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ティアック、HDMI・USB入力搭載で直販8.7万円のデスクトップアンプ
2022年11月15日 17:31
ティアックは、小型筐体にHDMI入力、Bluetooth、USB入力を搭載し、ハイレゾ再生にも対応したステレオプリメインアンプ「AI-303」を、2023年1月に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は87,780円。筐体カラーはシルバーとブラック。
コンパクトなボディに多彩なデジタル入力を搭載。パワーアンプモジュールには高効率でハイパワーでありながら、クリアで高い解像度と豊かな音楽性を両立させたHypexのNcoreアンプモジュールを採用している。定格出力は25+25W(8Ω)、50+50W(4Ω)。
ARC/eARC、HDMI CEC対応のHDMI入力を備えているため、好みのスピーカーと組み合わせることでテレビの音を簡単にグレードアップできる。テレビ側のリモコンでAI-303の音量や電源オン/オフをコントロールできる。テレビ側が対応していれば最大192kHz/32bitのハイレゾ再生もできる。
USB DACとしては、最大384kHz/32bitまでのPCMとDSD 11.2MHzのネイティブ再生に対応。動作モードとして、2種類のデジタルフィルター、x2Fs、x4Fs、x8Fsのアップコンバート機能も備える。MQAフルデコーダーも搭載。USB、HDMI、光デジタル、同軸デジタルのどの入力からでもMQAフルデコードができる。そのほか2系統のRCAステレオライン入力も装備。将来的なシステム拡張性も考慮し、サブウーファー出力も備えた。
デジタル処理のための専用SoCも搭載し、MQAデコードを含むさまざまなデジタル処理を、このSoC内で行なう。スタジオマスタークオリティの音質のために、アナログ変換時に必須のデジタルフィルターもあえてDACチップ内のものは使わずにSoC内で処理しているとのこと。
音色の要とも言えるデジタルフィルターは、ショートディレイ・スローロールオフ特性のFIRフィルターに加え、フルエンシー理論による類推補完技術をベースとして自然な音色と音場の再現性があるRDOTフィルターを用意。アップコンバートとの組み合わせで、それぞれのフィルターが持つ微妙な音のニュアンスの違いを楽しめる。
USB入力端子にはUSB-Cを採用したため、PCだけでなくスマートフォンやタブレットも接続できる。セルフパワーのUSB-C端子を備えているため、USB-C端子同士の接続であれば、ホストとデバイスを自動で判別してUSB Audio Class2.0のオーディオデバイスとして使用できる。
USB DACとして使う場合は、入力信号のタイミングをコントロールするクロックをAI-303の内蔵クロックによって制御するアシンクロナスモード(非同期モード)で動作する。USB伝送ジッターの影響を受けないため、よりピュアな状態でデジタルオーディオ信号転送が可能。4種類の転送モードによる音質の変化を楽しめるUSB伝送技術「Bulk Pet」にも対応した。
Bluetooth 4.2準拠で、コーデックはLDAC、LHDC、aptX HD、aptX、AAC、SBCをサポート。どのコーデックで接続されているかをLEDの点灯で確認できる。同時に2台のデバイスに接続できるBluetoothマルチポイントにも対応。
ヘッドフォン出力には4極ジャックを採用し、アンプ部から4極タイプのジャック部までLchとRchのグランドを分離した回路設計を採用。左右chのグランドをアンプ部から分離することにより、チャンネルセパレーションを大幅に向上させ「クリアで見通しの良いサウンドステージを実現する」という。ヘッドフォン出力は220+220mW(32Ω)。
ヘッドフォンアンプには、Coupling Capacitor Less Circuit(CCLC)方式を採用した。一般的なヘッドフォン出力回路ではコンデンサーによる出力段のカップリング(直流成分の除去)の除去を行なうため、コンデンサーによる音の変化や位相遅れ、低域のレベル低下など、音への影響が避けられなかったというが、CCLC方式ではコンデンサーに起因するこれらの音への悪影響を排除し、十分な低域とレスポンスの良い高次元のヘッドフォンリスニング環境を提供するという。
ヘッドフォンリスニング時にはクロスフィード機能を使うことで、スピーカー再生時のような自然な定位感が得られるという。また、スピーカーリスニング時には、センター定位を強調することで、中抜けの改善やボーカル、ナレーション、セリフを明瞭にする効果も得られる。クロスフィードの効果は、専用ノブで調整可能。
再生周波数帯域は2Hz~20kHz、SN比は100dB。筐体は制振性と高級感を両立するフルメタルで、パソコンなどから発せされる電磁ノイズの侵入を抑制。金属製シャーシを両サイドから包み込む8mm厚のアルミパネルにより、ねじれや歪みを防いで強固で安定した筐体を実現したとのこと。
床面のわずかな歪みにも影響されることなく安定した設置を可能にする、オリジナル3点支持フット「Stressless Foot」も採用。従来型とは異なり、フットをシャーシに固定せず半固定状態にして自由に振動させることで、より自然な音の響きを得る、というコンセプトに基づいて開発された。削り出しのスチール製のフットは、しっかり固定されることなく底面にぶら下がる状態で装着されており、従来型のピンポイントスパイクフットのような定位感がありながら「より自然で豊かな響きを実現している」という。
消費電力は63W。外形寸法は215×257×61mm(幅×奥行き×高さ)、重さは3.3kg。電源コードやリモコン(RC-1337)などが付属する。