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ティアック、ディスクリートDAC搭載で約32万円の小型USB DAC/プリ/ヘッドフォンアンプ

「UD-507」

ティアックは、「Reference 500」シリーズの新モデルとして、新開発の自社製ディスクリートDAC「TRDD 5」を搭載したUSB DAC搭載プリアンプ/ヘッドフォンアンプ「UD-507」を、6月29日に発売する。カラーはシルバーとブラックで、価格はどちらも327,800円。

ティアック自社開発のディスクリートDAC「TRDD 5」を採用

発売済みのUSB DAC搭載ヘッドフォンアプ「UD-505-X」の上位モデル。新開発の自社製ディスクリートDAC「TRDD 5」は、上位モデルであるReference 700 シリーズ搭載のディスクリートDACと同等の回路規模を保ったまま、音質を吟味した集積部品を使うことで回路基板を小型化したもの。「Reference 700シリーズ譲りのディスクリートDACだからこそ実現できる澄み渡る音場と実在感溢れる音像でさらに音楽に親密さを感じて頂ける」とのこと。

入力されたすべてのデジタル信号は、独自アルゴリズムを搭載したFPGA内のΔΣモジュレーターで64bit/512fsで処理し、1チャンネルごとに16個のエレメントを通って、アナログ信号に変換される。DSD信号はそのまま、PCM信号はΔΣモジュレーターで1bit信号に変換した後、高音質アナログ信号として出力する。

最大384kHz/32bitまでのPCM、DSD 22.5MHzの再生が可能。MQAデコーダーも搭載し、MQAフルデコードも可能。デジタルオーディオ信号を滑らかに補完するという「RDOT-NEO」(Refined Digital Output Technology NEO)により、PCMデジタル信号を2xFs/4xFs/8xFs(最大384kHz)にアップコンバートすることも可能。

「UD-507」(ブラック)

USBオーディオ再生時には、不安定でノイズの多いパソコン側クロックとは同期せず、本体内部の高精度水晶発振器が作り出すクロックと同期してPCMやDSDデータの転送を制御するUSBアシンクロナス転送方式に対応。

内部のクロックには44.1kHz系と48kHz系の2種類の専用クロックを搭載しており、低位相雑音が特長のオーディオグレード高精度水晶発振器をそれぞれ整数倍の入力信号に対して適用することで「音質に与えるジッターの影響を大幅に抑えて原音を忠実に再現する」という。外部マスタークロック信号と同期可能な10MHz外部クロック入力にも対応。

左右独立のD/Aコンバーター部、アナログ出力段まで一貫したデュアルモノラル構成の回路を採用。それぞれのチャンネルがモノラルで完結する回路を2系統持つ構成により、L/R信号によるお互いの干渉を防ぎ、音場感や立体感など豊かな音楽表現を実現するとのこと。全段フルバランス伝送仕様で、L/Rそれぞれのアナログ出力信号を、D/A変換後から最終出力段までフルバランス伝送する。

アナログ回路用(DACのアナログ部含む)とデジタル処理基板用に、各1基のトロイダルコアトランスを備える。アナログ領域と、デジタル領域の電源部をセパレートすることで、相互の干渉を避け、アナログ信号の純度を向上させている。また「音楽性を最優先」するために、アナログ部の電源回路は無帰還回路を採用した。

「UD-507」(シルバー)

ヘッドフォンアンプ部には、強力な電流供給能力を誇るハイカレント・ラインドライバー「TEAC-HCLD2」を使用。回路のポテンシャルをさらに引き出すため、電源部を強化し、最大出力を大幅に向上。最大出力は1,200mW+1,200mW(バランス接続、100Ω負荷時)と、DAC非搭載の単体ヘッドフォンアンプにも負けない余裕ある駆動力を実現している。

またアンプ出力の低インピーダンス化も図られており、LOW/MID/HIGHの3種類のゲイン切り替えが可能。ヘッドフォンの感度やインピーダンスに応じて、最適な出力に調整できる。

左右正負に1回路ずつ、計4回路のダイヤモンドバッファを使ったヘッドフォン専用アンプを搭載しており、バランス駆動ヘッドフォンも接続可能。バランス接続の原理でCOLD側をグランドに接続することで、アンプ回路によって強制的にグランドをドライブして0Vに近づけるアクティブ・グランド方式も利用できる。

ヘッドフォン出力は、6.3mm標準(金メッキ)とXLR(金メッキ)、4.4mm 5極(金メッキ)。

本体前面
本体背面

入力は、USB Type-B(リア)とType-C(フロント)、同軸/光デジタル各1系統、Bluetoothの計5系統のデジタル入力と、RCA/XLR各2系統のアナログ入力を装備。外部機器と組み合わせて、高品位なプリアンプとしてシステムの中核も担える。

Bluetooth 4.2準拠で、コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、LHDC、LDACをサポート。スマートフォンやDAPから高音質ワイヤレス再生を手軽に楽しめる。マルチポイント接続も利用できる。

左右・正負に独立した4回路構成の可変ゲインアンプ型ボリュームを使った「TEAC-QVCS」をオーディオ信号経路上に配置することで信号経路を最短とし、信号線の引き回しによるオーディオ信号の劣化を防いでいる。音量は0.5dB単位で微調整できる。

消費電力は18W(スタンバイ時0.4W)、外形寸法は突起部を含めて290×249×85mm(幅×奥行き×高さ)、重さは4.9kg。電源コードやリモコン(RC-1341)、フット用クッション×3などが付属する。

付属リモコン