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Netflix、テレビ向けにAV1ストリーミングを開始

Netflixは米国時間10日、圧縮効率の高い動画形式「AV1」でのストリーミング配信をテレビ向けに開始したと発表した。これにより、AV1対応テレビ、またはPS4 Proを接続したテレビにおいては、動画再生中における品質低下の抑制やプレイ開始時の遅延削減などのメリットが期待できるという。

AV1は、Netflixが設立メンバーとして加わるAlliance for Open Media(AOMedia)によって開発されたロイヤリティフリーのビデオコーデックで、VP9エンコードよりも圧縮効率が20%高いとされる(VP9-libvpxとAV1-libaomの測定結果比較)。Netflixは'20年2月より、Androidモバイルアプリを対象に、AV1ストリーミングを開始している。

Netflixでは、今回のローンチにより、Netflixメンバーのストリーミング体験向上に寄与すると説明。

AV1は他のコーデックよりも効率的で、同じビットレートで品質が向上したビデオ配信により、視覚評価を示すVMAFスコアが10ポイント向上。またネットワーク負荷が少なく、ある一定のビデオ品質を長時間維持可能で、以前ほど低ビットレートのストリームに切り替える必要がないとし、一部テレビでは品質の顕著な低下が38%減少したという。

ビットレートが低下しているため、一部テレビでは目標とするバッファレベルに到達する時間を短縮でき、AV1ストリーミングでは、平均して再生遅延を2%減少することができたとする。

Netflixでは今後、外部パートナーと共に、AV1ストリーミング対応デバイスの拡充に努めるほか、将来的にはHDRを備えたAV1を用意する予定。「Netflixチームは、メンバーに可能な限り最高の画質を提供することに取り組んでいる」とコメントしている。