオーディオ、ディスプレイの組み合わせにより、映画製作者、ビデオ専門家、ポッドキャスターなどのコンテンツクリエーターの“モバイルスタジオ”になるとしている。

マイクなどオーディオ面も強化

AR向けにLiDARスキャナー搭載

新たに搭載したLiDARスキャナーは、最大5m離れた周囲の物体までの距離を測定し、屋内と屋外の両方で使用可能。光子レベルで機能し、ナノ秒の速度で動作。iPadOSの新しい深度フレームワークは、LiDARスキャナーで測定された深度ポイント、カメラとモーションセンサーの両方からのデータを組み合わせ、A12Z Bionicのコンピュータービジョンアルゴリズムと連携して、シーンをより詳細に理解。「iPad Proでまったく新しいレベルのAR体験が可能になる」という。

AR画面例

既存の全ARKitアプリは、インスタントAR配置、モーションキャプチャなどを自動的に取得。開発者は、新しいScene Geometry APIを備えたARKitの最新の更新プログラムを使用して、新しいLiDARスキャナーにより、これまで不可能だったシナリオを実現できるという。

LiDARスキャナーはMeasureアプリを改善し、人の身長を自動的かつ迅速に計算可能。垂直ガイドとエッジガイドが自動的に表示され、ユーザーがオブジェクトをより迅速かつ正確に測定できるという。Measureアプリには、詳細な測定のためのRuler Viewが付属。ユーザーはすべての測定のリストを保存して、将来の使用に備えてスクリーンショットを完成できる。

11型の外形寸法は247.6×178.5×5.9mm(縦×横×厚さ)で、重量は471g(Wi-Fiモデル)/473g(Wi-Fi + Cellular)。12.9型は280.6×214.9×5.9mm(同)で、641g(Wi-Fi)/643g(Wi-Fi + Cellular)。

iPadOS 13.4でトラックパッド対応。Magic Keyboardは5月発売

iPadOS 13.4も提供され、新たにiPadがトラックパッド操作をサポート。macOSからのコピーではなく、iPad向けに提供するとしており、ユーザーがトラックパッド上で指を動かすと、ポインターが変化してユーザーインターフェイス要素を強調表示。トラックパッド上のマルチタッチジェスチャにより、ユーザーが手を離さずにシステム全体をすばやく簡単にナビゲートするという。アプリのiWorkスイート(Pages、Numbers、Keynote)でもトラックパッドを活用できる。

別売のMagic Keyboardは5月に発売し、価格は11型iPad Pro用が31,800円、12.9型iPad Pro用が37,800円。スムーズな角度調整、バックライト付きキーボード、トラックパッドを備えたフローティングデザインが特徴。「iPadで最高のタイピングエクスペリエンスを提供する」という。

膝の上でも机の上でも同様に機能し、独自の片持ちヒンジにより、最大130度の視野角でスムーズな調整が可能。USB-Cパススルー充電にも対応。iPad Proに装着した状態でも、iPad ProのUSB-Cポートを外付けドライブやディスプレイなどのアクセサリーに使用できる。