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iPadOS 16、マルチタスク強化し外部ディスプレイ対応。macOS Venturaも

iPadOS 16

アップルは7日、開発者向けのイベント「WWDC(世界開発者会議)」の中で、今秋に提供するiPadOS 16とmacOS Venturaの概要を発表した。iPadOS 16はiPad(第5世代以降)、iPad mini(第5世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、すべてのiPad Proに無料で提供される。

iPadOS 16

マルチタスク機能がより進化。新機能の「ステージマネージャ」により、アプリケーションとウインドウが自動的に整理され、タスク間の切り替えをすばやく簡単にできるようになる。

iPadでは初めて、重なり合う異なるサイズのウインドウを単一のビューで作成したり、横からウインドウをドラッグ&ドロップしたり、Dockからアプリケーションを開いてアプリケーションのグループを作成する事も可能に。

ユーザーが作業中のアプリケーションのウインドウは中央に目立つように表示され、開いているほかのアプリケーションやウインドウは最新の順に左側に配置される。

「ステージマネージャ」の表示。ユーザーが作業中のアプリケーションのウインドウは中央に目立つように表示され、開いているほかのアプリケーションやウインドウは最新の順に左側に配置される

ステージマネージャは、M1チップを搭載したiPad ProとiPad Airで利用可能。最大6Kの解像度を備えた外部ディスプレイにも対応するため、iPad上に最大4つのアプリケーション、外部ディスプレイに4つのアプリケーションを表示しながら作業できる。

「テキスト認識表示」と「画像を調べる」機能もアップデート。「テキスト認識表示」では、デバイス上の知能を使ってシステム全体で画像中のテキストを認識。その対象にビデオが新たに加わり、一時停止中のビデオフレーム内でテキストを操作できるようになる。

「画像を調べる」では、タップするだけで画像から対象物を抜き出したり、背景を削除して対象物だけにすることが可能に。認識機能が拡張され、鳥、昆虫、彫像などが追加された。

メールアプリも進化。受信者の受信ボックスに届く前であれば、メッセージの送信を取り消したり、Eメールの送信予約も可能に。「あとでリマインダー」を使うと、メッセージを任意の日時に再表示することも可能。添付ファイルや受信者などメッセージの重要な内容を入れ忘れた場合は通知を受け取ることができる。

天気アプリケーションがiPadに登場。美しいディスプレイを最大限に活用するようデザインされた天気アプリで、美しいアニメーションを備えている。気象情報を見るだけでなく、マップで降水量、空気質、気温を確認することも可能。重大な気象警報が発令された場合に通知を受け取ることもできる。

iPad Pro向けの新機能「リファレンスモード」では、Liquid Retina XDRディスプレイを搭載した12.9インチiPad Proで、レビューや承認、カラーグレーディング、合成といった正確な色味と一貫した画質が重要なワークフローにおいて、複数のデバイス間で一貫した色の条件に合わせることができるようになる。

リファレンスモードは、複数のデバイス間で一貫したリファレンスワークフローを提供する

M1チップのパフォーマンスによって実現する拡大表示では、ディスプレイのピクセル密度を増やすことができ、ユーザーはアプリケーション内により多くのものを表示可能に。特にSplit Viewを使う時に役立つという。

仮想メモリスワップを使用すると、iPadのストレージを使用して、すべてのアプリケーションで利用可能なメモリを拡張できるようになり、負荷の高いアプリケーションに最大16ギガバイトのメモリを提供可能に。マルチタスキングを完全にシームレスなものにできるという。

macOS Ventura

macOS Ventura

「ステージマネージャ」機能により、アプリケーションとウインドウを自動的に整理。ユーザーが作業している現在のウインドウを中央に目立つように表示し、ほかの開いているウインドウは左側に表示。タスクをすばやく簡単に切り替えられるという。

複数のアプリケーションを必要とする特定のタスクやプロジェクトで作業する際には、ウインドウをグループ化することも可能。Mission ControlやSpacesなど、macOSのその他のウインドウ管理ツールと連係して機能し、ユーザーは1回クリックするだけで簡単に自分のデスクトップに移動できる。

「ステージマネージャ」機能のイメージ

iPhoneをMacのWebカメラとして使えるようになる。近くにiPhoneがある場合、iPhoneのスリープ解除や選択をしなくても、MacはiPhoneのカメラを自動的に認識。センターフレーム、ポートレートモード、背景を暗くしてユーザーの顔を美しく照らすスタジオ照明エフェクトなど、iPhoneのカメラ機能がMacで使用可能。iPhoneの超広角カメラを利用し、ユーザーの顔とデスクを上から見たところを同時に表示するデスクビューも実現。DIYビデオを作成したり、FaceTimeでスケッチを見せたりといった場面で使用できる。

iPhoneをMacのWebカメラとして使えるようになる

Safariもアップデートされ、他のユーザーと一緒にブラウズが可能に。共有タブグループを使うと、友達、家族、同僚がSafariで自分のお気に入りサイトを共有でき、ほかの人が今見ているタブを確認できる。

共有スタートページでブックマークのリストを作成したり、Safariからメッセージでの会話やFaceTime通話を開始することも可能。一緒に旅行の計画を立てたり研究プロジェクトに取り組んだりするのに便利だという。

メールも進化。より関連性が高く、正確で完全な検索結果を提示。ユーザーはクリックして検索に入るだけで、入力を始める前でも、最近のメール、連絡先、書類、写真など、探しているものをすばやく見つけられるという。メールの送信を予約したり、送信を押した後すぐにメールの送信を取り消すことも可能。

メッセージアプリでは、送信したメッセージの編集や取り消しに対応。メッセージを未開封にしたり、誤って削除したメッセージを復元する機能も追加される。

ゲームも進化。パワフルなAppleシリコンと組み合わせる事で、「すべての新しいMacで簡単にAAAのゲームを実行できる」という。公開予定のタイトルとして、EAの「GRID Legends」やカプコンの「バイオハザード ヴィレッジ」をラインナップ。今年後半にHello Gamesの「No Man’s Sky」がMacとiPadの両方に登場予定。