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ソニーのブラビア上で、無料の写真・映像展。18日から

ソニーは、2月18日15時より、Android TV機能搭載ブラビアにおいて、プロ写真家・映像クリエイターの作品をインターネットで視聴できるオンラインギャラリー「Creative Gallery on BRAVIA」を開設する。利用料は無料。

一般的な写真展と異なり、自宅でブラビアならではの大画面・高精細な表現で、時間を気にせず楽しめるとする。さらに、音声(BGM)を交えた写真や映像作品など、多種多様な表現が可能。「作家の趣向をこらした表現や、想いも含めて、ご自宅のリビングに感動をお届けします」としている。

Android TV搭載ブラビアをネットワークに接続し、リモコンの「ホーム」ボタンを押し、「My BRAVIA」内の左メニュー「写真を楽しむ」を選択すると閲覧できる。

第1回目は、第27回木村伊兵衛写真賞の受賞者でもある、写真家の川内倫子の作品を掲載。これまで発表してきた数々の写真作品に加え、本展開催のために新たに撮り下ろした映像作品も発表する。期間は2月18日15時から3月31日15時まで。

掲載予定作品

特設サイト「α Universe」では、オンラインギャラリーに先駆け、川内倫子のインタビュー記事も公開中。なお、東京・札幌・名古屋・大阪・福岡の全国5カ所にあるソニーストアにて店内のブラビアでも作品が観られる。

写真家 川内倫子
川内倫子 メッセージ

水の中は外界の音を通さず、静かな時間に身を預けて日常の瑣末なことから離れることができる。ただ黙々と身体を動かし続け、時々息継ぎをし、ターンを繰り返し、時間になったら水から出る。くぐもった音がクリアになり、身体は少し気怠く、重力のある現実世界に帰ってくる。

幼少からぜんそく持ちだった自分は、医者の勧めで7歳の頃から小学校を卒業するまでスイミングスクールへ通っていた。当初は好きで通っていたわけではなく、その時間が来ると憂鬱だった。慣れてくる頃には泳ぎ終わると、ほどよい疲れが心地よく感じるようになり、だんだん泳ぎが上達すると達成感も得られるようになった。いつのまにか泳ぐことが好きになっていた。

だから東京で暮らし始めてフリーランスになった頃、プールで泳ぐ習慣ができたのは自然ななりゆきだった。東京にひとり暮らしで、先も見えないフリーランスの生活はとても不安定で、プール通いは気持ちを落ち着けるにはちょうどよかったのだろう、といまになって思う。

写真を撮影する行為はそれと少し似ている。ある場所に行き、なにかを見つけて集中し、息を止めて、あるいはひそめて、シャッターを押す。極度の集中状態が切れると途端に周囲の音が戻ってくる。まるでプールからあがったときのように。

そんなことを繰り返して作品が出来るのだが、いつも出来上がった作品を見るといろいろな気づきがある。水中から手探りで掴んできたものが地上で太陽に照らされ、光を反射して初めてその姿を確認できるように。それらはいま自分がいる世界を確認し、つぎに進むべき指針となるのだ。