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日本初360 Reality Audio専用の「山麓丸スタジオ」

4月16日に配信リリースされる「Yoshida Tamotsu Classic / Composition I」

音楽制作会社のラダ・プロダクションは、ソニーの新しい音楽体験「360 Reality Audio」に特化した日本初の音楽スタジオ「山麓丸(サンロクマル)スタジオ」を6月上旬にローンチする。そのスタジオ顧問には大滝詠一の「A LONG VACATION」をはじめレコーディングエンジニアとして数々の名作を手がけた吉田保氏が就任する。

同スタジオは、ソニーホームエンタテインメント&サウンドとジェネレックジャパン、シンタックスジャパン、エムアイセブンジャパン、メディア・インテグレーションの技術協力を得て設立されたもの。

「360 Reality Audio」専用スタジオとしては国内初とのことで、360度立体音響空間での適切なスピーカーモニター環境を実現すると同時に、PC負荷の高い立体音響コンテンツの制作をスムーズに行なうため、分散処理に対応した機材ルーティングを構築したという。

今後は360 Reality Audioでの3D音響のサウンドデザイン、制作に本格対応したレコーディング・スタジオとともに、立体音響の音源ミックス、コンテンツ制作業務を開始する。

ワイヤレスイヤフォン市場の成熟や、5G通信環境の普及とともに、コロナ禍の昨今は立体音響コンテンツの世界に注目が集まっているとして、「360 Reality Audio対応音源のミックス、レコーディングをはじめ、体験型コンテンツ、立体音響によるライブ映像配信も視野に、音楽レーベル、 クリエイター、クライアントの皆様とのコラボレーションを積極的に実施します」としている。

360 Reality Audioを使った新録クラシック作品をリリース

スタジオ・ローンチを前に、昨秋からは360 Reality Audioでの新しい音楽体験を活かしたレコーディング、ミックス制作を研究開発するため、東京藝術大学音楽環境創造科の亀川徹教授との共同研究プロジェクトを実施。この一環として新レーベル「panorama note」を設立し、全編360 Reality Audioに特化した新録クラシック作品「Yoshida Tamotsu Classic / Composition I」を4月16日に配信リリースする。

同作は、モーツァルト「クラリネット五重奏曲」というクラシック・ファンにはお馴染みの楽曲を題材に、360 Reality Audioの特性を活かした、まるでホールで演奏者に囲まれているような臨場感のあるサウンドに仕上がっているとのこと。

レコーディングには亀川教授を筆頭に、演奏者として東京都交響楽団の首席クラリネット奏者でもある三界秀実(Cl.)のほか、佐原敦子(Vn.1)、加藤えりな(Vn.2)、吉田篤(Va.)、豊田庄吾(Vc.)が参加した。アートワークは現役藝大生で画家の友沢こたおによる描き下ろし。

スタジオ顧問に就任した吉田保氏

スタジオ顧問を務める吉田氏は「昨秋より、新録クラシック音楽プロジェクト『Yoshida Tamotsu Classic』で『360 Reality Audio』を念頭にしたレコーディング、ミックスを行ない、今回のスタジオ運営へのヒントを得ることができました。長年のミックス・エンジニアとしての知見をベースに、『山麓丸スタジオ』のスタジオ・エンジニア達と新しい音響体験を提供していきたいと思います」とコメントしている。