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CEATEC「METAVERSE EXPO」、JAXA監修ISSメタバース空間体験

幕張メッセにて、10月18日より「CEATEC 2022」が開催される。大日本印刷(DNP)や凸版印刷などのメタバース関連ブースが集まった「METAVERSE EXPO JAPAN 2022 in CEATEC」も展開されており、各社のXR技術や、実際のメタバース空間の体験エリアが設けられている。

JAXA監修の宇宙メタバース空間体験

BasculeとJAXAの共同ブース

BasculeとJAXAの共同ブースでは、ISS国際宇宙ステーションからのリアルタイムの映像を再現できるメタバース空間を展開。宇宙服を着たアバターでISSの周囲を見たり、そこから見える地球や宇宙の様子を楽しめる。体験はブースに居るJAXAのスタッフによるツアー形式で実施。リアルに再現された宇宙空間での動きや、地球の端から太陽が現われる様子などが観られる。

なお、このISS周辺のメタバース空間はMeta Quest向けにアプリを製作中とのこと。宇宙空間のリアルな体験のほか、バーチャルライブと組み合わせたVRならではの体験も用意している。

DNP

DNPのブースでは、カメラで撮影された人の映像を合成し、バーチャル空間に入り混んだような映像をリアルタイムで作り出す技術を展示。

ブースでは、背後にバーチャル空間が表示される大型ディスプレイと、カメラのあるエリアを設置。その撮影エリア内に立つと、別のディスプレイには、あたかも自身がバーチャル空間に入り混んだかのような映像が映し出される。グリーンバックなしで合成可能で、すでに撮影現場に取り入れられている技術だという。

床にもセンサーが設置されており、上に立っている人の位置情報を測定。ディスプレイとの距離感覚がリアルに反映され、バーチャル空間に居るキャラクターに近づいたり、並んだりすることもできる。

また、DNPはMetaとの合同出展スペースも用意。ここでは、フランス国立図書館の「マザラン・ギャラリー」をVR空間で再現しており、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着して、手すりに触れながら実際に移動、ポールに触れながら映像内の螺旋階段を登っていくことで徐々に天井画に近づいていく体験ができる。

体験イメージ

凸版印刷

凸版印刷のブースでは、顔の正面写真を撮影することで、頭部の形をAIが予測し、3Dアバターを生成するMetaCloneが体験できる。撮影後20秒ほどでアバターが生成されるほか、ブースではその後にQRコードが表示されて、自分のアバターの動画をダウンロードできる。

このサービス自体はビジネス向けのものとなっており、バーチャル空間における会議や展覧会などで、リアルなアバターを利用することができるようになる。

従来から展開している高精細な3D空間MiraVerse COREの映像が大型ディスプレイで表示されているほか、バーチャル上でオンラインショッピングが楽しめるアプリ「メタバ」の紹介も同ブースで行なわれている。

メタバース空間体験やバーチャルライブソリューション展示も

「バーチャルマーケット」を展開するHIKKYのブースでは、過去のバーチャルマーケットで展開されたメタバース空間をHMDを装着して体験できる。用意されている空間はニューヨークと大阪の2カ所で、当時出展されていた東京マルイの射撃場などといったバーチャルのブースもそのまま体験できる。Steam Deckも用意されており、そこからバーチャルマーケットの空間を楽しむこともできる。

また、ARグラスのNrealの展示も実施。そのほか、スマホ単体でメタバース空間を体験できるアプリ「VketCloud」の紹介も行なっている。

NTT QONOQのブースでは、バーチャルライブソリューション「Matrix Stream」によるライブの様子を視聴者側で楽しめる展示を披露。Matrix Streamは、バーチャルタレントによる3Dライブに今後導入されていくシステムで、観客も同じバーチャル空間に入って鑑賞できるメタバース向けの配信の他に、YouTubeなどの配信サービスにも同時に同じ映像を送信できることや、ライブのためのトラッキングを行なっている演者がリアルタイムの観客の様子を認識できること、観客同士もお互いのアバターを認識できることが特徴だという。

メタバース空間での視聴の場合は、自分のアバターは観客席に置いたまま視点の変更ができることも特徴で、自分の席の位置から見える映像のほかに、俯瞰した様子や、バックステージから回り込んだ様子などを「幽体離脱したような感覚」で楽しめるという。ブースでは、実際に客席から視点を変えたり、ペンライトを振ったりするなどの体験ができる。

サイバーエージェントのブースでもグリーンバックを利用した展示を実施。実写の映像をVR空間に取り込めるほか、スマホアプリからVR空間側のカメラ制御や、背景に花火を打ち上げるなどの演出を制御できる様子が見学できる。このほか、開発中ではあるが、自分のリアルなアバターを作成して、そのアバターに服の試着をするといった体験ができるアプリや、メタバース空間ならではの表現を取り込んだバーチャルショッピング体験ができるソフトの展示を行なっている。

無料で3Dアバターが作成できるピクシブのVRoid Studioブースでは、実際にソフトに触れられるコーナーを用意。スタッフと話しながらアバターを編集する体験ができる。

Metaブースでは、InstagramのARカメラ機能を使った展示を用意。白いオブジェの上に雲や虹などが現われる写真が撮れるほか、Instagramのアイコンがあるブースでは、様々なクリエイターによるエフェクトが用意されている。VR用のチャットアプリの体験コースも用意しているが、「Meta Quest Pro」の展示などはされていない。

GREEの子会社でメタバース関連を展開するREALITYのブースも展開されており、アプリをダウンロードするだけでバーチャルタレントになって配信したり、その配信を視聴したりできるアプリ「REALITY」に実装されたメタバース空間の紹介も行なっている。