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TAD、第三世代UPCG搭載ハイエンドSACD/CD「TAD-D700」

SACD/CDプレーヤー「TAD-D700」

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、SACD/CDプレーヤー「TAD-D700」を2023年1月に発売する。価格は495万円。ハイエンドの「Referenceシリーズ」に位置付けられたプレーヤーで、電源部は別筐体になっている。

2010年に発売した「TAD-D600」の後継モデル。高速デジタル通信基地局で使用される「高C/N(Carrier to Noise ratio:搬送波対雑音比)化技術手法」をベースに物理特性の追求と試聴を繰り返して開発した「超高C/Nマスタークロック回路」を採用。「ディスクに記録された信号や入力信号の再現性を極限まで高めている」という。

さらに、低位相ノイズを追求した「SCカット水晶片」を採用することで「UPCG(Ultra High Precision Crystal Generator)」を第三世代へと進化。音質やC/Nのさらなる向上を図った。

XLRバランスと同軸デジタル入力も備えており、192kHz/24bitまでサポートするDACとして使うこともできる。

電源部を独立構成にすることで、メカニカル部やオーディオ回路に悪影響を及ぼすトランスの不要振動と漏洩磁束を排除。電源トランスの内部巻線を直出しすることで引き出し線との接点を極力削減し、電源回路の高純度化を図るとともに、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキとOFC純銅を採用することで磁性歪も排除した。

オーディオ用の電源トランスに400VAとパワーアンプ並みのトロイダルトランスを搭載し、信号応答性能を高めている。

電源部の筐体には制振性能に配慮した強固な鋳造アルミニウム製モノコックシャーシを採用。

TADの技術思想「シンプル構造」に基づき、新たに開発した「電流帰還型アンプ」をI/V変換回路に採用。入力段には、“TADの匠”により厳格に選別、ペアリングされたFETデバイスを使っている。これにより超広帯域の信号伝送を可能にし、変換精度を格段に向上させた。

フィードバック抵抗には「非磁性高信頼カーボン抵抗器」を採用。信号経路を非磁性化することにより、磁性歪を徹底的に排除している。

DACチップは、TIバーブラウン製で、192kHz/24bit対応のものを並列接続で使用。SN比、リニアリティ、ダイナミックレンジ、歪率などのオーディオ性能を向上させた。

高純度な音声信号を後段のアナログオーディオ回路へ伝送することで、微小な音楽信号まで再生可能とした。

ドライブメカは、高精度で正確な再生を行なうために、新設計の「高剛性CD/SACDメカニズム」を採用。金属軸受けを採用した高精度ローディング機構により、制振性に優れたディスクトレイの開閉動作を実現。無限系光路を採用したピックアップ部は、安定した動作と高い読み取り精度を誇る。ディスクトレー部はアルミ削り出しで、特製黒色シートを使い、レーザー光の乱反射を抑えて読み取り精度を高めつつ、制振性にも貢献しているという。

本体の筐体には、3点支持の鋳造アルミニウム製極厚ベースと、6mm厚銅メッキ鋼板シャーシによる「高剛性2層シャーシ」を採用。高剛性低重心構造を実現した。

デジタル音声出力は、XLRバランス、同軸デジタル。アナログ音声出力はXLRバランス、RCAアンバランスをいずれも1系統搭載する。消費電力は43W。外形寸法と重量は、本体が450×440×185mm(幅×奥行き×高さ)で26.5kg、電源部が220×430×185mm(同)で、13kg。