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オンキヨー&パイオニア、新AVアンプの音場補正「Dirac Live」とは

「Dirac Live」PCアプリケーションを用いた測定のイメージ

オンキヨーホームエンターテイメントは、CESで発表したオンキヨー・パイオニアブランドのAVアンプの一部に搭載する音場補正機能「Dirac Live」について解説した。Dirac Live搭載モデルは、国内で'21年夏より発売する予定。

音は、映像以上に、視聴者に「臨場感」や「心理描写」など感じさせることができ、そのストーリーをより明確に、よりリアルに、より感動的に伝えることがオンキヨーの考える「音」の役割だという。

しかし、あらゆる劇場、コンサートホールで音響が変わるように、視聴環境によって、聴こえ方が変わってくる。部屋の大きさ、壁の材質、スピーカーの組み合わせや置き場所のほか、人数や視聴位置もそれぞれで変わることで聴こえ方が変わってしまうため、音場補正機能が重要になるという。現在、この音場補正機能の最先端の技術がDirac Researchが所有する「Dirac Live」としている。

AVレシーバーの音場補正機能 イメージ

Dirac Liveは、ホームシアターに代表される複数のスピーカー、複数のリスニングポイントに対し、マイクによる測定データから最適な補正結果を導き出し、多様な視聴環境において非常に広いエリアのスイートスポットを実現。1人で音楽に没頭する場合や、複数人で映画を楽しむ場合でも、変わりなく良好な視聴環境で楽しめるとする。

このような補正結果を導き出すためには、得られた測定データに対する膨大な演算処理が必要となり、民生機器単独で実現するのは難しい。Dirac Liveではこの演算処理をDirac Researchのクラウドで処理することで可能にしている。

この結果、音のステージング、明瞭さ、ディテールなどを損なうことなくリスニングエリア全体の音響特性を改善し、1人でも、複数人でも目の前でライブパフォーマンスが広げられているような、或いはあたかも自分が映画のシーンに居るような臨場感を再現し、最高の視聴体験を提供するとしている。

さらにオンキヨーでは、カスタムインテグレーション(CI)向けのビジネスを行なっているが、CIの現場では、AVレシーバーが実際の視聴環境とは離れたところに設置されることが多く、「マイクがAVレシーバーと有線接続である」ことが問題となるため、音場補正があまり使用できないという課題があった。

Dirac Liveでは、PCアプリケーションを用いて、モバイルPCとマイクを接続して視聴環境の測定音の録音を行ない、クラウドで演算処理した補正結果をネットワーク接続により、離れたところに設置されたAVレシーバーに送ることで音場補正が完了。CIにおける音場補正の問題を解消し、多くの人にDirac Liveの音場補正機能を体験してもらえるようになるとしている。

更にオプションとなるDirac社認証の高性能マイクを使用することで、より一層精度の高い音場補正の提供も可能となり、多くのCIにて使用できる。これらのことから、CIビジネスにおいてもDirac Liveでワンクラス上の価値を提供できると判断したとする。

またオンキヨーは、AccuEQやMCACCといったAVレシーバーにおける音場補正技術の実績を活かし、Dirac Liveの機能を一般のユーザーからCIの現場まで使いやすくなる改善を行ない、より簡単に音場補正設定ができるよう目指すとしている。