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「地球外少年少女」前編公開。磯監督「主人公の登矢は自分がモデル」
2022年1月31日 17:00
TVアニメ「電脳コイル」の磯光雄が15年ぶりに原作・脚本・監督を務めるオリジナルアニメ「地球外少年少女」。前編「地球外からの使者」が上映開始した28日に新宿ピカデリーにて実施された、初日舞台挨拶のレポートが到着した。
舞台挨拶には、本作を手掛けた磯光雄監督をはじめ、藤原夏海(相模登矢役)、和氣あず未(七瀬・Б・心葉役)、小野賢章(筑波大洋役)、赤﨑千夏(美笹美衣奈役)らメインキャスト陣が登壇。集まったファンの前でトークを行なった。
最初のトークコーナー「教えて磯監督」では、作品をより深く知るために、キャスト陣より磯監督に質問を行なうことに。まずは、赤﨑が「最初に誕生したキャラクターは? 当初の想定から全く違う性格や見た目になったキャラは?」と質問。
磯監督は、「最初に思いついたのは、やはり主人公の登矢です。少し暗い顔をした男の子で、キャラクターデザインの吉田健一くんや、周りからも“難しいキャラクター”だと言われ続けました。自分がモデルなので、“そんなに自分は難しいかな?”と思いました」と苦笑い。
そして、「想定から違ってきたキャラクターは、やはり美衣奈です」と赤﨑が演じる宇宙(そら)チューバーの美衣奈を挙げ、「うっすらとしたイメージはありましたが、キャラクターデザインの吉田くんに任せました。キャピキャピした性格で、オシャレな雰囲気になったところで、赤﨑さんが想定外の声を次々と与えてくれました。台本と違う台詞もあって……」と笑いながら答えると、赤﨑が「確かに自由にやらせていただいた記憶はありますが……」と戸惑いつつ答える場面もあり、「とても面白いキャラクターになっているので、ぜひご期待ください」と監督が魅力溢れるキャラクターの印象を語った。
続いて、「私の2045年」というトークテーマに移り、作品にあわせて、今から23年後の2045年に、監督とキャスト陣がどんな暮らしをしているか予測することに。
「トランスヒューマンになって月面でリテークをしている」と答えた監督は、「普通、監督は絵コンテをチェックしたら人に任せる方が多いのですが、私はかなりのカットを自分で撮影しています。直したいところを自分でやっているので大変なことになる。そんな苦労が詰まった作品です」と前置きした上で、「トランスヒューマンは、新しい用語ですが、昔でいうところの“サイボーグ”のようなもの。頭で思い浮かべただけで、リテークが瞬時に撮影できたらいいなと思いました。Twitterも頭で書くことができたら便利だなと考えたのですが、言えないことまでつぶやいてしまいそうなので……ほどほどがいいですね(笑)」と未来を予測。
ほかにも「宇宙のスポーツにハマる」(藤原)、「ちゃんとおじさん」(小野)といったユニークな回答が多く、小野は回答に対して、「23年後と考えると普通におじさんなんですよね。毎日ラーメンを食べるくらいラーメンが大好きなので、高血圧になっていそう(笑)」と現実味溢れる未来予測を語った。
和氣は2045年は「動かない」とズバリ回答。「椅子のようなものに座っているだけで、着替えも移動も全て自動になったら……と憧れてしまいます。怠惰ですね」と語ると一同も感心。
また赤﨑は、「VR空間でアフレコができるようになり、南の島に移住している」と回答。「声優にとってのテレワークのようなもの。アフレコは1つの空間に集まって皆で呼吸をあわせるものですが、VR空間で同じことができるならいいなと妄想しました」と語ると「夢が広がる」と声優陣からも賛同の声が。
コロナ禍で同時収録が難しかった本作のアフレコ現場を振り返り、藤原も、「こうして、この場で皆さんと集まることができてとても嬉しいですね」と感想を語り、赤﨑が「一緒に集まって収録したら、また違う表現になっていたかもしれません。でも、別々に録ったことで生まれた表現もあると思います」と思いを明かした。監督は、「そんな状況下なのに、とても自然で違和感のない表現ができている。」と本作の声優陣の演技を絶賛する場面もあった。
最後に登壇者ひとりひとりからメッセージが贈られ、イベントは幕を閉じた。磯監督は「映画館の大画面と音響で聴くと、迫力が全く違うので、ぜひ大画面でお楽しみください。ぎっしりと情報を詰め込んでいて、何度観ても面白いように作っています。大画面で観て、その後、配信などでも繰り返し観ていただきたいです」。
宇宙に好奇心はあったのですが、この作品に触れることでさらに好奇心が増した感じがします。宇宙について興味が沸くきっかけになれれば嬉しいです。磯監督の描く世界観がとても楽しいので、まずは前編を全力で楽しんでください。
映像を観た時に、宇宙の綺麗さに感動したので、皆様も楽しみに観ていただきたいです。ぜひ、考察してみたり、感想も聞かせていただけたらと思っています。
完成した映像を観て、ワクワクしたのと同時に、妙にリアルに感じました。近い未来にこういう世界があるのではないかと思わせてくれる作品です。大画面で感じていただけたらと思います。
色々なスタッフやキャストの想いがたくさん詰まった作品です。それを劇場でぜひ受け止めていただきたいです。お楽しみに!